第3回TwinCup観戦記・2 | シモデ先生のまあじゃんうんちく version2

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題名の通り、マージャンに関するうんちく話を、自分なりの観点で紹介しています。最近はあまり書いていませんが(笑)。


マージャン強くなりたい、という人にはあまり役に立たない話ばかりかも(笑)。

前回に引き続き、第3回TwinCupの観戦記です。

所属団体は当時のままですが…。
武中真さんは、当時最高位戦所属だったんですね。
まだ日本オープンを獲得する前の事なんですね~。

現在休場中の佐藤崇さん。
夫婦で新潟で暮らしていますが、元気かなぁ。
久々に会ってみたいものですね~。

あと、少し前に協会を退会した大坪顕二さんの名前もあります。
そういえば半年くらい前に、私、大坪さん、協会の比嘉秀仁さん、という不思議なメンツで飲みにいったなぁ。

それでは、準決勝2卓の模様です。



準決勝2卓
起家から(カッコ内は、所属団体、4回戦終了時のトータル順位とポイント)
佐藤崇(最高位戦・3位・86.6)
鈴木たろう(プロ協会・2位・108.9)
武中真(最高位戦・6位・79.5)
大坪顕二(プロ協会・7位・77.2)


東1局0本場 ドラ七萬
 準決勝が開始して30秒。南家の鈴木が、北家の大坪が切った第1打の發をポン。
 さらに30秒後。大坪の打一索をポン。
 そして、その1分後。東家の佐藤から八萬をポン。
 つまり、開始2分で早くも3フーロである。

 鈴木の麻雀の特徴は、とにかく主導権を捥ぎ取ろうとするところ。
 しかも、「これを切ってロンって言われたら結構高そう」という仕掛け、捨て牌を作るので、相手としては非常に厄介だ。
 しかし、この戦略スタイルは、同時に危険性も伴う。まさに「諸刃の剣」。

 そして、この局は鈴木の1人テンパイで流局。
三筒三筒九筒九筒 ポン八萬八萬八萬 ポン一索一索一索 ポン發發發
 しかも生牌の白中が鈴木以外の3人に1枚ずつ飛び込んできては、さすがに誰も向かえない。
 まさに「たろうワールド」炸裂である。


 準決勝、武中の採譜を担当したのは、双子の弟の武中進(プロ協会)。美しい兄弟愛かどうかは読者の判断に委ねるとして、旗から見ると実に微笑ましい光景である。
 弟の祈りが通じたのかは定かではないが、この準決勝ではとにかく手が入りまくった。

東2局1本場 ドラ中
 南家の武中の配牌がこれ。
二筒三筒六筒七筒九筒東東西西北白白發
 4巡目にはこうなった。
二筒三筒四筒西西白白 チー八筒六筒七筒 ポン東東東
 7巡目、北家の佐藤の西ツモ切りがつかまる。
 ちなみに武中の捨て牌はこの通り。
九筒北七萬發八萬四筒
四索
 これでピンズのホンイツなのである。白をつかまなくてよかったと思うべきか。


 さらに武中は親番でも軽快にアガリを重ね、優位に試合を進めていく。

南2局0本場 ドラ五筒
鈴木33900 武中36900 大坪27900 佐藤21300
 南家の武中が8巡目にツモれば役満のテンパイ。
四萬四萬四萬伍萬伍萬二筒二筒二筒五索五索五索九索九索

 山には九索が1枚残っている。その最後の牌をつかんでしまったのが、ラス目の北家の佐藤。
 これで、佐藤の3年連続決勝進出はほぼ絶望的、…かと思われた。


南3局0本場 ドラ七索
武中44900 大坪27900 佐藤13300 鈴木33900
 西家の佐藤が13巡目にようやくテンパイ。出来ればもう少し手役をつけたかったところだったが、残り巡目が少ないということもあり、渋々リーチ。
四萬伍萬六萬一筒二筒三筒五筒六筒七筒五索六索九索九索

 同巡、北家の鈴木の手牌がこうなった。
六萬八萬五筒五筒一索二索三索六索七索七索七索八索八索 ツモ七萬

 ちなみに、佐藤の捨て牌はこうなっている。
西東中白南九萬
發二筒西九萬一萬白
八筒

 「安全牌がない」
 「1枚勝負が通ればリャンメン待ちで捲りあいが出来る」
 「満貫打っても、大坪には2000点逆転されるが、まだ佐藤よりも上」
 勝負したくなる理由はいくらでもある。
 しかし、佐藤にハネ満をツモられても鈴木の優位は変わらない。たとえ安全牌がなくとも、「歯を食いしばって、少しでも安全度の高い牌を切る」という選択もあるだろう。

 そして、鈴木の決断は、「ドラ切りリーチ」。

 佐藤「ロン」。
四萬伍萬六萬一筒二筒三筒五筒六筒七筒五索六索九索九索 ロン七索 ドラ七索 裏ドラ九索

 リーチ・一発・ピンフ・ドラ1・裏2で、12000の献上。
 ゼウスの選択が、今回は最悪の結果を生んでしまった。


南4局0本場 ドラ3
大坪27900 佐藤25300 鈴木21900 武中44900
 思わぬ横移動で、2位に浮上した大坪にとっては千載一遇のチャンス。
 そして、僥倖のハネ満を成就させ、大坪に2600点差に迫った佐藤。
 ハネ満を放銃してしまったものの、1000・2000ツモ条件の鈴木。
 そして、親のハネ満さえ打たなければ決勝進出の武中。
 4人の思惑が交錯するオーラス。

 500・1000ツモ、大坪から1300直撃条件の佐藤が、4巡目にダブ南を仕掛ける。
伍萬四筒五筒六筒八筒四索七索九索北發 ポン南南南
 そして8巡目に四索をポンして、こうなった。
伍萬四筒五筒六筒八筒九索九索 ポン四索四索四索 ポン南南南

 一方、大坪の9巡目。
一萬一萬三萬四萬伍萬三筒四筒六筒八筒二索三索三索四索 ツモ六萬
 ここからの何気ない打三萬に、思わぬ方向から「ロン」の声がかかる。

一萬二萬四萬伍萬六萬七萬八萬九萬一筒二筒三筒七索七索 ロン三萬
 声の主は武中。イッツーのみ2600。ということは…。


準決勝2卓結果(カッコ内はトータル)
武中47.5(127.0) 佐藤▲4.7(81.9) 大坪▲4.7(72.5) 鈴木▲38.1(70.8)

 なんと、同点2着だと、トータルで佐藤が大坪を上回るのである。
 佐藤にとっては、崖っぷちから這い上がってきたかのような、まさに奇跡の決勝進出。
 一方、不運な結果に終わった大坪ではあったが、強豪を相手に堂々とした戦いぶりを見せた。この経験をどこかで生かしてほしい。




というわけで、ここまでが準決勝の観戦記でした~。
決勝戦は編集してからアップしますね。