震災
3月11日の震災から1週間が過ぎました。遅くなりましたが、被災地の皆さまへ心よりお見舞いを申し上げます。
何人かの方から、私の安否を尋ねる連絡や、「繰り返し流れる震災の映像にショックを受けて寝込んでいるんじゃないか」というお気遣いを頂きました。
気にかけて頂いたことがとても嬉しく、心が温かくなりました。ありがとうございました。
私は関西に住んでいて直接の被害はなく、地震時は外出中でしたが揺れには全く気が付きませんでした。
地震を知ったのは夜19時、息子がドラえもんを見ようとテレビをつけた時です。
私は突然の衝撃的な映像に驚き、息子はドラえもんが放映されないことに驚いてパニックでした。
息子にとってテレビはかなり強い興味関心の一つなので、突然断ち切られた時のショックはすさまじいものです。
パニック時は、「地震だから仕方がないよ」、「今はもっと苦しんでいる人がいるから我慢しよう」といった言葉は届かないので、「楽しみにしていたのに、残念だったね。」と共感しながら、嵐が過ぎるのをひたすら待ちました。
こういった時のパニックは「変更」を受け入れるためのプロセスでもあるので、ひとしきり騒ぐと、変更を受け入れて自分の力で立ち直ることも多いです。
翌朝もテレビが見られずパニックでしたが、日曜日には諦めて、ぶつぶつ文句を言いながら受け入れていました。
息子のテレビに対する興味関心(執着)はとても強く、家のテレビは完全に息子の物です。
私が見たい番組があっても、息子にとって興味がなければ番組を見させてもらえません。
こういった行動は、よその家や祖父母宅ではあまりないので、家の外では本人なりに我慢しているようです。
まぁ私はパソコンさえあればそれでいいので、普段は特に問題なく過ごしています。
今回、息子は震災の番組を恐がって見たがらなかったので、我が家のテレビはいつも通り、息子のお気に入りのDVDが流れているだけでしたが、これは私が情緒不安定に陥るのを防いでくれたのかもしれません。
私は映像で記憶する力が強いので、20年前に観た映画の殺人シーンを未だに鮮明に覚えていたりします。
上述の「繰り返し流れる震災の映像にショックを受けて寝込んでいるんじゃないか」と心配してくれたのは、10年以上の付き合いになる友人ですが、もし息子がいなかったら、震災が気になってテレビに釘付けになってしまい、ショックが心のキャパを超えて精神が不安定になっていたかもしれないなと思います。
先日ツイッターで、香山リカさん(精神科医・立教大学現代心理学部映像身体学科教授)の以下のツイートを見ました。
・心のキャパシティを超える体験に遭遇すると、「覚醒亢進」「躁的防衛」などで「何かしなきゃ」と居ても立ってもいられなくなったりすることもありますが、それは危険。とくに被災地以外の人は、まず落ち着いて自分の日常の維持を。
・いまはこの国の全員が「急性ストレス障害」という状態です。これは地震に直接遭遇してなくても、映像や情報から起きます。これが回復せずに長引けば、本格的な「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」に移行します。私たちができることは、自分をPTSDにしないこと。
・被災者に思いを寄せることはとても大切ですが、救援者が「共感疲労」と呼ばれる疲弊状態に陥りやすいことが知られています。これはテレビやネットを介しても起きる可能性があります。
映像から受ける衝撃は、何度も繰り返し見れば見るほど、じわじわと精神エネルギーを消耗させていきます。
余震情報や安否情報など、映像情報を頼りにされている方もたくさんいらっしゃいますので、このツイートには批判もあったようですが、映像記憶が残りやすく、感受性が強すぎる私にとって忘れてはならないことだと思いました。
震災に限らず、映像は刺激が強いため、メディアの情報におぼれると、心の安定を失ってしまうことがあります。
今回は息子の特性上、テレビを自由に見られない環境だったので、地震の情報はネットと新聞で得るのみでしたが、それでも度々心の均衡が崩れそうになるのを感じました。
映像情報に触れ続けた結果、私が精神のバランスを崩しても、何の意味もありません。
このツイートを読んでからは、心身の安定を保つために、いつも通りの日常生活の維持を目標にして過ごしましたが、バランスを保ち続けていられているのは、映像から離れていることも大きいのだろうなと思います。
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ここでもう一つ、ツイッターで流れていた言葉をご紹介させて頂きます。
歌手の松山千春さんが、震災に関しておっしゃっていた言葉だそうです。
知恵がある奴は知恵を出そう。力がある奴は力を出そう。金がある奴は金を出そう。
「自分はなんにも出せないよ・・・」っていう奴は元気出せ
なんだか良い言葉だなぁって思いました。
もし日本中のみんなが元気を失ってしまったら、日本は体力がもたなくなってしまうでしょう。
先ほど、母から「余震が怖いし、こんな時だから4月に予定していた旅行は中止しよう」と電話がありました。
もちろん母の気持ちは分かりますし、旅行の中止は了承しました。
でももし、誰もが同じように自粛してしまったら、西日本、南日本の経済は大打撃を受けるだろうなと感じました。
元気を出していつも通り動くこと、経済を回し続けること、それが日本の体力となり、巡り巡って復興の力や復興資金にもつながるのだと思います。
私にできることは微力です。募金以外の行動は起こせていません。
でも「何も出せない」と沈んでしまうのではなく、被災地に思いを馳せながら、せめて元気を出して今日一日を大切に過ごしていきたいなと思います。
被災地の皆さまに少しでも早く、暖かい場所と、暖かい食べ物が届きますように。
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