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火曜日は、くらえもん氏による『もう一つの進撃の庶民』です!
今日は、劇場版として『もう一つの進撃の庶民』を少しでも多くの人に見てもらえるよう、やや短めに纏めました。1~12話までのディレクターズカット版ですので、制作者のくらえもん氏からは不本意な切り方をしているかもしれませんので、予めお詫び申し上げます。
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『もう一つの進撃の庶民』
その日 人類は思い出したのだろうか・・・
ヤツらに支配されていた恐怖を・・・
なんのために壁がそこに在ったのかを・・・
劇場版・もう一つの進撃の庶民・壱
カレン「なんだか、息が詰まる・・・・・・。」
ミツキ「どうしたの?風邪でもひいた?」
カレン「違うよ!!なぁ、なんでこの国はあんなバカでかい壁に囲まれてるんだろうか。」
この国はずっと昔から30mを超える高さの壁によって八方を囲まれていた。もちろん人が通れる程度のゲートは数か所に設けられてはいるが、それより大きいものは国内に入ることはできない。
ところが・・・。
「壁をぶっ壊す」と豪語したライオネルが国民の圧倒的な支持を受け、新国王となったのだ。
ライオネル「この国の民たちよ。我々はいよいよ新しい時代を迎えるのだ。古い壁を取り払い、今こそ広い外界へ打って出ようではないか。」
大衆A「うぉーーーーーーーー」
大衆B「ライオネル様、バンザーーーーーーイ」
ヘイツォ「ライオネル様、準備が整いました。あとは合図さえあれば壁はドカンです。」
ドッカーーーーン!!!!!!!!!!!!
カレン「見たか、ミツキ?あの壁にでっかい穴があいたぞ!!」
ミツキ「カレン・・・何・・・アレ?」
カレン「ん?」
ミツキの視線の先には壁の穴からこちらを覗く巨大な影・・・。
カレン「あ・・・あれは・・・」
エヌ老師「ネオリベス・・・。人類に滅びをもたらす怪物じゃ・・・。」
カレン「え?あなたはいったい・・・。」
突如カレンの隣に現れた謎の老人。
エヌ老師「そこのお二人さん、今から起こることをよく見ておきなさい。人類が犯した過ちを・・・。」
カレン「ちょっと、じいさん!なんなんだよ、アレは?」
ミツキ「おじいさん、何か知っているなら教えて!」
エヌ老師「自由・・・それは秩序の崩壊でもあるということ・・・。」
そう言うと、老人はどこかへと去っていった。そして、ついに国内へ侵入してきたネオリベス。
大衆A「うわぁぁぁぁ」
大衆B「ギャァァァァァァァァ」
大衆C「苦しい・・・たすけて・・・」
ネオリベスは街を次々に破壊。そして、そこには次から次へと人々の亡骸が積み上げられていく。
ライオネル「国民たちよ。痛みに耐えよ。壁を壊さねば我が国に将来はないのだ。」
ヘイツォ「その通りだ。壁の向こうにこそ自由はあるのだ。さぁ、どんどん壊せ!!」
ドッカーーーーーーーン!!!!!!!!!!
カレン「なんだよ・・・まだ壁を壊すのかよ・・・!?」
ミツキ「カレン、急ごう。あそこにはまだお母さんとお父さんが。」
急いで自宅へ向かうカレンとミツキ。しかし、ネオリベスに自宅は破壊され、そして家の下には母の姿があった。
カレン「か、母さん!!!」
カレンの母「カレン・・・早く逃げて・・・」
ドシン・・・ドシン・・・
カレン「こ、こいつが・・・ネオリベス・・・」
目の前に現れた巨大な怪物はカレンに向かって歩き始めた。
カレンの母「カレン!!早く逃げなさい!!」
カレン「で、でも・・・母さんが!!」
ミツキ「お母さん!今助けるから!!」
その時、カレンとミツキを2つの腕が抱える。
カレンの母「あなた!」
カレンの父「カレンとミツキは私が命に代えても助ける。・・・すまない。」
そう言うと父は走り出した。
カレン「ちょっと待て、親父!母さんが・・・母さんが・・・!」
カレンの父「もう母さんは助からん。私たちが期待していた自由とは・・・構造改革とは・・・こういうことだったんだ。」
カレン「なんだよそれ。壁を壊せば明るい未来があるんじゃなかったのか!?」
その時、背後から3人を新たなネオリベスが追いかけてきた。
カレンの父「カレン、ミツキ・・・。お前らは第2の壁の内側まで走れ。ここは私が食い止める。」
