鳳凰山
サスケ会の2009年目玉企画は、
①北岳・間ノ岳・農鳥岳縦走(7月中旬)
②北穂高岳・涸沢岳・奥穂高岳・前穂高岳縦走(9月上旬)
の2つです。
中でも北岳は、相当ハードな登りだと聞いています。
その北岳の前に、北岳の下見を兼ねて、鳳凰山に登っておこうと思いました。
鳳凰山も、上り下りのハードさでは、北岳に負けないものがありそうです。
鳳凰山とは、薬師岳・観音岳・地蔵岳の総称で、一般的には鳳凰三山と呼ばれています。青木鉱泉を起点とする三山の周回コースは、12時間前後を要するハードなものです。しかも、高低差は最大1,690m。累積標高差ともなれば、2,000m近くになるかも知れません。
自分の体力を知っておく意味でも、鳳凰山は北岳縦走の試金石になるのです。
鳳凰山(ほうおうざん/観音岳2,840m)日本百名山 №79
■2009年6月27日(土)晴れ
■日帰り/サスケ会(格さん、ちゃぱ)
■行程/青木鉱泉→(中道)→御座石→薬師岳(2,780m)→頂上(観音岳2,840m)
→赤抜沢ノ頭→地蔵岳(2,764m)→(鳳凰小屋)→(ドンドコ沢)→青木鉱泉
■標高差/1,690m
■時間/04時00分~18時20分(14時間20分)
■参考/走行距離(399.6㎞)高速道路(調布⇔韮崎/\2,500)
■画像6枚目(思わず天を仰ぎました…※)の意味すること。
青木鉱泉を出発してから、概ね4時間が経過していました。
ここ最近、ある種の歩行術を体得してきた格さんは、軽快に歩を進めます。
私の方は、その軽快な歩きに着いていけません。気持ちが焦ります。
「自分のペースを守らなければならない!」
そんなことは分かっていながら、知らずに無理な歩きをしてしまったのでしょうか?
コースを塞(ふさ)いでいた倒木を、ハードルの要領で跨(また)ごうとした時です。
左足を上げた瞬間、その軸足になっていた右足に痙攣が走りました。
「攣ってしまう!」
咄嗟にそう思った私は、右足を庇(かば)うために、左足を無理矢理着地させて重心を乗せ替えました。すると今度は、左足が完全に攣ってしまったのです。左足が利(き)かなくなったので、反射的に(もう一度)右足に重心が移りました。その時点で右足も一巻の終わりでした。
両足を攣ってしまった私は、その場にヘナヘナとしゃがみ込んで、まったく立てない状態に陥ってしまいました。
「ここでリタイアか?」、「撤退するにしても、このままじゃ歩けないじゃん?」、「先行の格さんには、どうやって連絡しようか?」
これは、最悪の事態かも? 尻餅をついたまま、思わず天を仰ぎました…。
そして、大きな溜息が…。
■20~30分の休憩と、たまたま携行していた1本のストックで復活しました。
握力が無くなりそうになるまで、とにかく両足を揉み続けました。
「どうしました?大丈夫ですか?」
尻餅をついている私に、後続の方たちが声を掛けてくれました。
「ありがとうございます。もう少し休んでいれば何とかなりそうです」
実際、なんとかなりそうな気がしてきました。
立てるようにもなりました。あとは、歩けるかどうかです。
今まで、一度も使ったことのないストックを、今日に限って1本携行していました。
あの時の気持ちは、ストックと言うよりも、まさに「杖」でした。
杖があれば、何とか歩けそうです。その場で行ったり来たりしてみたところ、下るよりも登る方が痛くないことも分かりました。「だったら登ってしまえ!」、「上に行けば薬師岳小屋もあることだし…」、そう決心して行動を開始しました。
そして、ノロノロ、ヨタヨタ歩きの辛い登りが始まりました。
■超ハードなドンドコ沢コース。
二度と歩きたくないです(苦笑)。以上。
■追記①/薬師岳からの北岳・間ノ岳・農鳥岳の眺めは最高でした。苦労して登った甲斐がありました。薬師岳から観音岳、観音岳から地蔵岳への空中散歩も爽快です。但し、ドンドコだけはいけません。再訪する機会があるとすれば、早川尾根を縦走するか、薬師岳に引き返して中道を下りたいと思います。
■追記②/私の未熟さから「両足を攣ってしまう」という苦い経験をしました。同行の格さんには、本当に迷惑(心配)をかけしました。しかしながら、痛みを伴った経験は、これからの(私の)山歩きにとって、大きな財産になる筈です。本当に苦しかったけど、得たモノも多かったです。
…大きな事故に至らず、無事に下山できたことを、「山の神様」に感謝しなければと思いました。
さあ、次は、あの北岳です!