恩田陸 「三月は深き紅の淵を」を読みました。 | 親愛なる人に-読書の薦め

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読んだ本の感想などを、本屋さんで見かける推薦文のように綴ります・・・お薦め度合いは、☆の数で評価します。親愛なる本好きの人たちに,このブログを届けたいです.

恩田 陸
三月は深き紅の淵を

恩田 陸
三月は深き紅の淵を

講談社 1997年7月 353p、講談社文庫 2001年7月 436p
☆☆☆☆ 


恩田陸 「三月は深き紅の淵を」を読みました。

本は4章に分かれています。直接つながっているわけではなく、連作短編のような形になっています。それぞれが独立した物語としても読めますが、続けて読むとより楽しいです。また謎解きのようなストーリーでもありますねー。以下にそれぞれの章ごとの粗筋など記しておきます。第1章、2章が面白かったかな


第1章 待っている人々
ある本好きのサラリーマン鮫島が会社会長の別荘に呼ばれます。その別荘は、会長の死んだ友人から譲り受けたものです。その友人も読書が趣味で、あらゆる本が各部屋に一杯置いてあるのでした。そこで会長に告げられます「三月は深き紅の淵をという本を、2泊3日の間に探して欲しい」三月は深き紅の淵をという本は、限定100部のみしか印刷されず、後に回収されてしまったとい幻の本です。また作者も誰かわかりません。その本がいかに面白いのかが語られますが、鮫島はその本を探し出すことができるのでしょうか???

この本の中身の描写には舌を巻きます。作中の幻本「三月は深き紅の淵」が読みたくなりました。



第2章 出雲夜想曲
二人の女性編集者、隆子と朱音が、夜行に乗って出雲に向かいます。その理由は、隆子が「三月は深き紅の淵」の作者が推測できたからです。果たしてその推論とは、また、作者に無事会えるのでしょうか???


第3章 虹と雲と鳥と
二人の女子高校生、美佐緒と祥子が城址公園のがけの下から落ちて死んでいました。この二人は、すごく美人で有名です。この二人は実は異母姉妹でした。この二人の謎を追って、美佐緒の家庭教師だった奈央子と美佐緒の元の恋人啓輔は、二人の父親の墓のある新潟に向かうのでした。そこで衝撃の事実を知るのでした・・・


第4章 回転木馬
恩田陸を思わせる主人公が、この第4章をどのような風にして書くか、いろいろとシミュレーションします。いつしか虚構と現実が交互するような物語が始まっていくのでした・・・