国語 ~読書感想文~ | 私、自閉症です。

国語 ~読書感想文~

読書感想文は、苦手な課題の一つでした。
日記は、まだ書くことができました。
その日あった出来事(事実)を書いて、最後に「おもしろかったです」「楽しかったです」と書けば、なんとか恰好はついていました。
私は感想文を書く時も、日記と同じ要領で、本の内容(事実)を要約してまとめ、最後に「おもしろかったです」「楽しかったです」と書いていましたが、感想文は日記と同じ要領で書いてはいけなかったようです。
先生からのコメントは、「もう少し、ももこさんの気持ちを書くことができるとよいですね」というものばかりでした。
一度だけ、「ももこさんの感想文を読むと、本の内容がよく分かります」と書かれていたことがありましたが、おそらく先生なりに、褒めるところを見つけようとしてくれたのだろうなと思います。


自閉症は、自分の感情を自覚することに困難があります。
脳には、自分の感情が現れる場所と、その感情を自覚する場所がありますが、自閉症の場合、その二つの場所がうまくつながっていません。
例えば、感情と、感情を自覚する場所が、一般的には50本の線でつながっているのだとしたら、自閉症の場合は、たった1本の線でつながっているだけです。
そのために、自分の内面の感情を上手に意識することができず、自分の気持ちに全く気が付かなかったり、時間が経ってからある日突然気が付いたりすることもあります。
「自分の気持ちは、自分が一番よく分かっている」という言葉がありますが、自閉症にはあまり当てはまっていないのではないかと思います。
自閉症の場合、自分が不満感情やストレスをためこんでいることにさえ、感情の大爆発を起こすまで気が付かないことも多いものです。


私には、好きな本があります。好きな映画も、好きな音楽もあります。
けれど、それらの作品のどこがどう好きなのか、何を感じるのか、それを言葉にして説明することはできません。
ただ漠然と、好きだ、気に入っていると言えるのみです。
私は、「本を読んで自分の気持ちを書きなさい」と言われても、自分が感じている気持ちそのものがよく分からず、読書感想文を書く時は、何をどのように書けばよいのかが、さっぱり分かりませんでした。


そんな私ですが、本や新聞を読むことは嫌いではありませんでした。
何もすることがない時間があれば、暇つぶしに、家にある本や新聞を片っ端から読んでいました。
たくさんの本や新聞は、私の知らない未知の世界を、耳(聴覚)ではなく目(視覚)で教えてくれます。

そして、もしも自分が主人公なら・・・と、空想の世界で遊ぶことができます。
私は感想を言葉にすることはできませんでしたが、それでも、本や新聞に広がる未知の世界には、とても興味をかきたてられていました



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