- 村上 春樹, 大橋 歩
- 村上ラヂオ 新潮文庫 2003年6月 217p
- 村上 春樹, 大橋 歩
- 村上ラヂオ
- 「anan」No.1208(2000年3月17日号)~No.1259(2001年3月3日号)から抜粋、加筆修正
2001年6月 マガジンハウス社 212p
☆☆☆☆
村上春樹 文、大橋歩 画「村上ラヂオ」読みました。
これは、「anan」に連載されていた50のエッセイをまとめたものです。すべて4ページに収まっており、それぞれのエッセイに、大橋歩の挿絵が2枚(1.5ページ分)くらい入ってます。
村上春樹って、文章上手ですね。珠玉のエッセイだと思います。こんな内容のブログをこんなわかりやすい文章で書けたらいいなって感じです。手元に置いて、文を書くときに参考にしたいくらいです。また、挿絵も品があります。
この連載をananでやっていたのですね。このエッセイを読んでいたananの読者がうらやましいです。
以下、50のエッセイの中で気になったものを覚え書きしておきます。「」はそのまま引用しています・・・
「ロードス島の上空で」
乗っていた飛行機のエンジンが一瞬止まってしまい、そのときとても不思議なひっそりとした心持ちになったことが綴られています。「あのとき僕の一部は死んでしまったとさえ思う」
「オブラディ・オブラダ」
あるちんどん屋が、ビートルズのオブラディ・オブラダを演奏しているのですが、ちょっと変。ABAのA部分ばかりでサビがないから。世の中に「サビのないヒト」がいて、言ってること一つ一つはまともだけど、ちょっと疲れるヒトがいるという意見には同感しました。
「かなり問題がある」
初めての小説で賞を取ったとき、編集長に呼ばれて、かなり問題があると言われたとのこと。でも、実際書く小説にかなり問題があるからしようがない、と考えた村上春樹でした。
「おせっかいな飛行機」
忙しいなか、仕事で北海道にいかなければいけなくて、せめて飛行機のなかでゆっくり本でも読もうとも思ったら、機内サービスがうるさくて本を読めなかったという話。
「あ、いけない!」
いい気分のときに、つまらないミスをして。気分は好事魔多し・・・
「ワイルドな光景」
宇宙船でのトイレの光景について。読んでみてください、臭います・・・
「真っ白な嘘」
よく、口から出まかせをいうことがあるみたいな話
「恋している人のように」
16~21歳くらいの恋愛の感情の記憶が大事だってこと、その記憶を残しているヒトは老け込まない・・・
「長生きするのもなあ・・・」
長生きしたいのですが、作家というのは死ぬ前の写真をよく使われているので、ながいきするのもなあ・・・
「けんかをしない」
ヒトに悪口をいわれても、その割にはがんばっていると思うくらいの方が気楽だということ。ダメなのは、見当違いの褒め方をされること。それにこたえようとして、無理をして自分を見失ってケースが少なくない。思い当たるフシありませんか?
テーマ:村上春樹 はこちらです・・・