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shin-1さんの日記

〇放射能の秘密(その1)

 2011年3月11日、東北と東日本を襲った大地震と大津波は、福島第一原子力発電所に致命的なダメージを与え、未だにその状況は予断を許しませんが、それらの情報は人間が近寄り難い状況にあるため、正しい情報が伝えられているとは言えないのです。原子力発電所を持っている当事者の東京電力も、原子力発電を国策として推進した政府も、予期せぬ未曾有の原発事故に翻弄され、今思うと対応が後手後手に回って、今もなおその対応に一定の信念や方針が示されぬまま、国民とりわけ東北や東日本に住む人たちに恐怖と将来への不安を与え続けているのです。東京電力や政府の責任は勿論重大ですし、その責任から逃れることはできませんが、被災したり避難生活を余儀なくされたりしている人たちのことを思うと、世界中が注視しているこの事故の一日も早い終息を祈らずにはおれないのです。


 2011年3月11日まで、私たち国民は放射能のことを殆んど知りませんでした。シーベルトをシューベルトと混同したり、ベクレルという値が一体何を意味するのか、まるで初めて外来新語にであった時のような気がしました。急いでインターネットでシーベルトやベクレルについて調べて一応は理解できたものの、未だにその説明をする力は殆んど皆無に等しいのです。

 先日コープえひめの理事会に出席して、「放射能のひみつ」中川恵一(東大病院放射線科准教授)というポケットサイズよりさらに小さい僅か48ページの本をいただきました。本屋の店頭には今回の原子力事故以来沢山の本が並ぶようになりましたが、日々の暮らしに忙しい私などには難しかったり、詳しかったりして中々手が出ませんが、この程度の資料だといつも車の中に置いて、暇があれば何度でも読むことができ、今では随分重宝して放射能の自己学習に役立っているのです。


 放射能について学べば学ぶほど、「安心と不安」が増えることも分かってきました。日本は「ゼロリスク社会」といわれてきました。この言葉は「リスクがない社会」ではなく、「リスクが見えにくい社会」です。放射能はまさに「リスクが見えにくい社会」の象徴といえるでしょう。

 毎日放射能の測定器を持って目に見えない不安におののきながら生活する暮らしは、想像をはるかに越える超リスク社会なのです。特に将来を担う子どもたちがそんな危険に晒されているのですから、一日も早い首足を祈らずにはおれません。

 第五福竜丸の時も、チェルノブイリ原発事故も私たちは他人事でした。そして原子力発電は安全だと信じてその恩恵に浴しして暮らしてきました。原子力について詳しく学習し知っていても、知っているだけでは何の役にも立たないことを、もっと知るべきだと思いました。