ダイエーの元社長、高塚猛氏がセクハラで逮捕された。

 週刊文春10月14日号の記事によると、高塚氏は『おはよう』と言うや否やキス。すれ違いざまに女性従業員の胸やお尻を触るのは日常茶飯事。キスで舌を入れられたり、女性の胸を触り、男性社員の前で感想を述べることもあれば、ズボンの上から陰部を撫でられたり、スカートの中に手を入れられたケースもあったという。
「社長」という特権を利用して「弱者」である社員にセクハラ行為を働くというのはフトドキ極まりない行為ではあるが、ある意味、あの年代のオヤジたちはマジメにそれを「コミュニケーション」だと勘違いしている。間違いない。
 
 私が知る限りの60代以上の男性社長にとって、女性は「やれる」か「やれないか」の2種類でしかない。
「仕事ができるか、できないか」なんってことはこれっぽっちも考えないどころか「女のクセに男の世界に首を突っ込むなんてフトドキだ」くらいにしか思わないし、それでも生き残っているビジネス・ウーマンのなかには「ご寵愛」型や「フェロモン」型もたくさんいる。
 つまり、結局は女性社長は「やれそう」路線でないと出世しなかった。
(あるいは、社会党の土井たか子さんのような「男女」は女として扱われない人畜無害型)

 たとえば、ゲーム機で有名なN社のN社長も女性社員をレイプしてアメリカで訴えられた事件があったし、故O川某氏は熱海の別荘で全裸芸者20名と混浴接待が有名だった、なんて、そんな話はザラにある。ご本人たちは事業の成功で頭のネジが緩んでいて「オレは女にモテてるんだ」と思い込んでいるが、モテているのはお財布であって本人がモテているのではないということに気がつかないというのはなんともお粗末。

 文春の記事のなかで着目すべきは、「高塚社長のセクハラが原因で退社した社員もかなりいたらしいが、行為を許した女性社員は次々と昇進し、契約社員は正社員になった」という一文。これをどう捉えるか。

 能力がなくても(?)ちょっとセクハラをがまんすれば給料がアップする。「それってすごいチャンスじゃない?」って思うツワモノもいたかもしれない。「来るなら来い!」という姿勢を見せてた人もいたのではないかと思う。(私はそのタイプ)

 でも、それができない人が狙われる。
 以前、渋谷駅の駅長さんに聞いたのだが、痴漢が狙うのはヘソ出し下着ルックのねーちゃんではなくて「清楚でおとなしそうな制服姿」がベスト・ターゲットなのだという。
 その理論でいけば、社内でも「泣き寝入り」しそうな女性ほど狙われやすい。めちゃくちゃ姑息で、情けない。

「出世」の野望を持つ女のなかには「手を握られたくらいじゃ死なないし、舌を入れられて出世するくらいならいくらでも入れさせてやる」くらいに思っている人もいるだろう。
 でも、思っているけれど、やられちゃうのは悔しいし、やはりキモいから、「寸止め」の技術を持ってこそ、はじめて「(オヤジあしらいが?)出来る女」といえるのかもしれない。
 私の場合は「来るなら来い」と言い続け、幸か不幸か、そんな機会も、それによって仕事や地位が手に入るという経験もせずにきてしまった。

 ところで、あるベンチャー企業の社長(ほりえもんではないし、藤田くんでもないし、もちろんミッキーでもない)によると
「(女性が)会社を創ったら、仕事やらなくてもいいから美人秘書を入れて、クライアントと飲みに行ったら必ず『私は明日が早いんで』って(秘書を)置いて帰らなくちゃダメだよ」という。
「かませ犬用に美人は必須」とマジメに言う彼の会社はすでに上場しているが、いまだに巷ではそうした接待はあるらしい。(彼の秘書が美人かどうかは未確認)
 オトコの会社ってイヤね、って思うけど、精錬潔白な女の会社だって、違う意味でなにかとたいへんなのだ。