雑誌の企画の仕事をしていると、

なにもないところから、ひょっと、

なにか新しいことが生まれてくる、

というよりも、

いろいろな情報や、先例などを見ながら、

自分なりにオリジナリティを出して考える、

ということが多かった。


「あるある大事典」というテレビ番組で、

制作会社のヤラセが話題になったけれど、

テレビだって、雑誌だって、

「集めて、寄せて、編集して」という作業のなかで、

パクったり、パクられたり、

ヤラセ記事を作ったり、サクラを使ったり、

そんなことは日常茶飯事だ。


ある意味、

元ネタとなるものや情報などを

どのくらい持っているかということが

編集者の才能(能力)であるといっても

過言ではないかもしれない。


でも、

そこで、

本当に能力がある人は、

「そのままパクる」なんて、

アシがつくことはしない。


昔ならいざ知らず、

いまはインターネットもあるので、

どこが情報元かなんていうことは、

内容によってはわかってしまうし、

人の噂だってネットに乗れば早い。


じゃあ、

バレなければいいかといえば、

それは、自分がどう思うか、次第だ。


人から聞いた話をそのまま自分のネタにして、

のし上がっていった人を

何人も見ている。

その人たちは、いまも、世間的には「成功」している。


(もしかしたら、そんな恥知らずの一番いい例は、ビル・ゲイツかもしれない)


「恥知らず」

という言葉を、つい使ってしまったけれど、

恥だと思うかどうかは、

自分が決めることだ。


人に指摘されなかったとしても、

卑しい行いをいつまでも悔やむようなら、やらないほうがいい。


しかし、

卑しいとも、恥ずかしいとも思わず、

「私はこれでいいのだ」と思い切れるのであれば、

どんどんやればいい。


自分がやっていることに

胸を張れるかどうか。


これからの社会は、

それがひとつの基準になるのではないだろうか。