教育とは?!(高等教育編?) | 次郎とマーマの なんじゃこりゃ日記

次郎とマーマの なんじゃこりゃ日記

知的しょうがいA1判定=次郎 
その次郎がマーマと呼ぶ私とのなんじゃこりゃな日々



次郎は、支援学校高等部を卒業して、学校と縁がなくなって、やれやれと思っていたのですが、社会に出て2年目にして、お受験なんてことをしています。



次郎は、高等部にやっとやっと通っていたので、卒業したときは「イエ――ッ!!」とばかり嬉しそうでした。なぜかというと、高等部というのは、プレッシャーの大きいところだからです。

わかりやすく言うと、「そんなことでは、就職できませんよ!!」の世界。



でも、重度の次郎のような子の場合、卒業後に就職が待っているわけでなく、就労支援だとか、生活支援などのサービスをしている施設との利用契約が待っているのです。なので、私は、次郎が学校生活を楽しく送ってくれたらいいなーと願い、お願いもしていました。

しかし、学校というところは、楽しいところであっては、ならないようなのです。



皆さんは、教育とはどういうものだと思っていますか?



一般的に、教育とは、出来なかったことを、出来るようにしてあげる。

社会に出る前に、社会人として必要なことを教えてあげる。

というようなイメージはないですか?



教育の根本的なこと、あるいは、もっとさかのぼって、人とはなにか?くらい根源的なことまで言ってしまいますが、大人が子どもに余計なことをしている場合が多くあることを、ここでは言いたいのです。

もっと言えば、全体に都合のいい人間にすることを、教育と呼んでやしないか?ということを言いたいのです。



私は、最初から歯車から外れたような、次郎という子どもを授かって、とってありがたいことだと思っています。そして、“世の中の厄介者だ、迷惑をかけるだけの存在だ、生きている価値がない・・・”と、もしかして、思っている人もいるかもしれない、障がいい児の親をやっていて、本当に幸せな場面にたくさん出会い、世の中をよくするのは、まさに、この子たちなのではないか?とさえ思っています。



次郎は主治医に恵まれていて、その主治医さんが、直接ではないけれど、言っていた言葉があるんです。「医者にとって、一番つらいのは、なにもしないことだ」と。なにかと、検査したり、投薬したり、いろいろしたくなるものらしいんです。そこをぐっとがまんして、なにもしないで経過を見るということを、次郎の主治医さんはしてくださいました。いつも、暖かい目で見守ってくださいました。



きっと、専門分野で仕事をしていれば、なにかをしたくなるでしょうし、成果も見たいものだと思います。しかし、障がい児の教育に関しては、目に見える成果というものを、求めることは難しいと思うのです。なぜなら、だからこそ障がい児なのだから。



簡単に言えば、子どもの言うことを聞こうするのではなく、子どもに大人の言うことを聞かせようというのが、教育と思っている大人が多いように思います。



「この子たちから、たくさんのことを学びました」とおっしゃる先生は、本当の意味で先生でした。「先生の言うことを、よく聞くようになりました」という先生の言うことは、大人の私でも聞きたくないな~と思うのです。



障がい児の教育に取り組んで下さり、実際問題、社会に出してゆかねばならないのに、この親は、「楽しく過ごせればそれでいい」とは、「なにを言っているんだ?!」と思われていたと思います。「出来ないことがあれば、出来るようにしましょう!」と、思っていたことと思います。



私は、今でも、障がい児であろうと、なかろうと、本人にする気がなければ、なにも出来るようにならないと思っています。



大人たちが、あたりまえのように、使う脅し。「何々しなければ、何々できませんよ」など、よく学校でも聞きましたが、そのような脅しのない世界に学校がなればいいなあと夢想するのです。



そんなわけで、プレッシャーの多い高等部でしたが、そのトラウマも抜けたようなので、福祉型専攻科というものに、行けるものなら、行きたいなあ~次郎には、もっと、スポーツしたり、友達とお料理したり、お勉強したりそんな時間を作ってあげたいな~と思っています。

専攻科というのは、全国に広がりつつありますが、高等部卒業後の進路がないために、高等部も、ゆとりを持った高校生活が送れないという現実もあるので、知的障がいのあるこの子たちこそ、ゆっくりした学校生活を保障してあげたいと思っているのでした。



チームワークを学ぶスポーツだとか、お友達との思い出とか、一緒に取り組むこととか、親には出来ない経験がまだまだあると思うのです。



支援学校の思い出がよくないようなことを書いたので、次回は“楽しかった小学部・中学部”のことでも書きますね。