幼い頃住んでいた集合住宅が夢に出てきた。

尿意をもよおし、トイレに用足しに行ったら、天井から雨漏りがしていた。

やむを得ず、トイレの横にある風呂場でしようかと思って見てみると、そこもひどい雨漏が発生していることに気づいた。

当時住んでいたところの風呂場の底は、コンクリートに排水口がついているだけの作りで、簀の子を敷いて洗い場としていた。

夢に現れた風呂場には、簀の子も、桶も、タオルを引っ掛けておいた赤いラックもなかった。

浴槽はあったと思うが、なぜかドアが取っ払われていて、殺伐としていた。

引っ越しで、部屋中から物が何もなくなった時の印象が強く残っているせいかもしれない。

(夢の中で)しばらく風呂場をながめていると、あらぬ穴から、見たこともない不可思議な生物がひょこひょこと這い出てきた。

最初蛇かと思ったが、そうではない。頭が丸みを帯びていて、紺色をしていた。

胴体はコオロギのようで、白かった。

漫画『幽遊白書』に登場しそうな奇抜で、この世に存在しない得体のしれない生き物である。

目覚めて考えてみると、このような夢をみたのは、昨夜『エイリアンVSプレデター』をみたからかもしれないと合点した。

プレデターも気色悪いが、人間と同じ姿形をしているのでまだよい。

しかし、エイリアンは見るからに地球外生命体という感じで、毒々しさとおどろおどろしさはハンパない。

人の体に卵を産み付けるという習性は忌々しく、とても許容できるものではない。

夢の話に戻ると、こんなエイリアンのような不気味な生き物は、何としてでもやっつけなきゃならないと本能で悟り、攻撃態勢に入った。

ナタでぶった切ってやろうと思ってナタを探していると、生き物から火が発生した。

風呂場にどこからか水が流れてきていたのだけれど、その中には原油のような油上の液体が混じっていた。

油が何らかのきっかけで発火したのである。

『エイリアンVSプレデター』でも、エイリアンに向かってファイヤー攻撃をしているおじさんがいたので、やっぱり、映画を見た影響が感じられる。

生き物から出た火がおさまってしまい、どうにかせねば、と考えていると、傍らにあったナタを手に取り、奴の頭と胴体間の部分に一撃を加え、絶命させた。


雨漏りがしたらあまりいい気分はしないが、夢占い的には吉夢だそうだ。

雨漏り

架空の生物は不安の心理的象徴であるような指摘もあるけど、昨夜『エイリアンVSプレデター』を視聴した余韻のせいでもあると思う。

それにしても、なんで、エイリアンとプレデターが戦わなければいけないんだ。

最終的には、エイリアンとプレデターが相討ちになって終わるのかと思っていたが、途中で、「敵の敵は味方」みたいなことを言って、プレデターと女性(人間)が手を組んでエイリアンと対峙するのは意外だった。

プレデターは、肉食動物のように獰猛だが、戦う上で、武士道精神のような礼儀というかポリシーをわきまえているようにみえる。一方、エイリアンは何の見境いも無く、自分の存在を拡大し、ただすべてを支配することにしか関心がなさそうである。

プレデターとはかろうじて意思疎通を図ることも可能だけれども、エイリアンには何にも期待できない。

エイリアンは本能のままに動くだけで、それを邪魔するものは排除するのみなのである。

敵の敵は味方、というが敵がいなくなったら、その味方も敵に戻るのか。

共通の敵がいると結束が生まれやすいともいう。

同じ人間同士で争うのは世の常だけれども、見渡せば、手を取り合ってやっつけなきゃいけない共通の事象がそこここにあるのではないか。