- 宮部 みゆき
- 名もなき毒
☆☆☆☆+
2006年8月 489p 幻冬舎 (北海道新聞、中日新聞、東京新聞、西日本新聞。2005年3月1日~12月31日に加筆修正を行い、最終章を書き下ろし。河北新報、中國新聞にも連載)
宮部みゆき「名もなき毒」を読みました。主人公の杉村の妻は、超一流企業の会長の娘でしたが病弱でした。杉村は、会社の主要なことはタッチしない、娘を大事にする、その会社の広報誌を作る編集室で働くという条件で、妻と結婚し、幼い娘が一人います。
杉村の働く部署で、編集ができるというアルバイトの女性を雇いました。だが、それらの経歴は嘘で、部署内で些細なトラブルばかりを起こします。やがて、来なくなるのですが、会社で虐められたと狂言を吐く電話が、会社へ掛かってくるようになりました。
これとほぼ同時期に、コンビニのジュースなどのパックなどに青酸カリが入っていてヒトが死ぬという事件が、何件も起こります。
これら二つの、毒を含んだ出来事が、杉村を軸に交差するのでした。
やっと、宮部みゆき「名もなき毒」を読みました。面白かったです。
特に、アルバイトの狂言を吐く女性というのが、怖かったです。彼女はどこへ行ってもトラブルメーカーな訳です。こんなことがあるのかって、という事件が最近、ままありますが、この物語で展開される2つの事件で、何となくこういう怖いことも起きるのかもって、思います。貧乏もつらいし他人を過度にねたむ気持ちもつらいです。この本を読んでいて、いろいろ考えさせられました。
宮部みゆきの中の代表作になりそうな予感ありです。
追記
これって、「誰か」(2003年10月)の続編です。でも、読んでなくても全然、大丈夫です。楽しめます。
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- 誰か ----Somebody
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