今週は月曜が寺沢先生のパーティー、水曜が会社でパーティー(ぱぱらびのブログ参照)木曜は山形で講演、金曜は上山の「こんにゃく番所」でこんにゃくフルコースのランチを食べ、夜は白鷹町で勉強会、そして今日は長井のタスホテルで「Swing Girls ランチ」を食べて帰ってきた。
 
 今回会った人たちのなかで印象的だった人が何人かいた。
 印象的、というっても、いろいろな意味でなんだけれど。

                

 ひとりは、山形県七日町のインキュベーションプラザ「ナナビーンズ」4Fで「サバサバ」というカフェの女性経営者Aさん。
 講演のなかで「自分の強みはなにか」という箇所があり、その言葉にひっかかって「頭の中はそれでいっぱいになってしまって、そこからあとは聞いていなかった」という。
 おからを使ったヘルシーなケーキが特徴。といっても、ちょっと地味だし、どんな「強み」があるか(出していけるか)と考えてしまったのだそう。

「仕事をしているうちに、もっと基礎を勉強したほうがいいと思うようになった」というけれど、私は「学校もいいけれど、仕事をしていることも最高の学習の場でもあると思うよ」と言った。
 ただ「きちんと基礎を学ぶ」という必要があるとわかっているなら、学校も悪くないと思う。
 そもそも学習や研究というのは最高にエキサイティングだし、「高校を卒業したらとにかく進学しなくちゃいけない」というような理由で進学するよりは、年齢なんか関係なく「勉強したい」ときに勉強するのがいい。

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 私は大学に行かず、仕事を始めたが、20代のときに女性雑誌の編集の仕事を中心に行うことで「女性マーケット」や「女性のネットワーク」「コミュニティ」について、体験的に学習する機会を得たと思っている。

 そもそも雑誌の編集者というのは貧乏性で、なんにでも好奇心旺盛で、アンテナを張り巡らせているような習性を持っている人種が多いのだけれど、私も先輩たちからそんな「編集者魂」を伝承していて、若いころはいろいろな勉強会や研究会に顔を出していた。
 
 そんなある日。
 ある研究会で仲良くなったS社の方から「ちょっと作文、書いてくれるかなあ」という電話がかかってきた(メールがなかった時代だった)
 文章を書くことは好きだったので、ふたつ返事で承知すると「じゃあ、フォーマットがあるから、それに従って書いてね」と言われ、数日たって、情報処理学会の論文用フォーマットが手元に届いた。

 論文なんて見たことも、考えたこともなく、しかも、表紙に「英文でabstractを書け」、とある。(abstractってなんじゃ?と思いました)
 そういえば「ちょっと英語も必要なところもあるけれど、困ったら僕が手伝う」みたいなことを言ってたっけ、と思ったもののの「やられた!」とそのときは思った。
 思ったけれど、面白いから書いた。
 テーマは「女子高校生のクチコミ・ネットワーク」
 発表したのは、情報処理学会情報メディア研究会。
 情報メディア研究会というのは、かなり先進的なネットワーク・コミュニティ分野などを総合的複合的多メディア的に研究する会で、学会のなかでも異色だった(そして、学会において、唯一後日「廃止」した研究会でもある)
 おもしろいだけに、ユニークで個性的な研究者が集まっていたので、そのまま私は学会に入れてもらえることとなった。

 学会というのは本当におもしろいし、「数年後に実用される技術によって、どんな社会やライフスタイルが形成されるだろうか」と想像するネタの宝庫である。
 論文自体はほとんどわからない内容であっても、2次会で聞くエッセンスは多いに「未来を見る眼」を養ってくれるものが多かった。(その後、98年から数回、アメリカのISWC=International Symposium on Wearable Computarという学会の常連参加までして、英語で発表までしちゃうほど、学会が大好きだった)

 私は研究者には到底なれないし知恵も能力も限界があるけれど、世の中にはすごい人たちがたくさんいるということがわかったし、そうした天才的な人たちと仲良くできることがわかり、学ぶことのおもしろさを教えてもらったように思う。

 「勉強って楽しい」

 もっと若いときに知ってたらよかったかもしれないけれど、仕事の経験と体験があるからわかったことかもしれない。

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ところで、「サバサバ」のケーキは甘味もほどほどで、男性にも好評。もっと素人っぽいかと思いきや、想像以上においしかった。(ほんと、おいしかった!)
 チーズとレーズンが入ったケーキなんか、絶品でしたよ!
 が、いくつか改善すべきところはある。
 ケーキを包んでいるフィルムがはがしにくいので、食べる前にイライラ。
 これはマイナス印象になってしまう。
 それから「サバサバ」という店名は、本来はフランス語なんだけれど、ケーキがパサパサしてるみたな連想しちゃうので、店名としてはどうかな。
「強み」につながるキーワードは、「山形」「女性」「ヘルシー」
 これにもうちょっとインパクトがあるテーマが加わるとしたら?

 ということで、次回またお会いできるのが楽しみ。
 
 おいしくて、安全で、ヘルシーなケーキ、これからも期待しています!