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このシリーズ
1 面会交流について悩んでいるお母さんたちへ
2 『離婚した親と子どもの声を聴くー養育環境の変化と子どもの成長に関する調査研究』から
前記事では,FIPCの紹介とともに,FIPCの調査研究『離婚した親と子どもの声を聴くー養育環境の変化と子どもの成長に関する調査研究』について紹介しました。
本記事からは,上記調査研究の内容を少しずつ紹介していきます。
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同調査研究の記述の順序とは違いますが,まず,面会交流についての子の回答のうち,監護者母の場合(父との面会交流)を見ていきましょう。
(1)
監護者母の場合の子の回答事例数は70人(80%),そのうち父との面会交流ありは41事例(59%),なしは27事例(38%),無回答は2事例(3%)でした。
(2)
この調査では,監護者母の場合の回答者子の約6割が父との面会交流を行っています。
ちなみに,監護者が父の場合の子の回答事例は17事例,そのうち母との面会交流ありは8事例(47%)でした。したがって,監護者父で母との面会交流を行っている場合よりも12%高い比率で行われています。
(3) この調査では,監護者母の場合の回答者子の約4割は父との面会交流を行っていません。
監護者が父の場合で母との面会交流なしは8事例(47%),無回答1事例(6%)でした。
したがって,監護者が母の場合で父との面会交流がなかった場合は,監護者父で母との面会交流がなかった場合よりも9%低い比率になっています。
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(1)
次に回答者子の面会交流に対する評価を概観しましょう。
(2)
監護者母で父との面会交流ありと回答した41人のうち
① 肯定的評価31人(75%)
「やってよかった」が22人,「どちらかといえばやってよかった」9人
② 否定的評価(「やらない方がよかった」) 6人(15%)
③ 評価不詳・不明 4人(10%)です。
(3)
監護者母で父との面会交流なしと回答した27人のうち
① 面会交流に関して肯定する意見・考えのもの 6人(22%)
② 面会交流を否定する意見・考えのもの 9人(33%)
③ 評価不詳・不明 12人(45%)
この調査では,上記のような分布になっています。
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私は,監護者母の場合の父との面会交流についての子の評価が,この調査では,
面会交流ありで,肯定的評価75%,否定的評価15%
面会交流なしで,肯定的意見22%,否定的意見33%
というように,子自身の回答がそれぞれ肯定・否定で分かれているという結果となったことを素直に見る必要があると思います。
そして,どういうところで,そのような肯定・否定が分かれてくるのかを検討していく必要があるように思います。
父と母と子のその関係性を抜きにして,抽象的に,面会交流が子にとってよいとか悪いとか言うことはできないように思います。
あくまでも,その関係性の中での,その具体的な面会交流が,その子にとって子の福祉に叶うと言えるかどうかを見ていく必要があると思います。
当然と言えば当然のことですが。
次回は,さらに回答者子の具体的な意見を紹介していくこととします。
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