パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド | 空想俳人日記

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

クチコミ番付参加中

大後悔 酔う法おののけ 世界の終わり 



 いや~~~あ、おもしろかったなあ。こういうのこそ、痛快まるかじりって言うんだろうね。まず何が面白いのって、前作「デッドマンズ・チェスト」のラストでジョニー・デップ演じるジャック・スパロウがタコの八ちゃんじゃない、巨大タコのスダーラ、でもないな、なんだっけ、と、前作のレビューがブログ内にあると思って探したけど、ない! 書かなかったっけ、仕方がない、劇場でチケット手にした時についでにくれた「もう一度観たくなる読本」に載っているキャラクター相関図をカンニング、そうそう深海の魔物クラーケン、こいつに食われなければ、今回、彼を墓場から引き戻すシーンはないわけだ。
 で、その墓場でのジャックがまさにシュール。シュルレアリスム映画で有名な、あの「アンダルシアの犬」で、ピアノやら雑多なものを縄で引っ張るシーンを思い出した。それと命を持った石ころ、実は蟹? いやあ、このあたり私はゾクゾク。
 それとそのあと極めつけ、海の上で現世に戻るシーン。サンセットとかサンライズとか上とか下とか、海図を読むんだけど、ジャック閃き、甲板を右へ左へ駆け巡る。彼を見てみんなも走る。エリザベス・スワンのキーラも走る。バルボッサのジェフリー・ラッシュも走る。ギブスのケヴィン・マクナリー も走る。ピンテルとラゲッティの凸凹コンビだけが何を勘違い。みんなが大運動会。ブラックパール号ひっくり返しの世界どんでん返し。最高の前哨戦。ここまででも私にとっては費用対効果大満足。
 そのあと、様々な場面、胸ドキドキ心ワクワク心臓パクパク。でも、初登場の伊武雅刀じゃなくサオ・フェンをキャプテンとするシンガポールの海賊とのやりとりを筆頭にそれらみんな喋っちゃうと思い切りネタバレ。先ほどの「もう一度観たくなる読本」にも、10の謎を掲げながら「中面は必ずご鑑賞後にお読みください」と書いてある。
 ネタバレ博士の私だが、ここでは口を閉ざそう。でも、せめて、もうひとつ。9人の海賊船長が集まる評議会。評議会なんて固い会議、まさか海賊が。やっぱり、どたばた会議。いやあ、何処かのお国の政治舞台も裏ではこんなんだろうね。そこで、ジャックのおとっつぁん登場。これは、もう知る人ぞ知る、だからいいよね。そして、そこでの議決シーン。いやはや、ジャックだけは戦略家。
 ところで、デイヴィ・ジョーンズにとって愛と憎しみの対象カリプソなる存在、それよく知らないけど人間に封じ込められてたとかで、預言者ティア・ダルマが・・・。実は前作から彼女、気になっていた。誰? ナオミ・ハリス。イギリス出身。ううん、知らない。ナオミ・ワッツなら知ってるけど。でも、今回、あんなんなっちゃうのかあ。ふえ~ん、大魔人さま~、お怒りを私の愛でお静め下さいませ~。
 さてさて、いろいろツマミ食いみたいな書き方してきたが、実は、これさえ書ければ、ここでのレビューはOKというのは、やはりキーラ・ナイトレイ。そっ、この映画は彼女演じるエリザベス・スワンと、彼女の魅力に取り付かれた3人の男の物語。ジャック・ダヴェンポート演じるノリントン、オーランド・ブルーム演じるウィル・ターナー。そしてジャック・スパロウ。
 とかなんとか言うと、ジャック「おいおい、オレは、前回彼女のせいで酷い目にあってんだぜ。冗談じゃない」と白を切りそう。でもね、あんたは、評議会といい、ウィルに串刺しを譲ったり、絶対にキーラを想ってのことだろうが。だいたい、私にはお見通しなんだよ。だから、正直キーラがあんなんとこじんまり納まるのが私は許せないんだよ。そんな女かよ、キーラは。ああん? だいたいエンドロール後の映像はなんだあ、おいキーラさんよ、やめてくれ~。なあんて、これ、私の毒舌だと思って許して頂戴。
 そんな人間関係を中心に、今回は恐らく完結ということもあって、単に冒険活劇だけじゃなく物語の厚みも幾重にあって味わいも大変おいしゅうございました。そういえば3時間近かったけど、全然飽きずに、あっという間だったね。しかも、キーラの暴れまくる雌猫まで、ここまで大人しくしてしまった。くそ、キーラで締めくくりなすって、私は彼女のプライドと偏見からすれば、ずっと「ドミノ」みたいであって欲しいのに、おしまいにするしかないじゃん。
 まあ、そういうわけで、このシリーズもこれで打ち止めでしょう。えっ、さらなる続編? だってキーラはもう暴れまくれないでしょが。それでも、もしどうしても続編創りたいのなら、これまでの3部作をエリザベス・スワン編にしていったん完結。次なるは、ジャックに対し女性が3人絡むお話、そんな新たな展開にしましょ。私がキャスティングしてあげましょう。さて、その女性陣は、ニコール・キッドマン、それからさきほどチラッと名も上がったナオミ・ワッツ。そして、なななんとスカーレット・ヨハンソン。いかが! 面白そうでしょ。私の頭の中にはシノプシスあるわよ。買いに来る?