次から次へと大切なものを奪っていくネオリベスの大群。ネオリベスの大群により国土の1/3を蹂躙された我が国・・・。そして、第2の壁の内側に逃れた大衆は壁の破壊を決行した中央政府への怒りを爆発させようとしていた。
カレン「この前までは壁を壊そう壊そうって騒いでいたくせに・・・」
アンジー「確かに自分たちで招いた結果かもしれないけど、この有様を見ると・・・」
カレン「分かってるよ・・・そんなこと・・・」
ミツキ「ライオネルとヘイツォに煽られたとはいえ、壁の意味を考えてこなかった私たちにも責任があるのかもしれない。」
その時、元王国騎士ミンストンが大衆を率いてクーデターを決行し、ライオネル王政を転覆させたとの知らせが国中を駆け巡る。一方で、カレン、ミツキ、アンジーの3名は対ネオリベス組織『調査兵団』へ入団するために「調査兵団」のアジトへと向かったのだが、なんとそこには104人もの入団志願者が集まっていたのであった。
ベティ「ねぇ、アンタたちも「調査兵団」に入るの?」
カレン「あ、あぁ・・・。」
ベティ「アタシはベティ。それにしても田舎くさいわね。どこの出身なの?」
ミツキ「S48地区。」
ベティ「ウソ!?じゃあ、ネオリベスを生で見たの?ねぇ、ポリアンナ、この人たちS48地区出身なんだってよ。」
ポリアンナ「うるさいなぁ。イナカもんに構ってないで、早く受付を済ませるよ。」
カレン「なんだと?」
ベティ「じゃあ、私はこれで。お互い頑張りましょうね。」
アンジー「どうりで・・・。まぁ、ネオリベスの恐ろしさを本当に知っているなら「調査兵団」に入ろうなんて考えないか・・・。」
カレン「アイツら足引っ張るんじゃないだろうな・・・。」
ミツキ「カレンだって気合いだけじゃネオリベスには勝てないからね。」
カレン「分かってるよ、ミツキ。」
アンジー「さぁ、僕らも受付を早く済ませよう。」
チェリオ「みんな揃ったかーーー!!今から団長が話をされる。よーく聞くがよい!!」
アヴィン「よく集まってくれた。私が団長のアヴィンだ。よろしく。君たちには1年間、総合的な訓練を受けてもらう。その後、4つの部隊にそれぞれ分かれて所属してもらうことになる。それでは、部隊長達を紹介しよう。」
ナッシュ「俺が第1部隊の部隊長、ナッシュだ。我が第1部隊の任務は壁外調査およびネオリベスの討伐だ。命のいらない者たちは俺の部隊に来い!」
カレン「1年の訓練が終わったら俺は第1部隊に入るぜ。」
ミツキ「カレンがそうするなら私もそうしよう。」
オーズ「儂は第2部隊の部隊長をやっとるオーズじゃ。第2部隊の任務は壁そのものの調査あるいは壁の強靭化じゃ。我が国を強靭な国にするための部隊と思ってくれ。」
アンジー「強靭化・・・」
セルフィ「キミも第2部隊に興味があるの?あっ、僕の名はセルフィ。」
アンジー「僕はアンジー。壁の強靭化、実は僕も前から考えていたんだ。」
セルフィ「じゃあ、1年後一緒に第2部隊に入ろうよ。」
クリスマス「私は第3部隊の部隊長、クリスマスだ。第3部隊の任務は壁内の平定や国内経済の調査・政策立案になる。N国内部のことに興味があるやつは我がクリスマス兵団に入るがよい。」
ベティ「まずは国内を安定させないとだもんね。」
ポリアンナ「あぁ、アタシらの力を生かせるのは第3部隊のようだね。」
チェリオ「最後に私が第4部隊の部隊長、チェリオであります。第4部隊は我がN国に仇なすC国やK国の調査が任務であります。」
コリン「C国やK国はまじでうざいよね。」
ムゲロ「第4部隊の力であいつらを早く叩き潰したいぜ。」
アヴィン「さぁ、明日より訓練開始だ!!みんなともにN国を取り戻そう!!」
入団志願者「ウォーーーーーーーーーッ!!!!!!」
カレン達が訓練に明け暮れる、その頃、王宮では・・・。
ミンストン「なぁ。」
部下「はい、なんでしょうか?」
ミンストン「政治って・・・どうやるんだ?」
部下「え・・・!?」
その時、突然けたたましい警報が鳴り響いた
シヴァ「ナッシュ部隊長!報告です!A帝国がネオリベスの手により半壊しました!!」
ナッシュ「なんだって!?」
シヴァ「しかも、ネオリベスの大群がN国に、いや、世界各国に向かっています!!」
超大国を襲ったネオリベスショック!!その余波は全世界を駆け巡る!?
