染色体、DNA、遺伝子ってどう違うの? | いおりくんの色えんぴつ

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いおりは2012年生まれのダウン症の男の子。福岡市在住。
ダウン症についてたくさんの人に知っていただきたいと
思いブログをつくりました。

 ダウン症(21トリソミー)は、21番目の染色体が3本あります。
通常は2本なんですが。
ダウン症の赤ちゃんはおよそ1000人に1人の割合で生まれてきます。
お母さんの年齢が高くなるとダウン症になる確率が高くなるそうです。
ダウン症は遺伝する病気ではないので、どの夫婦にも産まれる可能性があります。


 「染色体」ってなんだろう?
遺伝に関連する言葉として、染色体、DNA、遺伝子というのを
よく耳にしますが、これらは同じものなのか?違うならどんな関係になるのか?
よくわからないので、調べてみました。
(『図解雑学 遺伝子のしくみ』1998年、ナツメ社)


専門用語は使わず、大ざっぱに説明しますと、
染色体、DNA、遺伝子は、いずれも遺伝に関する物質です。
これらは大きさが違います
大きい方から順に、
染色体 > DNA > 遺伝子



染色体、DNA、遺伝子
(↑ クリックすると大きくなりますよ)

ちょうどわかりやすい図が、「ヒトゲノムマップ」というサイトにありました。
http://www.lif.kyoto-u.ac.jp/genomemap/html/pdf.html


 目の色や肌の色などを決める「遺伝子」(という暗号)がものすごくたくさんあって、
それらが2重らせんの紐(ひも)の上に一列に並んでいる。この紐が「DNA」である。
DNA全体を1本につなげてぴーんとのばすと、なんと何と長さ1.8mにもなる。
この長さのものが人間の細胞1個1個にすべて収まっていると言うから驚きだ。
ものすごく長いDNAは、図のように糸巻きのようにぐるぐるに巻かれて、
46本の「染色体」に分かれてしまわれている。


 これら3つは別々に存在するわけではない。

住所が 福岡県 > 福岡市 > 博多駅前 と大小の関係で表せるように、
遺伝に関する器官は 染色体 > DNA > 遺伝子 の関係で表せる。


 また、ヒトのDNAまるごと全ての遺伝情報を「ヒトゲノム」と呼んでいる。
2003年にヒトゲノムの解読が完了し、ヒトの遺伝子は2万個ほどあることがわかった。
ただし、DNA上の暗号文の文字の並びが明らかになっただけで、
膨大な量の暗号文のどこの部分が、何に関する遺伝子なのか
(例えば、目の色、アレルギー体質、・・・)はこれから少しずつ解明されていく。


クローバーダウン症に関連して大事なこと
 生まれつきの遺伝子異常にはいろんな病気や体質があるにも関わらず、
どうして「ダウン症」ばかりニュースで取り上げられるのか?


 その理由は簡単。ダウン症(ほかの染色体異常も)は染色体という
大きなレベルで数が1本多いから、発見するのが容易だからです。

(通常46本のところ、21番染色体が1本の多くて47本ある)

 ほかにも2万個ちかくある遺伝子の1つが異常であることが原因で
発生する障害もあるし、-どの遺伝子が影響しているのが現段階では
わからないが-、いくつかの遺伝子の組合せに異常があることが
原因で発生するタイプの、もっと分かりにくい遺伝子異常もある

と考えられています。


 遺伝子なら2万個もあるが、染色体は23対46本だけ。
1959年にジェローム・ルジューヌ(仏)が、ダウン症の原因が21番染色体が
3本あることであることを発見した。


 いま、出生前診断でダウン症などの染色体異常を妊娠中の検査で発見し、
その結果、異常のあった胎児のほとんどが中絶されています。
ダウン症の子を持つ家族にとっては、大変気になる問題です。


 しかし、実はもっとはるかに大きな問題の出発点でもあるのです。
新型出生前診断(NIPT)では、母親の血液に混じった赤ちゃんの
DNAを解析しています。染色体の数の違いはもちろんわかりますが、
それだけでなく、すでに技術的には赤ちゃんの全DNA情報を
解読できるところまで来ています

 ということは、染色体異常だけでなく、もっと小さな遺伝子異常が
原因の病気や障害も発見できる段階まで来ている
ということです。
今後、ヒトゲノム研究が進んで、次々と病気に関連する遺伝子が
つきとめられていくでしょう。キレやすい人、暴力的な人のもつ
遺伝子があるという話も出てくるかもしれません。

 そうなったら、ダウン症以外にも、数多くの遺伝子異常が
産まれてくる赤ちゃんに発見されることになっていくでしょう。
たくさんある遺伝子異常のなかで、生まれてよい生命と
産まれるべきではない生命の線引きは、誰がどうやって
おこなうのでしょうか。


 お医者さんたちの学会でも、この触れたくない問題から

ずっと目をそらしてきたが、そろそろマズイかもと、

禁断の箱を開けねばならない日が近づいていることに

ヒヤヒヤされているのではないでしょうか。


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