集団浅慮を回避する(前編)【リーダーシップ】 | ウェルビーイングのおすそわけ

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心と身体と社会的な“しあわせ”に関する情報メディア
(旧タイトル「カウンセラーからのおすそわけ」)

リーダーに求められる
役割のひとつは、
チームメンバーの
意見をまとめ、
意思決定を行うことです。


問題解決は、
一人で考えるよりも
メンバーと共に
知恵を絞って考えた方が、
解決すべき課題を
多面的に捉えることが
できるようになります。


また、
その課題に対して、
優れた解決策を
見出すことができ、
効果的な意思決定が
できたりもします。


しかし残念ながら、
グループによる意思決定は、
いつも有益な方向に
機能するのかと言えば、
そうとも限りません。


時として、
誤った方向に
加速していく
こともあります。


特に
「集団浅慮/Group Think」
と呼ばれる現象が起こると、
専門知識のある知性的な
メンバーが集まっている
グループであったとしても、
誤った意思決定を
下してしまうように
なると言われています。


「集団浅慮」とは、
1972年にイェール大学の
社会心理学者アーヴィング・ジャニスが
集団の心理的な特徴を表す
用語として表したもので、
次のように説明されています。


「凝集性の高い内集団で、
 意見の一致を重視するあまり、
 取り得る可能性がある全ての行動の
 現実的な評価を無視する思考様式」



こうした「集団浅慮」
起こりやすくなるのは、
次のような環境要因が
あると考えられています。


■時間的要因

時間が無い場合には、
内容よりも意思決定することが
優先されやすくなる



■専門家の存在

グループ内にいる
専門的知識を持つ
メンバーの考えに追従し、
メンバーが自分の頭で
考えなくなる



■利害関係

グループ内で
特定の利害関係があると、
メンバーは自分に有利な
決定がなされるような意見を述べ、
本質的な解決策が
見出だせなくなる



そして、
次に挙げる四つの兆候が
見られるようになると
言われています。


1.集団のメンバーたちが、
自分たちの論理に抵抗する意見を、
もっともらしい理屈で説き伏せる


2.メンバーたちが、
多数派の好む選択肢を支持するよう
懐疑派の人々に圧力をかける


3.集団コンセンサスに見せかけるため、
懐疑派の人々は疑いを口にせず、
自らの疑念の重要性を矮小化さえする


4.メンバーの沈黙が、
多数派への同意と解釈される。


このような兆候が
見られるようになると、
意思決定に数々の欠陥を
もたらす結果となります。


さて、こうした
「集団浅慮」
陥ってしまうのを
回避するためには、
どうしたらよいのでしょうか?





つづく…

参考文献『組織行動のマネジメント』ダイヤモンド社
ステファン・P・ロビンス著 髙木晴夫訳


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