某所で、クルーグマン氏がリーマンショック後の米国で、インフレ推しを封印して財政推しになった、というような内容を見かけました。

「???」となったので、クルーグマン氏の「心変わり」をご本人のブログから紹介してみます。

私が知る「クルーグマン氏の心変わり」は
金融政策推し→財政政策推し→金融政策推し→全部やれ
と変遷していると受け止めております。
後述記事の拙訳(カッコ内は当方の補記)。


Fiscalists, Monetarists, Credibility, and Turf
(2013年)

"中央銀行がインフレの上昇を容認し、経済が回復しても直ちに貨幣を収縮させない限りは金融政策は効果を持つと結論づけた"


"危機が世界に広まった時、それを達成するのが困難であることを痛感した。セントラルバンカーに高いインフレ率が必要であると説得するには時間がかかる。投資家たちに中央銀行が(インフレ上昇を容認)性格を変えたと納得させるには更に時間がかかる。"


"実践的な財政主義者になった"


"もっともらしい理由を見つけるとすぐに緊縮策に飛びつく政策決定者の頭の固さ"


"結局、貨幣拡張政策を呼びかけるようになった。中央銀行であればある程度の行動の自由を持っている、という理由による。"


Rethinking Japan
(2015年の記事)

"確実にインフレを起こす唯一の方法は(インフレを起こすまで「無責任」になると)変更した金融政策レジームに、爆発的な財政刺激を組み合わせること"

「心変わり」をキチンと説明するクルーグマン氏は尊敬に値しますね。