本日の紹介はこちらです。
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【出会い】
帯広図書館の「江戸」コーナーで出会いました。
【本書紹介のねらい】
~本書抜粋より~
江戸に住む男たちが持っていた望みは二つあった、一つはお伊勢さんと呼ばれた伊勢神宮へ参詣すること、そしてもう一つが、江戸最大の歓楽街・吉原で遊ぶことだったのである。
吉原は、金はかかった、江戸市中の、本来禁止されていた岡場所と呼ばれる私娼のそれと比べて、破格の料金がかかったのである、しかし江戸っ子たちは吉原に憧れを持った、太夫や花魁と呼ばれる上級遊女たちを一目見ようと、吉原を目指したのだ。
300年前のオトコたちが目指したところはどのようなところだったのか、僕たちの原点を学ぼう!
【気になった抜粋】
美しい上に着飾った花魁に魂を抜かれた大名もいた、我がものとするために遊女の体重と同じだけの小判を払った大名もいたのである、その大名の行跡は幕府の知ることになり、若くして藩主の座を追われ隠居の身となった。
吉原は、江戸において唯一の公認遊郭であり、この公娼制度は、昭和33年4月に施行された『売春禁止法』まで続くのである。
別れ際、男の背中をぽんと打ち「近いうちにきてくださいな」などとさりげなく口にする、男はこんな女の言葉や態度にコロリとだまされるのだ、このあたりは昔も今も変わらない。
遊女たちの「まこと」を「真実」と思う客はいない、それはウソだと客はわかっていた、だが、わかっていながら信じたくなるところに吉原の魔力があったのである。
遊郭の一番の掟は、見世の若い衆(男である)と遊女が男女の仲になってはいけないというものだ、若い衆といい仲になると、その遊女が客を取りたがらなくなるのである、この関係が深くなってしまうと、手に手を取り合って遊郭から逃げ出すということも起こる、見世側は黙って逃さない、見つけ出された男はほとんどの場合殺されることが多く、遊女は吉原へ連れ戻される、そして凄惨な折檻を受けるのだ。
妊娠は遊女の恥とされ、さまざまな避妊法を用いたが、当時の知識では妊娠は避けられない出来事だったようだ、堕胎できずに子供を産んでしまった場合もあった、この場合は、見世の子供として育てられ、女の子なら遊女の道へ、男の子なら見世の若い衆として将来を決められた。
隠語「呂の字」キスのこと、口と口を合わせるという行為を漢字で表している、「おさしみ」とも言う、これは舌を刺身にたとえた表現。
【響いた抜粋と学び】
本日紹介の書籍は風俗の原点とも言える書籍。「朝からこんな書籍を……」、そんな苦言が聴こえてくるかもしれない。しかし、僕たちの興味はないのか? いやウソだ、あるはずだ!
想像を膨らませながら読み解こう、オトコ諸君、手元にティッシュを用意して、上からの鼻血、下からの精魂たっぷりの……これ以上は言わないでおこう。
上半身の赤組、下半身の白組による、オトコの紅白大運動会の始まり~。
江戸が繁栄すれば摺るほど、吉原が江戸の中心のような様相を帯びてきた、人口過密状態を打破するため、幕府は吉原をさらに江戸の郊外へ移転させる計画を立てた、吉原のような悪所が江戸の顔のように繁栄しているのを幕府が快く思わなかったこともある、つまりこの頃、主な客が武士であったのである。
江戸時代、オトコたちの楽園「吉原」……北海道人のあなたが想像するのはススキノにあるプレイできるところね――オトコたちは夢を見ていた。楽園にいる美女と夢のような時間を過ごす夢を見ていた。そんな夢を見る職業は「武士」。
「武士は食わねど高楊枝」、そんな言葉がある。ご飯は食べずに吉原で喰べたい、そうかそうか、だから”高楊枝”だったのか。食べないで、我慢したんだね。
現代で考えるならばこれは警察だとか消防だとか、役所関係のオトコたちが主なお客さんだったということか? 江戸時代にスマホがあれば、「〇〇家の武士が吉原に入った!!」とタレコミが続出しそうですね。
基本的には、同じ遊女に三回以上通って「馴染み」となった客だけが、遊女の部屋に通されることになる、遊女は、自分の部屋を持って初めて一人前といわれたのである。
初めて客と遊女が会うことを「初会」といって、ただ酒を酌み交わすだけである。
二回目に同じ遊女と会うことを「裏」といった、これを「裏を返す」ともいう、「裏を返さないのは江戸っ子の恥」といわれるように、一度遊女に会ったら次も同じ遊女に会うというのが江戸っ子の矜持だった。
三回目に会うことを「馴染み」という、なじみの客になって初めて遊女から名前で呼ばれる待遇となり、客は「馴染金」という料金とは別のお金を祝儀として払う。
吉原の簡単なルールです。初回利用でプレイなしです。現代人には考えられない設定ですね。3回目にようやく名前が呼ばれて、しかも別料金を支払うのです。すっげー。
馴染みになると客専用の箸がつくられ、遊女がそれを預かる、馴染みになった客が帰るとき、遊女は大門まで送った、初回や裏では遊女は店先までしか送らないが、擬似夫婦関係ができあがると扱いが変わるのである。
なるほど。なかなか手が込んでますな。しっかり、差別化を測ってますね。素晴らしい。
