防災食も東海色 高校生が開発 特産品を活用。 | 小牧市 小さな不動産屋さん

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東日本大震災後、保存期間を長くした防災食の開発が盛んに進められている。不足しがちな栄養素が補え、おいしく食べられるよう工夫したものや、震災を教訓に避難生活にきめ細かく配慮したものも。南海トラフ巨大地震の発生が懸念される中、自治体や企業だけでなく、家庭でも食料の備蓄が進んでおり、開発競争はさらに広がりそうだ。

 愛知県半田市の県立半田商業高校は地元パン店「葵ベーカリー」と1年間保存可能な缶入りパンを共同開発した。宮城県で被災した転入生を迎えたのをきっかけに、鉢植えを販売して売上金を被災地へ送る活動をする中、生徒が「被災地が明るくなるような、おいしい防災食を作れないか」と提案した。約1年をかけ、サツマイモ入りとドライフルーツ入りの2種を作りあげ、昨年10月に発売した。

 同市出身の児童文学者・新美南吉の童話「ごんぎつね」にちなみ、「ごんぱんだ」と命名。パン店やイベントなどで1500缶を売った。白井上二教頭は「まずは初期投資が回収できる4000缶の販売が目標。その後は売上金の一部を被災地に寄付したい」と意気込む。同市は南海トラフ巨大地震が起きれば最大4メートルの津波が襲来するとされ、販売で住民の防災意識を高める狙いもある。

 自治体の防災食の定番・乾パンの多くは保存期間が5年。これに合わせ、保存期間を延ばす例は多い。

 食品メーカー「井村屋」(津市)は2011年4月、1本(60グラム)でご飯1膳分のエネルギー(171キロ・カロリー)が補給できるミニようかん「えいようかん」の賞味期限を従来の3年から5年半に改良して発売。被災地に送ったところデザートとして重宝された。防災食の備蓄を進める自治体からも好評で、震災前の10倍以上の売れ行きという。暗闇でも開封しやすいよう反射シールをつけ、パッケージに災害伝言ダイヤル「171」の使い方を印刷するなど避難生活にも配慮した。

 天狗缶詰(名古屋市)も昨年8月、おでん缶の練り製品を改良し、5年保存可能とした。担当者は「災害食は種類があまり多くないことから、家庭用にも買われている」と話す。

 特産品の防災食も登場。三重県名張市の「丸福精肉店」は昨年以降、「現代の忍者食」と銘打ち、伊賀牛と県産豚を使ったレトルトカレー2種を発売。

 岐阜県関市の「奥長良川名水」は11年夏から、奥長良川高賀(こうか)渓谷の天然軟水の5年保存水を売り出した。被災地で、「2リットルのペットボトルでは回し飲みできない」と指摘があり、簡易コップもつけた。東京都が今年4月、企業などに水や食料の備蓄を義務付ける条例を施行したことから、中村尚・東京営業所長は「自動車メーカーや不動産会社から注文が来ており反響は大きい」と話している。

(以上、記事引用)