図書館総合展2013 その3:印刷博物館見学 | しゃっぴいおばさんのブログ

図書館総合展2013 その3:印刷博物館見学

フォーラムの感想も残っていますが、子供の社会見学のように印刷博物館が楽しかったので、先にこちらをお伝えします。


印刷博物館 の見学は図書館総合展の特別企画で、樺山紘一館長の話が聴けるだけでも価値があると言われ、のこのこと出かけたのです。

樺山館長からは、図書館人でない私には馴染みのなかったゲスナー賞 の話や、11月末から開催される「World book design」の紹介がありました。

「印刷」というと、日本では本、壁紙やお札などあらゆるものを含むのですが、外国では書物とそのほかとは其々別のものとして取り扱われるそうです。

「世界でもっとも美しい本のコンクール」なんてのもあって、美しさの基準も国によって違うそうです。印刷って奥が深いのです。


博物館の入口前には、印刷の歴史がBookの形態を通して陳列されています。

古代ロゼッタ石のレプリカに始まり、祈りや信仰表現の文字による印刷手段ができて、図版を加えることでコミュニケーションメディアに発展していきます。

解体新書や浮世絵の時代を経て、活版印刷が誕生し、ポスターや広告、お菓子のパッケージなどにも印刷されるようになったその歴史が、レプリカや実物を見ながら学べるようになっています。

この前知識をもとに、博物館見学へと導かれています。


魔法瓶(知らない世代もいる?)に花柄が印刷されていたのを覚えていますか?

あれも平面印刷から技術が進歩した結果なんだとか。

印刷博物館では独自分類を使用した4万冊の蔵書があり、400冊ほどが開架されています。

レファレンスの性格もあって社史を多く保存しているそうです。

魔法瓶の花柄にまつわる情報も、実は社史が一番詳しいのだそうです。

自分の会社の社史って軽んじていたけど、社史って貴重なんですね。


一通りの説明のあと、普段は入れない電子書籍の作成現場を見学させていただき、印刷の家コーナーで、活版印刷の体験で栞作成に挑戦しました。
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そこで、アルファベットって同じ幅ではないことを改めて実感しました。

’W’や'M’の字幅と'l’や'i’の字幅は全く違います。ところが漢字は縦幅も合わせなければならないので縦横同じ幅になっているのだそうです。

印刷の家では、明朝体やゴシック体など色々な活字が整然と並んでいました。
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漢字は辞書のように部首等で分けられている上に、良く使われる文字はとりやすいように工夫されていて、まさに職人さんの仕事です。

そうそう、今でも表示できない外字などは’’で表示しますが、これって活字版の裏側の模様が原型なんだそうです。

いろんなものが繋がっているんですね。

昔の印刷機も展示されていて、中にはギロチンのような重厚な模様のついたものもありました。
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栞体験の後に博物館を見学する予定でしたが、司書のYさんと話し込んでしまい、その上グリーティングカードの作成までさせていただいたので、結局博物館は見学できずに帰りました。

(私はなにしに行ったのでしょう?)

入場料は300円、これは又来いってことですよね。

博物館はじっくり見て回ると5時間はたっぷり楽しめるそうです。


栞やカードの印刷体験は、区内の小学校などともコラボをされているそうです。

一般の人も、時間は決められていますが、印刷体験は可能です。

お金をかけずに色々なことを学べて遊べる場所はあるんですね。

お孫さんやお子さんはもちろんの事、大人も結構楽しめる場所です。

よかったら一度いらしてください。


栞やカードのインクは、1日経たないと乾かないというので、私の作品は後日披露します。

誘ってくださったSさん、どうもありがとうございました。