国道9号線は鳥取県内においては無料のバイパスがほぼ8割近く完成し、鳥取まで1時間30分でいけるようになった。
兵庫県内に入ると但馬地方の山岳地帯になるが、余り車は通っていない。
この地方の車は姫路ナンバーだ。
今回は京都へ行こうと思うので、いつもより道を変えてみた。
そのまま国道9号線で行けばよいのだが、この辺りにも無料の高速道があるので、朝来市の有名な竹田城址辺りよりそれにのり兵庫県篠山を目指した。
通っているのは国道176号線だが、道路わきに目立つのは、やたらと丹波、丹波という看板や表示。
丹波は京都府。もう京都に入ったのか。
でも看板の住所には兵庫県と書いてある。
おまけに丹波市というのもある。
ここで丹波国は京都府だけではなく、兵庫県にもあるということは初めて知った。
地図で確認すれば、兵庫県内へかなり深く食い込んでいる。
以前に丹波黒豆が兵庫県産と書いてあったので、おかしいと思ったがこれで納得ができた。
ふじっ子は神戸の会社なので、これを兵庫県内で買えば地産品となる。
兵庫県はまだ摂津国もある。
面積は少しだが、備前国もあるそうだ。
それに播磨国、但馬国、淡路国も加え兵庫県は関西圏、中国圏(但馬、備前)も含む六国の地域連邦県、合衆県となる。
今日の宿泊地は京都府亀岡市の『ガレリアかめおか』道の駅。
ここは駐車場が400台分もある大規模な道の駅だ。
しかし大型車の駐車場は5台分しかなく、完全に地元の商業、イベント、展示などの施設だ。
京都市内からの買い物客も多いだろう。
翌朝は国道9号線で京都市内に向かった。
するとすぐにさしかかる峠が老いの坂峠。
ここは古くより京都防衛の西の要所。
現在はトンネルが掘られており、あっという間に通り過ぎてしまうが、昔の峠道を登れば、京都の街並みが見られるそうだ。
丹波方面より京都に入るのには必ずここを通る。
1582年6月2日、明智光秀はここを越えて、『敵は本能寺にあり』と言った。
足利尊氏も西国から六波羅探題を責める際にここを通った。
このあたりの山は大枝山というが、今でも地名は残っている。
平安時代には大江山とも書いた。
百人一首に収められている『大江山いくのの道は遠けれどまだふみも見ず天橋立』に出てくる大江山は丹後大江山ではなく、ここのことをさす。
この歌の作者である小式部内侍は和泉式部の娘。
上の貴族にいびられた時に返しとしてとっさに詠んだものだが、その後残念なことに若くして死んでしまった。
老いの坂トンネルを過ぎると道は長い下り坂になる。
京都洛中までほぼ10キロにわたって続く。
今回まずは目指すは桂川、嵯峨野、渡月橋である。
ここはちょっと思い出があるのとどんな京土産が売っているのか見たかったからだ。