竹内まりやさんの新作CD「デニム」


デニムのように、

年数がたてばたつほど、

風合いが出てくる、というコンセプト。


「人生の扉」という曲はまさに、

はしゃいでいた20代も過ぎ去って、

気が付いたら

50歳になっていたという、

彼女の実感がこもった内容で、

同世代の女性である私としてはかなりショッキングだった。


(「人生の扉」の歌詞の全文はここで読めるが、コピー&転載は禁止されている)

http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND52277/index.html


楽しかった20代、

がんばった30代、

愛情いっぱいの40代、

そして、50代も捨てたものじゃないよね・・・


本音を言えば、

20代や30代のころのほうが楽しかったかもしれないし、

どんなにがんばっても、若さは取り戻すことができない。


多くの歌謡曲が若者の恋物語を歌い、

映画やドラマで話題になるのはたいてい若いアイドルであり、

50歳を超えているけれど精神的には若い女性たち(私たち?)の居場所は

ほとんどないんじゃないかと思う。


女性として、

年齢を重ねるということは、

どんなに前向きに、ポジティブに語ったとしても、

シワひとつない顔になったとしても、

やっぱり、ちょっとはセンチメンタルで悲しくて、

そしてあきらめっぽい部分がないわけではない。


でも、

「年をとってみたら、今が一番いいかなって思える」

そう、言い切ってみる。


「40代も、50代も、そのとき、そのときが自分に最高」

そして、

「たぶん、60になっても、70になっても、

100歳になっても、

私は幸せだよ」

って歌ってくれる姿は、

なんだかとても力強かった。


そんなまりやさんに、

夫 山下達郎さんは

アレンジャーとして、プロデューサーとして、夫として、

どうやって「竹内まりやらしくさせてあげるか」ということだけを考えている。


女性を、

妻を、

その仕事や生き方を認めて、

しかも伸ばしていくために尽力を尽くせるっていうのは、

オトコとしての器が大きいぜ、と思った。


いまや、夫も妻も平気で不倫したり、浮気したりしている時代に、

お互いが信頼しあって、

「妻を光らせる役目」に徹する夫がいれば、

50歳になっても、100歳になっても

女性は幸せでいられるんだろうなあ。


それも、竹内まりやさんだから?


じゃないよね。


すべての女性が、

デニムのように、

色褪せても味わいある人生があるんだよね。


竹内まりや, Alan Jay Lerner, 服部克久, 山下達郎, センチメンタル・シティ・ロマンス
Denim(初回限定盤)

ここまで書いてみて、

やっぱり「デニム」って、色あせてるよなあ、って思った(笑

風合いがあっても、新品じゃないよね。

だんだんボロくなるばっかりな感じで、切ない。


私は、

デニムよりも、

ワイン、といこうかな。


20代はヌーボー。

30代はカジュアルなテイストで、

40代になるとフルボティ。

でも、

上手に育てたいいワインは、

50年も100年も

たてばたつほど

いい香りと味わいが出るはず・・・(たぶん)