Fade Out,Fade In … Fade Away 1 | フォーチュン☆ナビゲーター リブラの日記

フォーチュン☆ナビゲーター リブラの日記

透視リーディング・ホロスコープ・タロット 子連れOK

【 Fade Out , Fade In  1 2 3 4 】の続編です。

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・

 

あれから4年・・・

 

寄せては返し、寄せては返しの繰り返しだった

「自己無責任」という名の葛藤の波は、

足元をくすぐる程度のさざ波へと変わり。

 

緩やかなうねりの中で

立ち止まってみたり。

 

わざと大きな水しぶきを跳ね上げて

逆走してみたり。

 

苦しさ、虚しさ、悲しみ、

喜び、ときめき、幸福感・・・

 

逃げているだけなのか、本当に不要なのか、

未だ正しさを求めているのか、素直な発露なのか、

コントロール合戦をしているのか、していないのか・・・

 

色々な感情や思考が交錯して

枠や境界が曖昧になっているけれど。

 

心地よい波音に耳を傾ける余裕があるあたり、

概して平穏なのだと思う。

 

そこは、貴方の影が無い世界。

 

そしてこれが、今の私の日常と呼べる世界なのだろう。

 

 

貴方がかけてくれた魔法なのか、

あの後の私は何事もなかったかのように

あのケーキショップへと通っている。

 

やっぱり貴方は魔法をかけてくれていたのかな。

 

ショーケースの向こう側に広がる大きな鏡の世界は、

今はもう何も映さない。

 

何も見せない。

 

何もない。

 

貴方も居ない。

 

下を向く私も居ない。

 

シンプルモダンの内装を引き立てる鏡張りの壁は、

今日もケーキ選びに迷う私たちに

明るい光を照らしてくれる。

 

 

チクンと胸を刺すような思いも蘇らない4年間だった。

 

年に一度だけ。

 

年賀状を受け取る日だけが

貴方のことを思い出す日。

 

ほんの一瞬、貴方が元気にしていること、

お子様達の成長を喜べる自分が居ることを確認して、

私はいつものさざ波の世界に戻っていく。

 

これもまた、自己満足の時間に過ぎないのかな。

 

私、成長したでしょ。

私、貴方に近づけたかしら。

私、ワタシ、私、ワタシ・・・

 

 

でも、この時間すら

貴方が届けてくれたプレゼントのように思うんだ。

 

ショートケーキの上に一つだけ輝く美しいイチゴが、

長年こだわりを貫き通してきた店主の

絶対のお墨付きであるのと同じように。

 

私にも信じられるものが出来たから。

 

今度は貴方に声をかける自分が居るということを。

 

不完全な自分であってもいいの。

素敵な自分を見せなくてもいいの。

 

貴方に受け入れてもらえなくてもいいの。

 

私が貴方に声をかけたいだけ。

 

会いたいと願うわけでもなく、

会わせてと祈るわけでもない。

 

ただ、もし会うことがあるなら

貴方に声をかけたいの。

 

顔が引きつっていようと、声が裏返っていようと、

貴方には到底合わない服装をしていようと。

 

気の利いた言葉が出てこなくても。

 

ワタシカラアナタニコエヲカケタイ。

 

私のさざ波の世界は、ほんの一瞬静まり返る。

 

葛藤を抱え続けた私はFade Away・・・

 

 

そして再び、さざ波と戯れる私が現れ、

あの大きな鏡の世界に映し出されるんだ。

 

 

「いらっしゃいませ」

 

微笑みかける店員さんに

貴方の大好きだったケーキを頼んだ私は、

鏡に目をやることもなく帰り道を急ぐ。

 

鏡の中の私もいつの間にか消えている。

 

貴方が居ても居なくても、

私が居ても居なくても。

 

みんながケーキを選ぶために

あの鏡があそこにあるのだ。

 

Fade Out, Fade In, Fade In, Fade Out,

 

Fade Away・・・

 

 

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚ ゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

 

旗 3月10日は休業です。(メール返信も遅れます)

 

LIBRA 公式HPてんびん座

 
雪 ご予約・お問い合わせ先