ミンストン「ど、ど、ど、どうすればよいのだ?」
部下「あんた、元王国騎士でしょう?」
ミンストン「い、いや、N国はN国人だけのものではないし・・・」
部下「なに言ってるんですか!?あんたは。」
ネオリベスの大群が東からやってくる。襲撃に備え「調査兵団」は東門へ向かう。第2の壁内に侵入してきたネオリベス。
ナッシュ「右に1体・・・・・・左に2体・・・・・・」
カレン「うおおおおおおっ!ネオリベスッ!!!」
ナッシュ「アスキーさんとシヴァは右のカレンを支援しろ!俺は左を片付ける!」
訓練兵の中で一人ネオリベスの前に飛び出すカレン。しかし、攻撃を外してしまいネオリベスに睨まれる。
アスキー「カレン君、あぶない!!」
カレン「アスキー副部隊長!!」
ドンッ
カレンをかばって負傷するアスキー。そのスキにネオリベスのうなじを切り取るシヴァ。
シヴァ「アスキー副部隊長、大丈夫ですか?」
アスキー「なんのこれしき・・・うっ・・・」
カレン「副部隊長、俺が先走ったばかりにすみません・・・。」
アスキー「ネオリベスを駆逐するんでしょう?冷静さを失ってはいけませんよ。」
カレン「申し訳ありません・・・。」
アンジー「そういえばナッシュ部隊長は?」
カレン「な・・・。たった一人でもう2体のネオリベスを倒したってのかよ・・・。」
ネオリベスを倒したナッシュは門番に早く門を閉じるよう詰め寄っていた。先ほど破られた門とは別に、緊急用に隔壁を降ろして壁外との行き来を完全に遮断することができるようになっているのだ。しかし・・・
門番「こ、この隔壁は王様のきょ、許可がないと作動させることがで、できません。」
ナッシュ「緊急事態なんだぞ、何を言っている!!」
門番「し、しかし、き、決まりですので!(こわいよぉ・・・)」
ナッシュ「ちっ・・・ミンストンは何をやってやがる・・・。」
シヴァ「ナッシュ部隊長!!またネオリベスが壁内に入ってきました!!しかも今度は5体です!!」
ナッシュ「くっ・・・貴様がグズグズしているから・・・。」
門番「し、しかし、規則ですので・・・。」
ナッシュ「もういい!俺が閉める!!」
ナッシュは門番の制止を振り切り、隔壁を作動させた。
ガッチャーーーーン!!!
既に侵入したネオリベスの猛攻に、訓練生は次々と命を落としていくが、隔壁を作動したことで、壁内に侵入したネオリベスは全滅させることに成功する。
セルフィ「でも、この街はボロボロに・・・。そして、たくさんの仲間たちが・・・。」
人類は再びネオリベスの恐怖を思い出した。そして、調査兵団の訓練兵および第1部隊もその4分の1の兵を失った。N国東門前の街のあるE12地区は貿易の盛んな街であったが、この度のネオリベス襲来により大打撃を受けてしまった。
カレン「くそ・・・。この不況を脱しようとして人々は壁に穴をあけた・・・。それが、このザマだなんて。」
ミツキ「第1の壁と第2の壁の間に住んでいた人たちも、たくさん第2の壁の内側に逃げ込んできているから、さらに仕事がなくなって大変みたい。」
そして、2人を含む訓練兵の生き残りの83名は本日は第2部隊長のオーズから壁に関する研究成果についての講義を受けは、壁のほんとうの意味を知る。
オーズ「このN国は壁に守られることによってここまで発展してきたと言っても過言ではないというわけじゃ。」
ミツキ「壁にそんな意味があったなんて・・・。」
カレン「壁を壊すって、めっちゃバカなことじゃないか・・・。くそ。」
オーズ「しかも、N国は世界の中でも特に自然災害も多いし、ネオリベスがよく通る場所でもある。しかしながら、場所によっては壁の高さは必要な高さの半分もないところが多数あるのじゃ。」
アンジー「しかも、今ある壁だってひび割れがヒドイし、いつ壊れてもおかしくない場所が結構ありますよ。」
オーズ「それどころか、近年は壁の整備どころか壁を壊すことを政治がやってきたからのぉ・・・。」
講義終了後・・・
ミツキ「強固な壁をつくることが強固な国を作ることなのね・・・。」
アンジー「壁の補修作業を政府が大々的にやれば仕事がたくさん生まれるのに・・・。」
セルフィ「でも、政府は借金で大変らしいけど・・・。」
カレン「いや、どうやらそうじゃないらしいぞ。」
セルフィ「え?」
アンジー「まだ、確証はないけど。たぶん、政府の借金は問題ないはず。」
セルフィ「それなら・・・。」
アンジー「あぁ、壁の強靭化は可能なはずだ。」
N国を守るためには壁を強靭にしなければならない。そう考えるカレン達だが、調査兵団の中にはN銀こそが悪であり、N銀さえ倒せば、全て解決すると考える兵団も存在した・・・。
( つづく・・・。)
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