理想の人 | 空想俳人日記

理想の人

善悪を 超えたところに 理想アリ 



 お話を全く知らずに観に行きました。ひとえに、スカーレット・ヨハンソンが出ていると言うだけで。
 思えば、フェルメールの絵に魅せられるように「真珠の耳飾りの少女」でドキッとときめき、「ロスト・イン・トランスレーション」のラストシーンでキュイ~~ンと胸が締め付けられて。でも、「アイランド」で、なんやああああ、と思ってしまった。いや作品自体は悪くないと思うンですが、なんで、ああいう役に貴女が出なさるって。で、実際は、こちらよりも「アイランド」の後からもしれませんが、今回、これは恐る恐るって感じで観たわけです。
 で、これ観て「貴女はこうでなくちゃね」と思わさせてくれましたねえ。
「それにしても、いい歳こいて、いくら映画の女優とはいえ、若い女の子を追っかけるの、やめたら」、そんな声が聞こえます。
 でも、いいじゃないすか、そういうきっかけで、こういういい映画にも出会えるんですから。
 この映画、彼女もよかったけど、彼女の旦那を奪うように見えるけど実は○○役のヘレン・ハント。いやあ、いい演技してましたなあ。原作のオスカー・ワイルドの現題をまったく無視した「理想の人」、英文ではグッド・ウーマンだそうですが、いやあ、彼女のことか。しかも、ダブル・ミーニングでね。ふうん。映画化にあたって、この題名、いいじゃないんかな。オスカーの原題、難しいし。
 ふんでも、スカーレットもよかったよん。人生の全てを知り尽くしたような女性としてのヘレンに対し、人生のことなどこれっぽっちも分かってない女性スカーレット。


 彼女の21歳だっけ、誕生日パーティ。ヘレンに挑戦するように、彼女と同じような大胆な衣装を着るんだけど、ちょっとやっぱりドデーンって感じの、ちょっとやぼったさは漂ってくる(失礼。結構、グラマーで嫌いじゃないよ。へんにスリムになろうと心がけないでね、貴女らしさからすれば)。
 で、一番よかった表情は、涙でぐしゃぐしゃになった顔が鏡に映るシーン。おおう、ばっちい、スカーレットならではの味だあ。なんか誉めてるのか貶してるのか分かんない? いや、断然誉めているのよ。
 有名になると、ついついアメリカ的洗練志向になるけど、洗練って、浅はかの裏返し。こういう良質な作品に出るよう、仕事は選びなさいな、そうヘレンもスカーレットに助言するよ、きっと。
 ほんとは、もっと不可解なる泥臭さがあってもよかったと思うけど、ユーモアたっぷりのイギリス映画を少しアメリカ人にも分かるように優しいストーリー中心に仕上げたって感じで、良心的な作品でもあるわね。
 さてさて、スカーレットの次回作、期待していいかな。
「ええ、いい歳こいて、まだ懲りずに追っかけるの?」
 ワルうござんすか。かつて、ソフィー・マルソー、そして、エマニュエル・ベアール。そして、今、スカーレット。日本の女優も追いかけましょか。ううん、例えば、真木よう子とか沢尻エリカとか本仮屋ユイカとか。
「おいおい、完全にミーハーだね」
 ワルうござんしたね、はいはい、わたしゃミーハーですよ。