☆☆☆☆ 2010年10月 503p 文藝春秋
○ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子訳「ロードサイド・クロス」読みました
女子高校生のタミーが海辺の車のトランクの中に置き去りにされ、もう少しで溺死するところでした。
その捜査を受け持ったのが、カリフォルニア州捜査局(CBI)捜査官のキャサリン・ダンスでした。犯行は現場近くの道に十字架をかたどった目印で、予告されていました。
ダンスは、相手の仕草や表情によって真偽を見抜くという、キネシクスの訓練を受けていました。ダンスはタミーに話を聞くと、彼女は誰かにおびえているようでした。
調べると、タミーの高校で、後部座席に座っていた二人の女子高校生が交通事故で死ぬという事件がありました。チルトンレポートという、個人のニュースブログサイトでは、その事故で運転していた男子高校生についての問題を提示したところ、ブログでの書き込みは、非難囂々(ひなんごうごう)。元の記事はまだまともなのですが、コメントにあることないことを書き付けられています。いわゆるネット上での炎上状態。タミーもこのブログにコメントしていたのでした。
ダンスは、運転していた高校生トラヴイスに尋問しようとしますが、逃げられてしまいます。そして、次なる犯行が十字架によって予告されました。。。
ということで、ジェフリー・ディーヴァー 池田真紀子訳「ロードサイド・クロス」読みました。この本、面白いです。
章立ては月曜日から始まって金曜日に終わります。主人公ダンスにとっては慌ただしい一週間だったと思います。
前半部分は展開が事件の背景や登場人物のについて描写されていて、登場人物も多く読むのに時間がかかりますが、後半は謎が気になり、どんでん返しもあり、一気読みです。
また、この事件だけでなく、ダンスの母親が別の事件の容疑者として訴訟を起こされたり、、並行して物語が進行していきます。アメリカの訴訟関係がわかります。
さらに、アメリカでのブログやネット事情も、しっかり描かれています。ネットでの発信のたやすさは、時として、過激な発言にもつながりやすいです。ネット上の言葉は、永遠に消えません、またネット上の向こうにも人がいます、そのことを肝に銘じて、ネット社会につきあわなければいけないなと、改めて思いました。。。
という堅苦しい教訓もあるかもしれませんが、エンターテイメントとして超級の作品となっています。面白いです。翻訳物は苦手ですが、これは面白かったです、この著者の他のシリーズも読みたくなりました。お薦めです。6071
追記 「スリーピング・ドール」という作品が、キャサリン・ダンスを主人公にした第1作なのですね。今度挑戦したいです。
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