開聞岳
開聞岳は、薩摩半島南端に聳える、美しい円錐形の独立峰です。
その顕著な山容から薩摩富士と称され、海上を航行する船の灯台として、戦時中には、飛行機の離着陸の目標として、大いに役立っていたそうです。
以前、「山歩き」に全く興味がなかった頃、この開聞岳に来たことがあります。当時は、いわゆる「観光の旅」だったので、長崎鼻などから開聞岳の姿を見るだけで満足できました。どちらかと言えば、開聞岳やイッシーの池田湖よりも、「早く『砂蒸し』へ行きたい!」と思っていたくらいです(笑)。
「あの頃、山に興味を持っていれば、今こうして再訪する必要などなかったのに…」
(開聞岳に限らず)最近になって、こんなふうに思うことが多くなりました。
それは、明日以降に予定している、霧島山、阿蘇山、祖母山、九重山にも言えます。
でも、あの頃はあの頃。今は今。仕方ない話ですね。
…九州本土の日本百名山を完登したい! さあ、いよいよ一座目です(ワクワク)。
開聞岳(かいもんだけ/924m)日本百名山 №99
■2010年10月17日(日)晴れ
■単独
■行程/ふれあい公園P⇔二合目登山口⇔頂上
■標高差/804m
■時間/06時50分~11時40分(4時間50分)
■参考/走行距離(往路1,526.6㎞)高速道路(東京・用賀→鹿児島/\2,300)
走行時間(23時間40分/仮眠・休憩・給油等に要した時間を含む)
開聞岳の標高は、たったの924mしかありません。
1,000mにも満たない山なので、一見、「どうってことないな?」と思いがちです。
ところが開聞岳は、海から直接そそり立っているような山なので、「標高=標高差」と考える必要があります。標高差924m(←実際には概ね800m)となれば、それはもう、立派な登山なワケです。
この理屈は、屋久島の宮之浦岳、北海道の利尻岳などにも当てはまります。
■開聞岳は暑かったぁ~。
カラッとしない湿っぽい空気と、中途半端な晴れ模様とが影響したのか、歩き始めて直ぐに汗が吹き出しました。ポタポタと滴り落ちました。帽子も衣類もビッショリです。さらに、ほとんどの行程が樹林帯歩きなので、どちらかと言えば、終始、拷問的(罰ゲーム的)な歩きでした。開放的な景色を拝めるのは、一部にある樹木の隙間からと、頂上だけです。頂上は平坦な場所が無くて、ガイド書等の写真で想像したよりも狭かったです。…空いていて何よりでした。
■追記①/見つからないモノですね。
登りの七合目から先のどこかで、愛用の万歩計を落としてしまいました。
山でモノを落とすことなんて無かったのになぁ。老化現象の始まりかな?
頂上で会った岡山の人が、私よりも先に下山するようなのでお願いしました。
「もしも、灰色の万歩計が落ちていたら、七合目の標柱に掛けておいてください」
こころよく引き受けてくれました。これで、実質二人がかりでの探索です(笑)。
頂上から七合目までは、万歩計を探しながらの下山となりました。これから登る人たちと擦れ違うたびに、「踏んづけられてないだろうな?」と、心配が募ります。
見つけられないまま、七合目に到着してしまいました。標柱を念入りに調べましたが、岡山の人の目にも留まらなかったようでした。
「さい先悪いなあ…」
それにしても、落とし物を捜しながらの下山は、相当な時間を要しました(苦笑)。
■追記②/コケちゃいましたぁ(笑)。
「下りは気をつけないとコケるぞ?」
赤い火山灰の砂っぽい道を登りながら、自分に言い聞かせていました。
万歩計を見つけられないまま、時間だけを浪費してしまったので、「時間を取り戻してやろう!」という気持ちがあったのかも知れません。七合目から先は、足早になりました。タダでさえ滑りやすい地質なのに、足がバタバタしていたら、それはコケますよね。尻餅レベルでなく、野球のスライディング状態でした(笑)。痛かったぁ~。
■蛇足/急遽、万歩計を購入しました。
穎娃町の大型ドラッグ店に立ち寄りました。
新しい万歩計は、鮮やかなピンク色を選びました。
「これなら、落とした時に見つけやすいだろう?」、そんなことを考えての選択です。
店員さんが丁寧な方で、壊れた時の保証について詳しく説明してくれました。
結論的には「お店にお持ちください」とのことなので、…それは100%無理です(笑)。