■アイドルは盆栽! | たかみゆきひさオフィシャルブログ「shadowcube」Powered by Ameba

■アイドルは盆栽!

アイドルは盆栽にして凡才に非ず

これは僕がスタッフに言う言葉です(笑)
アイドルは盆栽だと思って接し、育てなさい、ということです。
もー、20年数年言い続けている座右の銘みたいなもんですね。

注)
ここで言う「アイドル」とはマイケル・ジャクソンやマドンナのようなアイドル(スター)ではなく、天地真理や松田聖子、おニャン子クラブや乙女塾などのようないわゆる「アイドル」ですよん



「盆栽」って元々は大陸から伝わった「盆景」がルーツと言われるが、それぞれの考え方は180度違う。

「盆栽」も「盆景」も一見同じように見えるが、

「盆栽」は「日本独自の思想」=「自然を生かす(共存する)思想」
「盆景」は「中国(や欧米)の思想」=「自然を支配しようとする思想」

そもそも日本と中国、欧米との違いは…



う、
この話、始めると長くなるのでここまで(^^;)

さて、
「盆栽」も「アイドル」も日本独自の文化です。

それは前述の通り「自然を生かす(共存する)思想」が元になってる。
盆栽は例えば曲がった幹や枝などをうまく生かし、そこに人が手を入れつつ植物が育っていきますよね。
そして、その完成体や完成する過程を楽しむものであり、これすなわち自然を活かし、共存していこうというベクトル。
(逆に「盆景」は山水を模して自分の手中にジオラマとして置き、楽しむもの。これは自然を支配しようとするベクトルの思想です)

盆栽の醍醐味、そして重要なポイントはその植物のどういった部分を「良さ」として引き出してゆくか。
「曲がっているところ=ダメなところ」を「良さ」とすることろは「わび・さび」という日本独特の美意識と共通するもの。

さて、
日本で言ういわゆるアイドルは「おバカ」だったり、「ドジっ子」だったり、歌が下手だったり、しゃべりが拙かったりとそういう「不完全なところ」がとても重要な要素だったりする。
だからといって「おバカ」なだけではダメ、「ドジっ子」なだけではダメで、大人がきちんとその個性を理解した上で「剪定」してやらねばならないのです。
そのダメな所をどう殺さず生かしていくかがポイントなんですよね。
(僕の中では「ダメ」とか「バカ」っていうのは究極の褒め言葉)

この辺ってわかっていてもなかなか難しいんですよ。
タレントを育てる時、やみくもにボーカルレッスンとかダンスレッスンをやったりするのは実はその子の個性を殺してしまうことになりかねないのです。
あと、変に型にはめようとしたり…。

タレントのスタッフになるとどうしても「タレントをきちんと育てなきゃ!」って意識から四角四面な指導になりがちになる。
熱心だからこそそうなるもので、熱心なことはとても大事なことなんだけど…
でも、そういうスタッフはいつか必ず「どうやって育てていけばよいのか」という壁にぶつかる。
熱心であればあるほどね。

そういった時に僕はこの「アイドルは盆栽である」という言葉を投げかける。
(もちろん予め言ってはいるけど、実感わかないとわからないもんなんだよね、人間って)


そんなワケで「アイドルは盆栽」なのである。
でもね、これって「アイドル」に限らず、タレントは個性を売りにする以上本質的にはみんなそうなんだけどね。
「アイドル」は顕著にそうなだけで。


「凡才に非ず」についてはまた今度。