心法書道の慧竹です。

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

今月の座学は、自分が選んだ書から離れ、全く別の人物の書を感じるワークに挑戦していただきました。

 

これは、実際私が留学中に恩師から見せていただいた拓本を写真に撮ったものですが、皆さんには真正面からのきれいな拓本写真を用意しました。

 

さて書き手は誰でしょう。

想像しながらご覧ください。

 

 

袞雪(こんせつ)と書いてありますが、本来「袞雪」の「袞」はさんずいが必要。

しかし、わざとさんずいを書かずに仕上げています。

拓本の大きさは約50㎝×約150㎝ほど、文字は結構大きな作品です。

 

しばらくの間じっくり書を眺めてもらいます。

静かな時間が流れます。

 

 

中国古代史に造詣の深いHさんが尋ねます。

「現代の人ですか?古代の人ですか?」

 

「古代、3世紀くらいですね」と私が答えると、

「三国志の時代じゃないですか」と目を輝かせ即答。

 

「この時代の英雄といえば、あの三人ですよね、あのうちの誰だ?」

「この書のイメージにしっくりくるのは、、、曹操ですか?!」

 

ご名答!

 

曹操といえば、日本人の多くはあまりいいイメージを持っていないようですが、それは『三国志演義』によるもので、中国でいう『三国志』は、歴史書である『正史』、その正史を読破されているHさんにとっては、あこがれの曹操だったようで、その書きぶりに偉く感動されていました。まさに中国史におけるの英雄の中の英雄ですからね。

 

留学当時の私が感じたイメージは、「窮地になればなるほど、大胆さと勇敢さが際立つ人物。」それに対して師は、「その通り、彼は誰よりも前に立って戦った人物です。」と。

曹操がいかに素晴らしい人物だったか、さまざまなエピソードを聞かせてくれたのを覚えています。

 

他の生徒さんの直感も素晴らしく、「え、どうして?どこでそう感じるの?」と思わずたずねてしまいました(笑)

 

心法書道では、書から書き手をイメージし、その書きぶりをまねる(=自分との書きぶりの差を埋めていく)ことで、書き手の人物像に近づくという訓練をします。

 

字には書き順があり、その空間をどのように書き進めたのか、その痕跡である筆画から、その瞬間の書き手の深層心理を知ることができます。

 

via 心法書道
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