ソバは日本の伝統食材の中の伝統食材。
日本各地どこに行ってもソバはある。
特に山の多い各県は代表的な生産地となっており、地産食材としても全国に名をとどろかせている。
有名な日本三大そばは、長野県戸隠ソバ、島根県出雲そば、岩手県わんこそばなどいずれも冷涼な山間地のわずかな隙間にソバが育てられている。
しかしここで全国のソバの約半分を生産しているのは北海道である問ことはあまり知られていない。
寒冷な北海道中部の旭川周辺の幌加内、江丹別、十勝の新得などが主な産地である。
北海道のスーパーにはこのご当地ブランドのものが山ほどおいてあるが、東京のスーパーでは少ししか見かけない。
西日本に行けばなおさらだろう。
東京では信州物が多くを占めている。
福井県は全国第5位のソバの産地だそうだ。
越前そばは江戸時代からあり、冷やしたソバに大根おろしを乗せ、出汁をかけて食べるということを特色としている。
実は昨年の夏にこの地域を通った際に、食べたところおいしかったので、今回も食べることにした。
昭和天皇が戦後の全国行幸の際に福井でこの越前そばを食べられ、これはおいしいと言われたという話も残っている。
さらに越前ソバは農林水産省の指定する全国農山漁村の郷土料理の福井県代表としても名を連ねている。
スーパー、コンビニにも軽く売っている。
これらの生ソバは中に出汁や大根おろしも同梱されており、一玉150円前後で、これは適正である。
ソバをはじめとする麺類を食べるには、この生めんが一番良い。
何故なら鮮度が店と変わらないからだ。
冷蔵庫に保存していても真空物で氷温庫に入れておけば、かなりの期間(1っか月以上か?)は持つ。
ラーメンなど特にだが、乾麺にするといかにも人工物と言うようになってしまい、少し麺の感じが変わってしまう。
コンビニに置いてあり、袋を破ればすぐに食べれるものであるが、夕食用と思って買った。
このパックにも短い説明書きで、福井県産ソバ粉使用と書いてあるが、そうでないと越前ソバと名乗れないような定義があるようだ。
ここで分かったが、横のうどんはおつとめ品で一玉15円である。
今時まともな食材で1単位を15円で売っているものなどない。
納豆やもやし、カイワレ大根、非メーカー品の乳酸菌飲料などで時たま見かける程度である。
これに対し、おととい見た富山県の氷見うどんは高すぎる。
このうどんの十倍はしている。
越前ソバはソバ殻も一緒に製粉しているようで、黒い色がついている。
これもまた雰囲気的に食べる気をさそう。
東京のソバの実の中心部だけを粉にした白い色の更科ソバとは180度違う。
出雲そばも非常に黒っぽい。
田舎のソバは黒いのかな。
国道8号線は福井市、鯖江市、越前市武生付近は内陸部を通っているが、敦賀市の手前からいきなり日本海の海辺へと出る。
ここに『河野』道の駅がある。
国道8号線はこの付近ではかなりの急斜面になっており、日本海岸には多い白い砂浜もない。
河野道の駅はその斜面の中腹に作られている。
ここには昨年立ち寄ったが、ここのソバがおいしかったので、今年も食べてみた。
冷たい感触、固くしまった歯ごたえ、関西風の薄い味付け、ソバと大根おろしのベストマッチ、全体を覆い尽くす高級ソバ感、すっきりとした後味など、言葉では言い表せないようなおいしいそばである。