海フェスタ神戸記念式典に出席しました

 

 7月19日、秋篠宮文仁親王殿下同妃殿下の御臨席の下、ホテルオークラ神戸で開催されました海フェスタ神戸記念式典に出席させていただきました。

 

 この「海フェスタ」は、「海の恩恵に感謝し、海洋国日本の繁栄を願う日」という「海の日」本来の意義を国民の皆様に再認識していただくことを目的に毎年開催されているものであります。今年の海フェスタは、神戸港開港150年を記念して神戸市において開催されることになりました。神戸市は、平成15年の第1回海フェスタの開催地でもあります。

 

 記念式典では、海運、船舶、船員、水先人、港湾、海上保安の各事業において功労のあった方々、統計調査や海をきれいにする活動にご尽力をいただいた方々に対する海事関係功労者表彰がありました。前後して、秋篠宮殿下から御言葉を頂戴するとともに、久元喜造神戸市長の主催者挨拶、井戸敏三兵庫県知事の歓迎挨拶、安倍総理のメッセージ代読がありました。私も海事・港湾・海上保安行政などを担う国土交通省の副大臣としてご挨拶させていただきました。

 

 我が国は、人口規模では世界第10位、国土面積では世界第61位ですが、領海を含めた排他的経済水域では世界第6位の面積を有しております。1位アメリカ、2位オーストラリア、3位インドネシア、4位ニュージーランド、5位カナダで、そして日本と続きます。かつての旧ソビエト連邦よりも広いです。

 

 したがいまして、私たちは、あらゆる面で海の恩恵を受けております。世界三大漁場に位置する日本にとりまして、魚は大切な食料資源です。神戸も瀬戸内海という豊かな海の恩恵があります。でも美しさだけを求め続けた結果、瀬戸内海がある面でプールのようになってしまい、魚介類が大きく減少しました。水質管理と生態系の管理の両面を考えなければなりません。

 

 また、日本近海にはないと思っていたメタンハイドレードなど資源の可能性が認められました。そして一番大切なことは、日本経済、国民生活を支えるのは海運であるという事実です。日本におきましては、外国との貿易の99%以上、国内貨物輸送の約4割を海運が担っております。造船については世界トップクラスの技術と規模を誇っております。

 

 私はこの一年、海外出張はすべてアフリカ大陸でした。ケニアのモンバサ港、ガーナのテマ港、そして明後日から最後の海外出張になると思いますが、マダガスカル共和国に行ってまいります。あの「生きていた化石シーラカンスの発見された島」です。マダガスカルにおきましても、トアマシナ港という港を整備する必要があります。当地では住友商事がニッケルやコバルトを産出して日本へ積み出しております。

 

 5月にはガーナの首都アクラ市に行ってまいりました。黄熱病の研究をされた野口英世博士が亡くなられたところです。博士のおられた研究所がそのまま保存されていましたが、壁には「忍耐」と書かれた額が掛けられておりました。博士は執務室の窓から海を眺めるのが好きであったとの説明を受けました。日本人なら誰でも感慨深くなると思います。

 

 海は世界につながります。そして港と港が世界をつなぎます。限られた港湾行政の予算の中でも神戸港は着実に整備が進められております。日本経済を支える大きな柱であると確信しております。

 

 また、海フェスタを通して、国民の皆様の海への関心が一層深まり、特に次世代の子供達が海や船を身近に感じてもらうこと、政府として「海洋教育」の大切さを改めて認識しながら啓発に努めてまいりたいと考えております。