安保法制の議論から | 義肢装具の技術者から政治を志す!

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所沢市議会議員 島田かずたかのブログ 

衆議院での強行採決のあと、安保法制は参議院に舞台を移しました。

俳優出身の山本太郎議員は、正直未知数でしたが、先日の質問は戦争の本質を突く質疑だったと思い紹介します。以下、抜粋。

(抜粋でも長いので、要点を太字にしてあります。また、こちらから動画もご覧いただけます。http://bylines.news.yahoo.co.jp/shivarei/20150731-00048032/

山本議員「2004年3月3日から2008年12月12日までの空輸実績の全記録です。全体で46,000人輸送しました。平成19年の総理の国会答弁だけを聞きますと国連の関係者なのかな?と思いますが国連関係者はたった6パーセントほど・・・。その10倍 約60%が米軍や軍属だったということですが これ、なんの目的だったんですか?」

中谷防衛相「米軍は国連の安保理決議に基づいて治安維持活動のみならず復興支援活動にも取り組んでいたということで、この2つの任務のなかで活動したということであります。」

山本議員「国連職員と言いながら、人道復興支援と言いながら戦闘要員を運んでいたんじゃないんですか?

安倍総理「これは、あの、イラク特措法に基づくこれは 活動としてですね、クゥエートを拠点としたイラク国内の飛行場で移送したわけでありまして、イラク特措法に基づく活動をしていたわけでございます」

山本議員「総理は、自衛隊がバグダットに輸送した兵士たちがそのあと、なにをしたのかという詳細まで把握されていたということですね?ということはそれらの兵士の所属部隊や従事した作戦まで知っていたということになります。それが把握しているということです。 内容は、結構です。把握していたのか、どうか。

安倍総理「この法律によってですね、まさに これは人道復興支援活動と安全確保支援活動ということになっているわけでありまして、また、自衛隊の部隊については、武器の輸送は行わないことにしているわけですが、詳細について承知していたわけではありません。

山本議員「2007年の民間人の犠牲死亡者数、24,000人にも上っている。自衛隊の輸送が始まったのは、2006年の7月だと。この時期は安倍官房長官時代ですね。これ以降の約一年間、開戦直後の空爆が激しかったころを除けば、最もイラク市民の犠牲が多かった時期であり、米軍兵士の犠牲も一番多かった時期だそうです。総理にお聞きしたいのですが、2007年と言えば、第一次安倍政権、総理になられたんですよね。2007年の一年間で米軍が爆撃した回数はご存知ですか?これ、通告していません」

安倍総理「爆撃の回数は、すみません 今お答えすることはできません。」

山本議員「すみません、突然に。1447回。2007年の1年間で1447回も爆撃された、というのがイラクの現状です。テロとの戦いということで先進国が始めた戦争で、女性、子ども、お年寄り、多くの市民が犠牲になりました。イラク戦争の賛成したんですよね。安倍総理は。アメリカ兵の輸送に関しても、賛成されたんですよね。賛成してなかったらここまで来れてませんもんね。我が国の総理がイラク戦争についてはあまり詳しくご存じないようですね。その一方で自衛隊の活動を拡大しようとしている。アラブの人たち世界の人々は、どう思うでしょうね? (中略)

 2004年4月、米軍はイラクのファルージャという都市を包囲。猛攻撃を行った。翌月、国連の健康の権利に関する特別報告官が、ファルージャの攻撃で死亡したのは、90%は一般市民だった。約750人が殺されたという情報もある。国連は一刻も早く、人権侵害行為に関して、独立した調査を行うべきである、という声明も出している。総理、アメリカに民間人の殺戮、当時『やめろ』って言ったんですか? そしてこの先、『やめろ』と言えるんですか? 引き上げられるんですか? お答え下さい。」

安倍総理「まず、そもそもなぜ米国、多国籍軍がイラクを攻撃したかといえば、大量破壊兵器、当時のサダム・フセイン、独裁政権が、かつては間違いなく化学兵器を持ち、そしてそれをイラン・イラク戦争で使用し、多くの人々を殺し、自国民であるクルド族に対してもこれを使用して、相当多くの自国民も殺した という実績があったわけでありまして、そして、それを既に、化学兵器・大量破壊兵器はないということを証明する機会を与えたにもかかわらず、それを実施しなかったというわけであります。
そこでですね、国連決議において、国連憲章第7章のもとで採択された決議、678、687および1441を含む関連の安保理決議によって、これは正当化されたと、考えているわけでございます」

山本議員「イラクに査察に入った国連の方々、700回以上ですよ、大量破壊兵器なかったって話。でも、むりやり踏み込んだのは、アメリカとイギリスじゃないですか。で、その片棒を担いだのは日本なんですよ。その総括がなされずに、自衛隊をまた外に出す・遠くに出す・拡大させる? これ、総括必要ですよ。」

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実際、アメリカやイギリスはイラク戦争の総括をし、大量破壊兵器はなくイラク戦争は誤りだっと結論付けています。しかし、日本だけはしていません。今回の山本議員の質疑でも、実際には6割の輸送が米軍およびその軍属であったことが明らかになっています。つまり、人道支援と言いながらすでに後方支援をしていたわけです。その結果、多大なイラク市民の命を奪ってしまった。この総括もないまま、集団的自衛権のもと自衛隊の海外派遣を拡大していいのでしょうか。戦争を始める理由はいうも自衛のため。しかし、犠牲になるのはいつも子供など関係のない市民です。絶対、今回の法案を認めるわけにはいきません。