軽妙 | 理学療法士養成校教員 下井ゼミ研究ノート

軽妙

先日、恩師から山ほどいただいた本の中から最初にピックアップしたのが奥田英朗の『イン・ザ・プール』

イン・ザ・プール (文春文庫)/文藝春秋

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まず、その装丁に目を奪われます目
可愛らしい青い目をした赤ん坊が何かを観ながらプールに浮かんでいます。
そのプールの奥行き感。
美しいブルー

でも、作品の内容は精神科に通ってくる人々の5つのエピソード。

筆の運びは一言で言えば軽妙DASH!
短い文が、絶妙なテンポで並んでいます。
ドラマというより、バラエティをテレビで観ているような感覚とスピードでどんどんページが進んでいきます。
久しぶりにこんなスピードで本を読みました。


主人公の精神科医の元に通ってくる症状は、理学療法士として学ぶ精神・心理の内容、深度に合致していて、ちょうど良い感じ。
そういう意味では、精神・心理の専門家には物足りなくなるかもしれません。

著者の奥田氏は調べてみると、コピーライターや構成作家を経歴として持っている作家で、精神医学の専門家ではない様子。
それ故の読みやすさなのかもしれません。
この『イン・ザ・プール』の続編に当たる『空中ブランコ』で第131回直木賞受賞。

空中ブランコ (文春文庫)/文藝春秋

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さらに調べてみると、この『イン・ザ・プール』、2005年に松尾スズキ主演で映画化されていました。

イン・ザ・プール [DVD]/ポニーキャニオン

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世の中、知らないことだらけです。

「世の中で一番みじめなことは、人間として教養のないことです。」
(「心訓」より)