JR東日本485系700番台「リゾートやまどり」仕様車 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


かつて、JR東日本では団体専用列車(いわゆるジョイフルトレイン)をそれまでの客車列車に代えて電車方式で多数登場させ、電化区間(一部機関車牽引で非電化区間を走る列車も)のあちこちで走っていました。しかし団体需要の縮小のあおりで稼働率が減少し、団体専用列車から臨時列車等の稼働率が高い列車に対応出来る車両へと生まれ変わった編成がいます。
 

系列名は国鉄型車両の名車中の名車「485系」。しかしながらその見た目はクリームと赤のそれではありません。それもそのはず、団体専用列車時代は「やまなみ」と「せせらぎ」という4両編成の和風お座敷列車2本で、車体は新製したものに載せ換えられています。先述の通り団体需要の減少に伴いこれら二つの列車は「和風お座敷列車」としての役割を一旦終えて、「せせらぎ」に「やまなみ」の中間車を編入した6両編成となって改造が行われ、2011年に装いも新たに我々の元へ帰ってきました。ちなみに「やまなみ」の先頭車は盛岡へ転じ、そこで転がっていた同3000番台を挟んで岩手県を中心に走る「ジパング」となっています。あちらも見た目凸凹のキワモノ編成ですが・・。
 

名前は「リゾートやまどり」、「やまどり」とは群馬県の県鳥であるキジ科の鳥のことでございます。高崎車両センターに配置され、群馬県を目的地とする各種臨時列車に充当されています。見た目は新車ですが、走り出すと「ヨンパーゴワールド」全開となります(笑)
 

それでは参りましょう、デッキドアです。ジョイフルトレインらしく窓が楕円形となっています。車体を新造してはいるものの、地方のかさ上げされていない駅に入ることもあるため、オリジナルの485系ほどではないにせよステップが付けられています。
 

くずもの入れです。飲料系とその他で分別されています。表示はやや小さめのピクトグラム兼用のもの、もう少し分かりやすくしてもよい気がします。
 

トイレです。中は洋式、隣には男性小用も並んで配置されています。


洗面台です。鏡は壁を利用した三面鏡、おかげでこんな画像しか撮れませんでした(笑) もう少し自分の工夫が必要ですね…。
 

向かい側にはトイレ待ちの人が待つためなのか1人掛けのベンチが置かれています。比較的冷える北関東を走るためか、横にはヒーターもスタンバイしています(笑)
 

で、微妙なバージョン違いも。なぜかベンチとヒーターの配置が逆になっています。ドア横という配置上、注意換気のため両端が黄色く塗られています。
 

3号車にはバリアフリー対応トイレが設置されています。最近よく見かける円筒形で大型のものですね。
 

連結面が高くなっている場所には市販のステップコーナーが置かれています。
 

授乳室です。普段は施錠されて使えません。
 

車内です。元お座敷電車だけあり、どことなく和風な雰囲気が漂います。
 

デッキとの仕切りです。非定員スペースをデッキと捉えればこちらは出入口が無い側で、仕切り扉はありません。
 

こちらは出入口がある本来のデッキとの仕切りです。こちらには仕切り扉があります。なお一部車両を除いてハイデッキ化されており、段差はスロープとなっています。うっかりこけないようにしましょう。
 

3号車はバリアフリー対応のためハイデッキ化されていません。仕切り扉上にはLED表示機が設置されていますが、終始消えたままでした。
 

天井です。ここがお座敷電車時代の雰囲気が一番残っているところで、中央は光天井となっています。
 

窓です。一列に一枚の大型窓で、日除けはフリーストップ式のロールカーテンです。窓枠下辺はペットボトルが置ける程度に広げられています。
 

座席です。普通席にしてやや大型でセンターアームレストも幅広、ヘッドレストピローまで付いた、殿様商売が性分(爆)のJR東日本としては異例すぎる至れり尽くせりなこの座席。出自は初代成田エクスプレスの 253系 の末期に搭載されていたグリーン席をモケットを貼り換えて移設しています。
 

テーブルはシートバック方式のみ、向かい合わせ利用を想定して窓の柱下に固定テーブルが備わります。フットレストも備わり、跳ね上げ式ながら土足/土足禁止両面を備えています。
 

1人掛け席後ろの席はシートバックテーブルが使用できないことからインアームテーブルが備わります。首都圏-北関東ベースで見ると、首都圏方面ではシートバックテーブルとインアームテーブルの2枚が使える隠れアタリ席となります。しっかし、これはフルリクライニング状態なのですが、上の座席と比べると幾分浅くなっています。設置時の設定ミスなのかメンテの問題なのか・・。
 

向かい側の1人掛けです。
 

足元にはなぜだか気動車のようなヒーターの配管が張り出しています。座席下のヒーターだけでは寒冷な北関東を走る際に耐えられないのでしょうか?
 

