Good Thang/Faze-O | BLACK CHERRY

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JAZZ, BRAZIL, SOUL MUSIC

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 大先輩のOhio Playersを彷彿とさせるエロジャケットからして期待させてくれますな。Funkとは男にとって素晴らしい存在である女性への賛歌と感謝である。男にとって一番大切なものは女性である。Funkの伝統を受け継ぐ、まんまPlayersな助平ジャケから迸る男気あふれるFunk魂。日本が世界に誇る長嶋様と松井さんのスーパーな師弟愛、あのお揃いのスーツみたいなもんですな。それにしてもイイ時代になったもので。こんな音盤まで世界初CD化されてしまったわけで、アナログ持っていても思わず手が出てしまうというお手軽価格。Faze-OといえばSpacy Funkの名曲“Riding High”が収録された同名のデビュー・アルバムが有名だけど、こちらも負けてまへんで。Arp StringsMini MoogといったSpacyな飛び道具に黒々としたClavinet、Fender RhodesもまじえたKeith D. Harrisonの鍵盤さばき、Tyrone "Flye" CrumのSlapもまじえながら基本重低音で支えるベース、カッティングとHeavyなギター・ソロも得意なRalph Aikens, Jr.のギター・ワークが素晴らしい彼らが残したアルバムは全3枚。後にHeatwaveDazz Bandに加入するHarrisonの各種鍵盤の使い方が実にセンスが良い。ドラムスのRoger ParkerとPercussionのRobert Neal, Jr.も手堅くバンドを支えてる。バンドはこの5人編成Chicago出身ながらPlayersのメンバーたちの薫陶を受けLate 70'SのFunkシーンで輝きを放った。当時のOhio Playersは失速気味であったが、Billy(William) BeckClarence "Satch" SatchellJames "Diamond" Williamsというメンバー3人への感謝が記されたFaze-Oのデビュー・アルバム『Riding High』は当時のPayersをも凌ぐ勢いがあったし、続く本盤も良い出来だ。

 『Good Thang』はAtlantic傘下のSheから78年にリリースされたFaze-Oの2ndアルバム。ProduceはOhio PlayersSaxTrumpet奏者Clarence Satchell。Satchellは演奏にも参加している。Playersからは鍵盤奏者Billy BeckとギターのClarence "Chet" Willisも参加。BeckはメンバーのKeith D. HarrisonとともにCo-Producerも兼ねている。
1発目のタイトル曲はお得意のSpacy FunkGood Thang”。Roger ParkerのタイトなドラムとTyrone "Flye" Crumの重低音でうねるベースが彼らの持ち味だ。途中でP-Funk風の展開、歪んだギター・ソロを織り込みつつ基本は重いFunkビートで貫くFink魂に感服。
重心の低いBottomが最高のFunk“Who Loves You”。ぶっといベース、切れ味鋭いカッティング、Players流儀FalsettoChorusが気持ち良すぎ。Horn隊と鍵盤も頑張っているけど、この曲はやっぱりTyrone "Flye" Crumの低音で妖しく蠢くベースっしょ。アルバムで一番のお気に入り。
Tempo良くぶっ飛ばす“Space People”。Trumpetも活躍している。ギター・ソロで盛り上がり後半一気になだれ込む。
P-FunkなシンセとChorusで始まる“Party Time”はタイトル通りFunkyなParty Tune。後半のChorusとの絡みも良し。
Love Me Girl”はUrban&えーおーあーる臭がチョイ恥ずかしいコード進行とSaxのイントロがあまりにもキツくて思わずずっこけながらも、FalsettoのChorusとVocal、お間抜けシンセと、なぜかこういう曲で叩きまくる暴れ太鼓なドラミングで持ち直すナンバー。
最後のシメはグイノリFunkの“Funky Lady”。
(Hit-C Fiore)