北欧モデルでなぜ成長できるのか | 「しょう」のブログ(2)

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 「生活指導」という言葉は戦前、綴方教師の峰地光重がはじめて用いたといわれますが、「生活そのもの(それを綴り意識すること)が子どもたちを成長させる」というイメージです。当面、「生活指導」や「生活綴方」を中心に書いていきたいと思います。

以下は、『週刊東洋経済』(2008年1月12日発行)の特集、「北欧はここまでやる」の総括記事を要約したものです。


考えさせられる内容が、数多くあるのではないでしょうか。


Q 北欧の社会・経済政策に疑問を持つ経済学者の主張は?

A 高い税率、手厚すぎる失業保険、所得の行き過ぎた平等を特徴とする経済は成功するはずがない! (しかし、実際には成功している)

Q 成功している要因(3要因)とは?

Aマクロ経済の安定、柔軟でグローバル化した労働市場、そして小さい所得格差と社会保障の充実。

Q なぜ経済が安定するのか?

A 就業者の比率は先進国では最高レベルにあることで、社会給付の財源が潤沢に提供される この手厚い社会給付があるおかげで、労働者は恐れることなく、成長と効率性を促進する「創造的破壊」に邁進できる。

「市場主義」によれば成長と効率性の阻害要因であるはずの社会保降給付は、北欧では促進する要因となっている。



Q グローバル化による「賃金の引き下げ競争」は北欧では起こらないのか?

 それをしなければ競争力が低下するのではないか?

Aスウェーデンは、対GDP比の貿易額の割合はOECD諸国の中でも高い率を示す一方で、過去10年間の実質貸金の伸びで1位である。2位はノルウェーだ。

 北欧型「経済」の最も顕著な特徴は、所得の平等性をOECD諸国の最高水準にまで高めた制度だ。経済学者の中には平等は成長を犠牲にして得られるものだ、と主張する人がいる。だが、現実には、適切に対処すれば平等の促進が成長を促すこともできる。



Q 非正規労働者の活用で人件費を下げることは行っていないのか?

A北欧諸国では、程度の差はあるものの、同じ仕事には同じ貸金を与えることを保証している。(…)「賃金の平等化が、生産高や生産性を大幅に向上させたのは明らか」という。その理由として「労働と資本が非効率的なものから効率的なものへと移行するのを促進したからだ」と述べている。効率性に平等が加わって、すべての人々の実質賃金が上昇したのだ。



Q 経済安定に重要な成長の伸びと効率性の向上はいかに達成されたのか?

A1 一部の産業や国営企業の規制緩和によって達成された。

A2 経済活動の現場でグローバル化を進めた結果、デンマークおよびスウェーデンにおいて貿易がGDPに占める割合(現在の価格)をみると、1960年代にはGDPの約50%だったのが、今日では約90%に上昇した。

(国からの直接投資の累積は、90年の57%から、06年には約50%へと上昇した。)


北欧モデルでなぜ成長できるのか