朗読アプリaudibleで本を聴く | しちにんブログのブログ

朗読アプリaudibleで本を聴く



160814コミックマーケット90 3日目【東エ01b】クロ僕屋 で参加します。
えっ!?ゲーセンなのにわたあめで対戦!?
高田馬場のミカドちゃん わたあめバトル編 製作中です
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耳の悦楽
 まんがの話を考えているときは人の声は邪魔なのだが、まんがの作画をしているときは音声の内容を理解しながら作業することができる。なのでラジオを聞きながら作業している。気づくと数時間経っていて原稿が埋まっているのである。
 ラジオの他に耳で聞けて楽しめるものはないだろうか。そう考えて、図書館やツタヤを探した。落語、源氏物語、名作文学朗読、見たことのないアニメのドラマCD……いろいろ試してみた。しかしCD形式のものはCD一枚一時間しかなく、全然量が足りない。他に何かないか……
 英語のkindle本は、マシンボイス文字を読み上げてくれるサービスが実装されている。機械が自動的に行うので、出版社が読み上げたデータを用意する必要はない。シャーロック・ホームズ全集が100円だったので買ってみた。文庫本10冊ぐらいあると思う。それが全部読み上げ可能である。だが致命的な問題があった。英語わからん。楽しめない……
 これが日本語の本でも実装されればkindle本の価値が一気に跳ね上がると思う。本で人が殺せる厚さの京極夏彦先生のシリーズでも電子書籍なら700gだし(これはこれで重い)、それが読み上げに対応していれば24時間聞いていられるぞ。いや、四六時中という意味ではなく普通に朗読に数十時間はかかるだろうという意味だけど。
 だけどamazonはアメリカの企業なのでアメリカ以外へのサービスは後回しである。日本語の本は読み上げてくれない。ニコ動のゆっくりにすらできることがアンドロイドにできないだと……日本語は漢字をどう読むかは難しい問題だしなかなか実装に至らないのであろう。

朗読アプリaudible
 で、本題である。amazonが出しているaudibleというアプリがある。これは、月1200円で小説などの文字の本の朗読されたものを聞けるというサービスである。あ、そうか、日本語の本が読み上げ可能になったらaudibleの経営が成り立たないから日本語自動読み上げ機能は実装されないのか……
 まあ、最初の一ヶ月無料ということなのでとりあえず無料期間だけでもためしてみることにした。

 audibleでは小説一冊を丸ごと朗読してくれるので一冊6時間とかかかる。これは普通に聞くには長すぎるかも知れないがまんが作業にはおあつらえ向きである。ちなみに、何倍速とか再生スピードは選べるし声の高さも同じままなので早く内容だけ知りたいというのなら倍速で聴くのも有りだろう。自分は1・15倍で聞いた。

聞いたもの

魔法少女育成計画 遠藤浅蜊


 ○人しか生き残れない中で16人の魔法少女同士が殺しあういわゆるデスゲームものである。今までもラジオドラマなど耳で聞くタイプの物語は聞いてきたのだが、これは小説をそのまま朗読しているということで三人称で物語が語られ、視点人物は章ごとに入れ替わる。耳で聞いた時のわかりやすさを重視するラジオドラマの類では人物が入れ替わるならそういう演出があり、そもそもキャラごとに声優が割り振られているのから誰が出てきたのかわかるのだが、これは朗読なのである。キャラごとに声優が割り当てられているわけではない。結果、違うキャラを同じ人が読むことになるのだが、ただ意外と誰が誰かわかる。さすが声優さまの演技の巧みさである。まあ「~と○○は言った」という地の文を聞くまでわからない場面もないではないが。あくまで朗読でありラジオドラマではないもで、効果音などもない。そのため場面が変わったことがややわかりづらいときもある。だが全体的には作業しながらでも物語にのめり込むことができた。
 個性的な16人の魔法少女が生き残りをかけて殺しあう。やる気がなくて強いものにへつらうが最後は決めるトップスピード姉貴がいい。
 

伝説兄妹! シリーズ おかもと(仮)


 3巻まで出てるので合計18時間ぐらいは聞いたはずだ。読むと3分の1ぐらいの時間で読めてしまうのだろうが、作業しながら聞けるのでいい。とことんダメ人間な学生の主人公が金儲けを企んだり女にモテようとあがいた結果世界ごと大変なことになるセカイ系?なのか。ダメな大学生の話はやはり親しみが持てる。声優は二人しかいないのだが、ダメ男、幼女、老婆、謎のインド人、幼女ヤクザ、脂ぎった腹黒政治家などを演じ分ける。謎のインド人好き。

時をかける少女 筒井康隆


 筒井康隆先生の作品はいくつか揃っている。子供の時図書館で読んだ気がする。1965年刊って……ドラえもんが1969年なのでそれよりも以前である。ドラえもんのタイムマシンのイメージが拡散する前のものなのである。主人公の少女が時間と空間を移動する能力を得るのだが、その能力が厄介で不気味なものだからなくなってほしいと願うところが現代と異なっている。今どきの主人公だったら能力を使ってなにかしようと思うよなあ。50年経ってもなおコンテンツとして継承されているのがすごい。

 一冊5,6時間かかるので数は読めないがまんがを描いている間に本が読めるのは面白い。名作文学、現代文学、SFファンタジー、ミステリホラー、ライトノベル、ノンフィクションの科学、歴史、あと占いなどもあるようだ。だがまだまだ品揃えは豊かとはいえない。ライトノベル部門はなぜかBL部門と統合されていてしかも品揃えはBL作品のほうに偏っている。ターゲットが家事をしながら聞いてもらえる主婦なのだろうか。ほかにミステリホラー部門にラブクラフトとかコナン・ドイルとかの古典著作権切れ作品、新し目のところではファンタジーでハリーポッターとかもある。

これからほしいもの
 紙の本が余裕で自立する超分厚い京極先生や清涼院流水先生や西尾維新先生の作品が聞きたいぞ。一冊20時間とかかるだろうけど。失われた時を求めてとか紅楼夢とかチボー家の人々とか超長編を聞きたい。聖書とかプラトン全集とかプリニウスの博物誌とか守貞謾稿とか白鯨とか全部読める気がしない知識系もいいかもしれない。読んでると眠くなるが聴くのなら半ば強制的に進んでいくので読んで挫折したものを聴いて挽回できるかもしれない。と期待しつつ結局寝落ちするのかもしれないが。
 図書館の魔女は去年読んだがぜひ朗読でもう一度聞きたい。audibleにリクエストコーナーはないのか。
 あとは、ノベルゲームのように分岐する物語。作業しつつ耳で物語を聞きつつ、物語の分岐に対しジェスチャーなり音声なりで選択をすることができれば作業しながらゲームができる。これは欲しい。

 とりあえず1ヶ月の間audibleをフルに楽しんでみようと思う。これから品揃えが増えてくれれば言うことなしだが、作者様に利益は還元されているのだろうか? 利用者の会費から、再生回数に応じた印税が作者様に還元されるのであればいいのだが。