鴨鍋
今日は、東武東上線ときわ台駅から徒歩3分の
ところにある蕎麦の名店「舟蕎山」で鴨鍋を食べる日だ。
朝9時半を待って、阪急トラピックスに電話を入れ、
台湾旅行の申し込みをする。
すると、羽田発の予定していたコースが満員で〆切ったと
言う。仕方なく、友人に電話を入れ、同じ日程の成田
午後発便のコースに変更する。値段は却って安くなった。
それから、ときわ台に向かう。
11時半開店の店には先輩Aさん、Bさんと後輩のCさんが
既に待っていて、私は10分ほど遅刻してしまった。
先輩のBさんとは、10年振りの再会だ。
以前と変わらぬ温和な姿に、すぐに10年の空白を取り戻す。
(蕎麦の名店「舟蕎山はときわ台駅北口から徒歩3分)
この店、Bさんの贔屓の店で、私を除いた3人で、冬に
鴨鍋を食べて、食通のAさんを唸らせたそうだ。
以来、この暑い夏の最中にも、Aさんはシーズンになったら
また鴨鍋を食べたいと言い続けて来られた。
そして、今回私も仲間に加えていただいたのだ。
私が到着した時には、すでにBさんが手配されていた
のか、テーブル一杯に料理の準備が整えられていた。
早速、ビールで乾杯。
まだ、午前中だが、ビールが心地良く喉を潤す。
鍋に火を入れる前に蕎麦屋さんのつまみで、今度は
日本酒の初孫を飲む。
チーズをはんぺんで包んでしそを巻いて揚げたもの、
ボリュームたっぷりのあっさり味の牛モツ煮込み、さつま
揚げ、お新香の盛り合せ、どれも旨く、初孫がすすむ。
いよいよ、鴨鍋に火を入れる。
まず、竹筒に入れられた鴨のつくねを団子状に鍋に
入れる。これでだし汁に旨味を加えるのだそうだ。
だし汁が絶妙な味で、女将さんがどんどん飲んで
下さいと言う。この店自慢の味なのだ。
具の白菜やキノコ類や豆腐にこのだし汁が浸み、何とも
言えぬ美味しさのハーモニーを奏でる。
鴨のつくねの後は、いよいよスライスされた鴨肉を入れる。
鴨肉は煮過ぎないよう色が変わったらすぐ口に入れる。
途中、だし汁を何回も付け足した。
鴨鍋は色々な店で食べれるが、この店の鴨鍋はだし汁が
真髄だ。私が恐らく今まで食べた鴨鍋のうち、最高の味だ。
〆は冷水で〆た腰のある饂飩を入れる。
この店、蕎麦の名店で午前中からお客さんが絶えないが、
今日はお腹が一杯で蕎麦を食べることが出来なかった。
この次は是非蕎麦を食べてみたいと思う。
懐かしい人達と懐かしい思い出話に興じながら、美味い
料理を肴に旨い酒を飲んでいる時、人は心から幸せを
感じる。
会食の途中、Bさんの奥様が目白駅前の有名な和菓子の
店「志むら」でわざわざ九十九(つくも)餅を買って来て
下さってお土産にと届けて下さった。
この日、結局私は初孫を3本飲んだ。
帰り、電車の揺れが心地良く、電車を2駅先まで乗り過ご
してしまった。
家に帰って、九十九餅を家内と美味しくいただいた。