宮部みゆき「人質カノン」読みました(前半3編) | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

宮部 みゆき
人質カノン 文春文庫 2001年9月 317p
宮部 みゆき
人質カノン 文藝春秋 1996年1月 274p

☆☆☆+


宮部みゆき「人質カノン」読みました。これは、7つの作品が入った短編集です。


長編のモチーフにできそうなアイデアもありますが、どの作品もちょっとした時間に読めます。いつも思いますが、宮部みゆきって、読後が気分いい作家ですね。


以下に、各短編について簡単に述べたいと思います。ちなみにどの題名も、長編小説でも使えそうな題名です。


「人質カノン」オール讀物1995年1月号
主人公の遠山逸子が、人通りの少ない帰り道のコンビニへ寄ったとき、強盗が入り、人質となりました。人質は逸子と酔っぱらいのおじさん、中学生、それに店員です。命に別状はなかったのですが、強盗はなぜか、おもちゃのガラガラを落としていくのでした・・・表題作です。なぜ、この作品で「カノン」と言う言葉を使ったのか、分かるひと教えてください。


「十年計画」小説新潮1993年9月号
タクシーに乗り合わせたら、運転手が50代の女性でした。彼女は身の上話を話すのでした。そして、十年計画で人を殺そうと思っていますと
言うのでした。


「過去のない手帳」オール讀物1995年5月号
主人公の和也は大学生ですが、五月病となり、マンション管理会社のアルバイトをばかりをしていました。あるとき、電車の網棚を見ると、女性雑誌に一冊の青い手帳が挟まっていました。その住所録には、吉屋と書いてありました。しばらく忘れかけていたのですが、1週間後に、新聞記事のなかに、吉屋静子の名前を見つけるのでした・・・


以下、3月13日に続きます・・・