狛犬とは?阿吽(あうん)の呼吸の由来と意味とは?
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神社の入り口に置かれている狛犬(こまいぬ)を見たことがあるという方は多いと思いますが、どのようなものなのかご存知ですか?
また、息ぴったりで行動している人に対して「阿吽の呼吸」という言葉を使いますが、その意味はなんなのでしょう?
狛犬と、阿吽の呼吸、どのような由来や意味があるのか調べて行きましょう。
狛犬とは?
狛犬は、獅子や犬に似た獣の姿をしており、神社に奉納された空想上の生物といわれています。
神社や寺院の入り口や本殿や本堂の正面に、左右に一対で置かれ、それぞれの口元は「阿吽(あうん)」の形を表していることが多く主に魔除けの為に置かれていると言われています。
元々は角(つの)がなく口を開いている獅子は「阿形(あぎょう)」、角があり口を閉じている狛犬は「吽形(んぎょう・うんぎょう)」と呼ばれていました。
しかし、鎌倉時代(1185年~1333年)後期以降には様式が簡略化され、昭和時代以降に作られたものは左右ともに角がないものが多くなっています。
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狛犬の起源は、古代インドといわれており、仏様の両脇に、守護獣としてライオンの像を置いたのが始まりといわれています。
また、古代エジプトやメソポタミアでも神域を守るライオンの像があり、古代オリエント諸国では神や王位の守護神としてライオンを用いていました。
狛犬はインドから中国へ伝わり、中国から日本へ伝わってきたのは飛鳥時代(592年~710年)といわれています。
当時は左右の姿に違いはなく、両方とも獅子だったそうですが、平安時代(794年~1192年ごろ)に獅子と狛犬の像が一対となっておかれるようになりました。
もともとはそれぞれを獅子と狛犬と呼んでいましたが、現在は両方を合わせて「狛犬」と呼ぶのが一般的です。
狛犬には性別はあるの?
阿形と吽形、2体で1対の狛犬。どちらかが雄で、どちらかが雌なのではないか? 番(つがい)なのではないか?という人もいるようです。
「阿形が雄で、吽形が雌」という説や「阿形が雌で、吽形が雄」という説、「両方とも雄である」という説、「性別はない」という説など、いろいろあります。
そもそも日本に伝わってきたときは両方とも獅子だったので、たてがみがある獅子=ライオンは雄です。
しかし、江戸時代になり、日本各地で狛犬が作られていくうちに自己流の解釈で作る人が出てきて見た目で雄雌がわかるように作られたこともあるそうですが、性別ついては特に決まりがある訳ではないようです。
阿吽の呼吸の由来や意味とは?
阿吽の呼吸の「阿吽」はインドの古い言葉(サンスクリット語)のアルファベットの最初と最後の文字を意味し、初めが「阿」、最後が「吽」ということで、阿吽とは「初めから終わりまで」を意味しているといわれています。
このことから、「人生の初めから終わりまで」という考え方があり、仏教では「この世に生まれて悟りを求め、涅槃(ねはん・煩悩や執着を消して辿り着く永遠の平和や安楽の世界を意味している)に至ることが「阿吽」の意味とされています。
また「阿」は口を開いて発声し、「吽」は口を閉じて発声することから、吐く息と吸う息を表し、そこから、二人以上が一つの事をするときの微妙なタイミングや気持ちの一致を「阿吽の呼吸」と表現するようになったようです。
大きな寺院などでは仁王像(金剛力士像)も同じように口を開けた「阿形」と、口を閉じた「吽形」があります。こちらも狛犬と同様の意味を持っているそうです。
神社でなにげなく見ていた狛犬にも、どうしてそこに置いてあるのか理由があることがわかりましたね。
獅子と狛犬だけではなく、狐や虎などほかの動物が置かれていることもありますよね?
それは、神社に祀られている神様によって異なるそうで、稲荷神には狐、弁財天には蛇、毘沙門天には虎、春日神には鹿が代表的です。
ほかにも、猫やうさぎ、河童などが置かれている神社もあり、それぞれにその土地の言い伝えや伝説などがあり、大事にされているそうです。
それにしてもサンスクリット語のアルファベットの最初と最後の文字が「あ・ん(うん)」ということで日本語の五十音に似ているのには驚きました。
もしかすると日本語とサンスクリット語には何らかの関係があるのかもしれませんね。