厳然たる階級社会であった江戸時代でも、吉原の中だけは階級というものがなかった、一歩大門の中に入れば、武士も町人も皆平等の扱いを受けるのが原則だった、腰に大小の刀を差して威張っている武士も、茶屋に上がるときは刀を持ち込めない原則があった。
まぁ、これはそうだろうね。刀を持ち込んで、「斬捨て御免」みたい感じで、初回からプレイさせろ! って脅す武士がいそうだもんな。
もしどうしても遊女を替えたいとなったら、前の遊女と話し合い、「手切れ金」を出して関係を清算しなければならなかった、遊女を選ぶのは自由だが、一度選んだら最後までつき合うというのが吉原世界のきまりである。
なるほど。一度選んだら「チェンジ!」現金です。きっとギニュー隊長が大声で「チェーーーンジ!!」と言ってもタダでは翻らないでしょう。
現代のチェンジ何回でもOK、というのは活気的なシステムなんだ。
【一月】挨拶がすみ、見世に戻ってくる頃、新年初の顔合わせとばかり、暮れの一二月に約束していた馴染みの客が通ってくる、これを「初買い」といった。
新年初売りはもしかして、ここから始まったのか? まさか……。
吉原の休日は年に二回しかなかった、正月一日と七月一三日の盆だけである。
遊女たちに謝ろう。週休2日でも足りない、なんて思ってごめんなさい。
遊女たちを遊女らしく見せたのが、その装いである、幕府が吉原の営業許可を与えた最、遊女は贅沢な着衣を用いないことという一文があった、しかし実際にこれが守られたためしはなかった、遊女が贅沢で豪華な着衣をまとって初めて、客は喜ぶからである。
夢の都吉原にせっかく来て、ワクワクしているのに出てきたオンナはボロキレみたいな衣装だったら幻滅だよなぁ。この時代から衣装は大事だったんですね。これが変革をなして、ナースやら体操着やら制服やら幅を利かせたわけですね(笑)
<髪切り>遊女自らの髪を切り、客に渡して誠意を示す方法である、ただし、切るときは遊女が自分で切るのではなく、客に切らせる、客に切らせることによって共犯者的な意識を持たせるのである。
<指切り>遊女が小指の第一関節から切り、その指を客に与えるというものだ、髪の毛や爪以上にインパクトは強い、本当に切る場合は、遊女にとっても強い決意がいる、客もそれに応えるほどの心構えが必要だった。
「ゆ~びき~りげ~んまん♪」あのかわいい歌はそんな愛嬌のあるものではなく、本気で指を切り落とし、相手に尽くす意気込みを見せたものだったのです。
※ 実際は死んだ人の指を切って渡すことがあったらしい。
一度梅毒にかかって治った(と思っている)遊女は、二度と梅毒にかからないとされ、客のほうでも病気のない遊女として認知された、見世からも一人前の遊女として扱われ、遣手は客にどんどん勧めた、おまけに病気が潜伏している影響からか、妊娠しにくい身体になっているから、見世としては万々歳である、客のほうでも、梅毒にかかることは一種のステータスで、遊びを極めているという目で見られた。
これは現代でもあまり変わらないよね。オンナ遊びして病気移されたと自慢するオトコはいますね。こんなに昔から始まっていたのですね。
ありんす言葉……吉原は俗世間と違うこの世の極楽であったから、そこで田舎訛りの言葉を聞かされては、現実に戻されてしまう、また言葉によって道教であることが客に知れ、下手に同情されても困るし、遊女に里心がつくかも知れない。
実は昔お会いした高齢者介護現場でのお客様が「〇〇でありんす」と話していたのを思い出して抜粋しました。
現代ではあえて訛っているほうがかわいい、と言葉が大事にされていますが、この頃は違ったのですね。
話は変わって、民族を滅ぼすには、言葉をなくす、歴史(神話)をなくす、とありますが、吉原でもうまいことやっていたみたいですね。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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【編集後記】
本日はNEXT READING 読書会です。6/13帯広図書館で夕方開催する読書会は早くも9名参加します。まだ席はあります。早めに連絡をいただければ、と思います。
帯広市内や近郊にお住まいの方で本書の購入を検討した方はぜひ「ザ・本屋さん」での購入をオススメします。
書店での書籍購入は本をもらうだけではなく帯広の書店存続……つまり「帯広市とその近郊、十勝」の文化・教養を高めることにつながります。
「ザ・本屋さん」ではご自宅や勤務先へ本を配達してくれます。
配達地域……帯広市内(大正、川西除く)、札内地区(全域)、音更地区(大通・木野・希望が丘・共栄台・桜が丘・新通・鈴蘭・住吉台・柏寿代・東通宝来・北明台・北陽台・緑が丘・元町・柳町・雄飛が丘・緑陽台)
雑誌、書籍、週刊誌の定期配達は無料で行います。
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配達区以外の場合は、郵パックで対応してます。
詳細はホームページでご確認くださいませ。
ザ本屋さんウェブサイト
