最初に書いておかなくてはいけないことだけれど、私は「奇跡のりんご」の作者の木村さんとは一面識もないけれど、木村さんに対して「うさんくさい」と思ってはいないということ。
木村さんに限らず、私は多くのりんご農家さん、さくらんぼ農家さん、トマト農家さん、その他の農家さんたちと交流させていただいているなかで、それぞれの農家さんが、それぞれのこだわりと工夫と絶え間ない努力で、おいしくて安全な青果物を作ってくれていることを知っている。
だから、有機栽培であろうとなかろうと、ミニトマト1本すら育てられない都会人(つまり私)が、あれこれ意見など言える立場にあるわけがない。

にもかかわらず、なぜ「奇跡のりんご」に感動できないかというと、木村さんにむらがり「金儲け」をしようとしている人たちがうさんくさく、あの映画のプロモーションがどれもこれも納得いかないし、農家や農業を何もわかっていない人たちが「商売で」木村ブランドを作り上げようとしているということ。そして、間違った情報をたくさん垂れ流しているということに腹立たしく思うのだ。

そう思っているときに、フェイスブックで子分のぼぼぼくんがこのブログ「「奇跡のりんご」は奇跡でもなんでもない」を教えてくれた。

このブログを書いている岡本信一さんは農業コンサルタントとして、いろいろな農業に関わっている。だから、農業って何かとか、農作物ってどういうことか、ということもたくさん知っているんだと思う。
ということで「「奇跡のりんご」に関連した詐欺に気をつけろ」というブログは必読。

私のまわりでも、ちっとも科学的ではなく「あれはダメだ」「これはダメだ」とマスコミの偏った情報を猛進している女性がなんと多いことか。
もっと、「サイエンス」で考えなくちゃいけないのに。

でも、庶民にサイエンスはなかなかわかりにくい。
以前、NHKで「カネミ油」の被害者について特集していた。
1968年に、PCBなどが混入した油を食用にした人たちが被害にあい、子供や孫までもが障がいを持って生まれ、いまも被害者は苦しんでいる。
当時、その油が猛毒を含んでいることなど、お母さんたちはだれひとり疑わなかったろう。
「美味しい食事を作ってやろう」と天ぷらをあげて食べさせたおかげで、子供や家族が苦しむこととなった。
「お母さんが油を買わなければよかったのに」と言った子供の言葉に、一生苦しんだ母親がいたという。

そんなことを考えると、カネミ油のような極端な被害はそうそうあってはならないけれど、
消費者は無防備でいてはいけないとつくづく思う。
けれど、間違った知識はなおさらよろしくない。

なにが正しくて、なにが間違っているか。これを判断するのは、難しい。

話は戻るが、岡本さんのブログのリンクに「山崎パンはなぜカビがはえないか」というブログへのリンクがあった。
これは読む前に、私はてっきり「山崎パンは無菌で衛生的であるから」という答えかと思ったら、そうではないことを吹聴するデマ本の話だった。
http://www.foocom.net/fs/takou_old/1013/

そのほかにも、岡本さんのブログには興味深い話がたくさん解明されている(というか、リンクが張られている)

食や農業に興味がある人はぜひ一読をおすすめします。

岡本さん、勝手に紹介してしまいましたが、お許しください。