韓国企業レポート(前回は情報通信部 )が遅くなってすみません。。西へ西へと旅に出ていましたが、やっと我が家に帰宅してます家
 
ということで、早速、KTF 社について書きたいと思う。
 
 
 
KTFは韓国の携帯事業会社の1つで、KT(Korea Telecom)の子会社である。日本ではNTTDocomoがNTTの子会社であるのと同じ関係ですね。マーケットシェアでは2位。SKT(SKTelecom)という会社が1位で、3位はLGT。
 
 
ちょうど日本のNTTDocomo、KDDI(au)、SoftBankの3社と置き換えて考えるとわかりやすい。市場やそのシェアが近いため、その戦略まで似てくるのか!?実際にKTFは、日本でいうKDDI(au)とマーケティングや戦略が類似している印象だった。
 
 
具体的には、価格戦略。日本ではナンバーポータビリティが適応されてから、価格で優位性の高いKDDIやSoftBankが毎月純増しているのと同様に、KTFは価格優位性で1位のSKTを追随している。しかし、これだけではSKTに勝ることはできず・・・・・・・あとは下記に記載しますねビックリマーク
 
 
 
 
ここでまずは、日本と韓国の携帯電話市場から記載していきたい。携帯電話の加入者数では、日本が約1億人(?)なのに対して、韓国では約4000万人。だいたい日本の半分弱の計算であるが、人口を考慮すると所持率はそんなに変わらない。(全体の約8割くらい。)
 
 
また、日本も韓国も携帯電話のインフラはもちろん、その中のコンテンツビジネスが諸外国に比べても非常に発達していることを忘れてはいけない→→このエントリ←← に書きましたね!!)が、日本では着メロや着うたなどの音楽系コンテンツが流行っているのに対して、韓国での人気サービスはダウンロードゲームとDMB放送(日本でいうワンセグ)である携帯
 
 
どうやら、携帯で動画を楽しむことに関しては、日本より韓国の方が浸透しているようだった。以上が韓国の携帯電話市場の概要だが、ザックリとした説明でなんとなくイメージを持っていただけたでしょうか!?
 
 
 
 
では、いよいよKTF 社のレポートを書いていくひらめき電球
 
前述した通り、日本のKDDIのようなマーケティング・戦略を構築していることがよく理解できた訪問だった。その理由は、対応してくれた先方の部署がBusiness Marketing Strategy Office(日本でいうと宣伝部やマーケティング部のような部署)だったからである。
 
 
言うまでもなく、自社のマーケティングやブランド戦略を担当している部署で、2名のマネージャーと担当役員(CMOみたいな立場か?)が、英語のPPTで1時間半ほど自社のマーケティング・ブランド戦略をプレゼンしてくれた。
 
 
我々10名前後の学生+教授に対して、先進国の大企業の役員が1時間半もかけてプレゼン。その後30分ほどの質疑応答にも対応してくれ、高いホスピタリティを感じた。さすが韓国を代表する企業、我々へのもてなしはもちろん、ビジネスマナーも徹底しているのだと感心させられた!
 
 
 
 
プレゼンの内容だが、彼等が社運を賭けて挑んだ(ある教授がそう言っていたらしい)、「SHOW」 というブランドの構築プロセスと、そのマーケティング戦略についてのものだった。「SHOW って一体何??と思うかもしれないが、分かりやすく言うとNTTDocomoの「FOMA」がそれに当たる。
 
SHOW
 
 
要は、3G携帯専用のブランドってこと!!NTTDocomoと同じくKTFも既存の自社ブランドとは切り離して、3G携帯は全く違うブランドで展開した。前述した価格優位性以外のSKTへの追随策がまさにこれ合格
 
 
 
 
SKTとKTFの3G携帯への戦略は大きく異なった。そして、これを「3G Brand Possition」としてかなり詳しく説明してくれたのですSKTは、2Gで圧倒的なシェアを誇っていたため、3Gを2Gと同様のブランドで横にスライドさせる戦略をとった。一方KTFは、2GでのシェアではSKTに負けていたため、3Gを全く別のブランドとして展開したらしい。(=「SHOW」)
 
 
同席していた根来龍之先生も「このプレゼンで1つのケースが作れますね。」とおっしゃっていたほど、KTFのマーケティング・ブランド戦略がよく理解できる内容であった。「なるほど~。」と心から頷けるほど、基本的なマーケティングに忠実に戦略を構築していたのだ。いわゆる業界No.1企業(リーダー)の戦略、No.2企業(チャレンジャー)の戦略にピッタリ当てはまる。(「SHOW」のロゴとか、若者をターゲットに絞ったあたりは特にKDDI(au)と似てますねニコニコ
 
 
このブランドと明確な戦略を構築する上で、3Gをどのように位置付けるのか?「KTF」というブランドとの関係性をどうするか?競合との差別化はどのように行うか?ブランド名は?広告戦略をどうするか?流通戦略をどうするか?番号戦略をどうするか?(日本でいう「090」「080」の頭番号が、韓国では複数あるらしい。)など・・・・。これらを徹底的に議論して、満を持して「SHOW」をリリースした。
 
 
 
 
そして、この戦略が功を奏して、下記の図のようにKTGは3G携帯で高いシェアを獲得するに至ったのである。(ってゆうか、Googleのイメージ検索で出てきたグラフだけど、、、よくこんなのUPされてたな。。)
 
 
SHOWgurafu
↑KTF社「SHOW」の純増数。
 
 
 
 
(いや~、、、すごく長くなっちゃったなあせる)でも最後に、「SHOW」の広告戦略についてフォーカスして書いておきたい。
 
 
これも基本的には日本と変わらず、ネット広告が急激な伸びを見せるが、TVを中心としマス広告への出稿量はそんなに変わらないようだ。出稿比率で言うと、TVに7割。あとはケーブルテレビや多少の新聞広告、そしてインターネット広告である。その中でも、ここで書いておきたいのがバイラルマーケティングに関しての施策だ。
 
 
韓国でもネットを中心としたバイラルマーケティングはトレンドで、KTFもこれには注力していた。そんな中でおもしろかったのはインフルエンサーを自社で保有していた点である。
 
 
通常、インフルエンサーを囲っている企業を使ってバイラルマーケティングを行うのが日本の主流だが、韓国KTF社は自社で囲ったインフルエンサーに直接働きかけて、イベントに参加してもらったり、サンプリングやアンケートに答えてもらったりしているらしい耳
 
 
「炎上」する可能性があるとても危険な施策だが、それだけに自社内ですべて行って、細心の注意を払って徹底的にやるのだそうな。日本にも同様の企業は存在するのでしょうか?自分でもけっこう関わっている領域だけに、これについてはもうちょっと質問したかったな~。
 
 
SHOW2
↑「SHOW」のTVCF。けっこう奇抜で、全体的に日本のものに似ていた。
 
 
SHOW3
↑「SHOW」のキャンペーンガール。(これをUPしたからって勘違いしないでくださいね。。)
 
 
 
 
以上、かなり長くなったけど、KTF社の企業訪問レポートでした。まぁ、それだけ学びの多い訪問だったってことで!
 
長いのにすべて読んでくれた方、ありがとうございます音譜
 
 
 
次回は、世界を代表するグローバルカンパニー「サムスン電子」についてレポートします。