全展開の図。座り心地はやや大型の座席に適度な柔らかさ、フルリクライニング時にフットレストを使用するとかなり楽な姿勢となることができ、臨時特急運用はともかく臨時快速運用でこのレベルの座席に普通席で座れるのはかなり乗り得な列車だと思います。高崎線ベースで言えば、普通列車グリーン車よりも安い料金となるわけで・・。
 

一部は通路幅の関係か2人掛け席側にも1人掛けがあります。その区画では背後の通路側席の人が晒し者にならぬように衝立が設置されています。座り心地に関しては普通席としては飛び出てよいんですよ、でもね、これが定期特急列車のグリーンともなれば話が違ってきます。先述の通り普通席比でやや大きいだけ、アームレストに関しては「普通車と何が違うの?」って位の狭さにフットレストは跳ね上げ式・・。極め付けは現在のシートピッチよりも10cmも狭く配置されて堂々のA特急料金+一律2060円のグリーン料金をぼったくるというそれはもうJR東日本の殿様商売っぷりを象徴するようなグリーン車だったそうです。いや、今のN'EXはグリーン車レベルとしてはもっと酷いですが(爆)


車椅子対応の1人掛けです。先程の1人掛けに車椅子固定用のベルトを備えたスタイルです。
 

壁際には個別タイプのテーブルとフットレストが備わります。座席間の席との格差は最小限と言えそうです。
 

車椅子対応座席の手前は車椅子を置くことを想定してかなりだだっ広いスペースが確保されており、握り棒と非常通話装置も備わります。
 

編成には二ヶ所、フリースペースがあります。ちょっと座席に座っているのに飽きた時にはちょうどいいのではないでしょうか。
 

ロングシートタイプのソファです。座面がやや奥行きが深いもので、長居には向きませんね。
 

そしてこちらがもう一ヶ所。
 

モケット色が違うだけでそれ以外は変わりません。ちなみにフリースペースは飲食禁止となっています。
 

最前面の展望スペースです。客室とはガラスのパーテーションで区切られています。
 

天井です。ここはスポット照明となっています。
 

座席はフリースペース同様のソファタイプです。
 

前面展望の様子。前面窓は上部が観光バスのように着色されています。運転台のマスコンは485系そのものでした。
 

連結面側のフリースペースです。どことなくもて余した感じが伝わってきます(^^;;
 

壁に設置された車両設備案内です。ご覧の通り、1両として同じ座席配置をしていません(汗)
 

こちらは2号車のフリースペースです。
 

ここにはスタンプ台が設置されています。旅の記念にいかがでしょう。
 

4号車にはキッズルームがあります。長旅で退屈な思いをする子どもにはちょうどいいのではないでしょうか。
 

手すりにはクッションが巻かれ、当たっても痛くないようにしています。
 

で、この列車一番のミステリーゾーン、2号車です。ここから見ても分かるシートピッチのおかしさ(笑)
 

デッキとの仕切りです。ここの配置も何やら独特です(笑)
 

窓です。ここだけなぜだか日除けがフリーストップ式ではなく爪を引っ掛けるロールカーテンタイプとなっています。そして、この手の列車にしては珍しく手前の窓だけですが開閉可能となっています。
 

座席です。モノ自体は同じく253系グリーン席からの転用ですが、窓配置に合わせて座席を置いた結果国内に並み居るグリーン車も真っ青なシートピッチとなっています。本来なら座席数を増やすべく修行席を生んででも他の号車と同じシートピッチとする所ですが、種席数の関係なんでしょうかね?
 

恐らくシートピッチ(普通席部門)No.1、こんなぶっ飛んだシートピッチのため、シートバックテーブルやフットレストは総撤去、代わりにインアームテーブルが追加されています。
 

1人掛けともなるとこんな感じでポツンと…。プライバシーをぶっ通り越して孤独感すら漂うような気がします(笑)
 

全展開の図。元々グリーン席はフットレスト利用を前提として座面を高くする傾向にあり、この座席も然りです。で、それが無い(使えない)ということは太もも裏の違和感に直結しますよねぇ。気兼ねなくフルリクライニングできる点はある意味評価ポイントとも言えるわけですが、占有面積を優先するか、座り心地を優先するか、どちらを選ぶかはあなた次第です。
 

2号車にはミーティング室「和」と称するフリースペースがあります。壁面には赤城山を描いた化粧板が貼られています。
 

座席はご覧の通り畳となっています。靴を脱いで横になるようなC寝台行為はお止め下さい(笑)
 



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