伊坂幸太郎「死神の精度(ACCURACY OF DEATH)」読みました | 親愛なる人に-読書の薦め

親愛なる人に-読書の薦め

読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

死神の精度(Amazon)

☆☆☆☆
2005年6月 275p 文藝春秋 


伊坂幸太郎「死神の精度(ACCURACY OF DEATH)」読みました。


死神、通称「千葉」が、姿を変え時を変え現れる連作短編です。この話の中で、死神はどこからか、送られてきて、誰かの命令である人に会い1週間観察します。そして、可ならば、死神に出会った人は死ぬという話です。まあ、ほとんどが可になるわけですが。


伊坂幸太郎の中では、肩の力を抜いて気楽に読めるかな、という感じです。死神は人間界に魅力を感じないのですが、なぜか音楽は好きという設定や千葉が仕事をする時はいつも天気が悪いという設定も、洒落ています。

寝る前にひとつずつ物語を進めていって、死神、千葉と出会う5人の運命を味わってみてください。以下、覚え書きです 1179


死神の精度 「オール讀物2003年12月号」
死神、千葉が観察するのは、藤木一恵。大手家電メーカーの苦情係をやっています。千葉は若くて格好いい男性に姿を変え、彼女に近づきます。一恵は生きることに希望を持っていません、そして、苦情係として、人の話を聞くのも疲れている様子、さらには最近は、クレーマーが彼女を指定して、カラオケに誘いたいと言い出す始末。でも、この後意外な展開。死神が出した結論は・・・


死神と藤田 「オール讀物2004年4月号」
藤田はいわゆるヤクザ。死神、千葉はヤクザな中年男性として藤田に近づきます。藤田はヤクザの筋を通そうとしますが、組織の中ではなかなかうまくいきません。はっきり言って逆に組織からねらわれる始末。そんな藤木を慕う若い衆、阿久津がいました。。。


吹雪に死神 「オール讀物2004年8月号」
死神の千葉は、若くて感じのいい青年として、ある雪山の別荘に乗り込みます。そこでは、密室殺人が次々と行われていたのでした。密室殺人に死神が関与するとこんな感じという、ユーモアな小品です。


旅路を死神 「別冊文藝春秋第255号」
人を信じられない青年、森岡は、母を刺し、通りがかりの男も刺し、逃走中です。そんななか、死神千葉が扮する、30歳サラリーマンの車をカージャックし、十和田湖へ向かわせます。森岡は幼いころ、誘拐されたことがあったのでした。


死神対老女「オール讀物2005年4月号」
今回、青年に扮した死神千葉が接する女性は、70歳過ぎの美容院を経営する老女です。彼女はなぜか、彼が死神であることに気がつきます。そして、彼にある要求をするのでした・・・


追記
死神の精度は、「Sweet Rain 死神の精度」 というタイトルで映画化されています(2008年3月22日上映)。映画では「死神の精度」「死神と藤田」「死神対老女」を取り上げているようです。こちらはまだ見てませんが、金城武が主演ということなので、見てみたい気がしますのね。。。




テーマ:(い)伊坂幸太郎   はこちらです・・・

テーマ:ミステリー      はこちらです・・・


本 スマイル2 トップへ


伊坂幸太郎の本(アマゾン)