JR東日本E657系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


常磐線ではこれまで速達型の「スーパーひたち」と停車駅が多い「フレッシュひたち」の2つの特急列車が運転されていましたが、2016年からはこれらの名前をそれぞれ「ひたち」と「ときわ」に改称し、かつての国鉄時代のような形態に変更されました。
 

それに伴い、それぞれの列車に使用されていた651系とE653系を置き換えるべく登場したのが、E657系です。10両固定の基本編成のみの存在で、「ひたち」「ときわ」に限定して運用されます。

 

トップナンバーですね。かつての「ひたち」系統を担ってきた列車が軒並み基本7両、付属4両の11両だった所を10両固定にしてしまっており輸送量的に大丈夫?と思ったのですが、後々その理由がやんわり分かるかと。
 

それでは参りましょう、デッキドアです。デッキの化粧板は暗い木目調で、ドア部分のみ白いものを貼ってメリハリを付けています。またドア上には間接照明を仕込んでいます。
 

最近の車両らしく開閉ランプも備わります。開閉時に点滅する仕様はごくごく標準的なものですね。
 

ゴミ入れです。雑誌、飲料用、その他で分別されています。特に雑誌用というのが東日本独自のものですね。位置も珍しいと思います。
 

トイレです。中は洋式です。
 

男性小用トイレです。スペース最小限を地で行きます。
 

 洗面台です。周りが暗い木目調なので、白い陶器が目立ちますね。照明は間接照明となっています。
 

まずは普通車内です。天井の白、座席の黒。ホワイトバランス大崩壊の図、何とも撮影者泣かせの配色と言えます(苦笑)
 

デッキとの仕切りです。仕切り扉は最近流行の全面ガラス張り、一応激突防止と視線のかち合いを防ぐ為にスリットが入れられています。で、何気に在来線車両の車内では初となるフルカラーLED表示機を装備しています。
 

車端部です。こちらにはドアが無いため、これまでにもよく見ることが出来る仕切り扉となっています。両サイドの化粧板が異なっていますが、どのような効果があるんでしょうね?窓側と通路側の占有面積をやんわり区切ったのでしょうか(それにしては窓側が中々狭いですが…)。
 

天井です。照明はLED灯で半間接照明となっています。どんな自信を持ってそうしたのか分かりませんが、スリットには特にカバーも掛かっていないため、通路側は漏れた光がダイレクトに直撃します。オマケにこんな構造なのに読書灯もないので窓側は夜にもなるとすこぶる暗いです。どっちにしても不満しか残らないこのデザイン、E257系時代から全く進歩していません。これならばまだ反射式の方が良いと言うものです。
 

荷棚下には何やら3色のランプが付いています。これはなんぞやというと、「ひたち」「ときわ」体制となってからまさかの全車指定席化に踏み切っており、満席時の乗車に対する救済処置として「座席未指定券」なるものが出現、この券を持った人に対して座れる席を案内するためのものです。
 

画像の通り、各条件に合わせて点灯します。全席指定に踏み切った理由がE531系の普通列車自由席グリーン車導入によるものと思われます。平日前売り券50kmまでが770円に対して自由席B特急券が同距離で520円と逆転現象が生じており、特急としての面子を保つ為か指定席(スワロー)料金を加えて750円とする事で(いや、これでも追いついてないですが…)料金対サービスの平準化を図ろうと言う物です。気持ちは分かりますが、ただでさえ高い平日普通列車グリーン料金を何とかしようという気にはならなかったんですかね?オマケに座席未指定券は指定席券と同額(!)、同じ料金を払わされてこの仕打ちはなんだと・・。 しかも飛び乗りで特急券を買うと更に高くなります。これは自由席主義の方と指定席主義の方で見解が真っ二つに分かれますが、自由席主義代表として言わせてもらうと、値上げ一辺倒でめんどくさいデメリットしか無いこのシステムに会社の良心を疑います。
 

窓です。2席に1枚は変わりませんが、日除けをフリーストップ式のロールカーテンとしているために間にカーテンレールが入っています。
 

座席です。普通車で黒一発というデザインは中々例を見ません。背ズリの縞模様は、霞ヶ浦のゆったりとしたうねりを表現しているそうな。ハード面から見ると、ここ最近のJR東日本の特急列車らしいアイテムを詰め込んだものと言えます。
 

近年普通車でもヘッドレストピローが設置された車両が多くなったJR東日本、新幹線に採用されてから在来線特急列車にも広がって来た感がありますね。
 

1人掛けの前列は上野・東京方を向いた際にシートバックテーブルが存在しないことから、サイドアームテーブルが装備されています。ただ両側ともに装備されているため、この席はどちらに向いても窓側は二枚使用が可能となっています。
 

もうひとつ特筆すべきは全席にコンセントを装備したこと。デッキ仕切り際だけとか窓側だけとかそんなケチくさい(笑)ことはしない大盤振る舞いというか時代のニーズに合わせたこの設備は、正直(良い意味で)JR東日本らしくなくてちょっとヤダ(苦笑)
 

壁際の席は例のごとくオフィスシート区画です。全席にコンセントが付いてもここだけは引き続きの設定となるようです。どうしても足元が狭くなりがちな最前列へのせめてもの環境格差の是正という側面がありそうです。
 

車椅子対応の1人掛けです。座り心地はやや硬め、E5系程ではないにせよ、一概に人間工学とかいう使い勝手のいい言葉を使って「やすらぎ」という概念を潰しにかかるのはいかがなものかと思います。とは言え出来は悪くないと思いますよ、ヘッドレストピローもいい味出してます。
 

全展開の図。アームレストは一部分のみ跳ね上げ可能です。不可解なのはこの座席の設置位置、1ドア車両の一番奥で、トイレなどのバリアフリー対応サニタリー設備は隣のグリーン車に存在します。幌は一体どうやって通り抜けるんだと…。
 

この座席のコンセントはアームレストの基部に設置されています。跳ね上げ機構の関係でアームレスト先端に取り付け出来なかったんでしょうね。
 

続いてグリーン車をデッキから。ドアは周囲の化粧板を含めて普通車とあまり変わりません。この辺り、グリーン券を持たざる者は立ち入りすらご遠慮のグリーン車としては入口の時点で視覚的に判別可能なようにした方がいいように思います(ちゃちいグリーンマークこそありますが…)。
 

トイレです。普通車の座席定員を増やすためか、バリアフリー対応設備は全てグリーン車に集約されています。先程も書きましたが、普通車の車椅子対応席は隣の6号車にあるわけで、車両の乗り移りはどうするんだと・・。
 

その奥、連結面付近には男性小用トイレがあります。
 

向かい側にはミニギャラリーがあり、広告が入っています。真上のスポット照明もいい味出しています。あとはその奥の隅の処理。鏡面風仕上げになっています。何気に凝ってますね。
 

続いてドアを挟んだ車内の方を見てみましょう。ここにも様々な設備を集約しており、元々の化粧板色の濃さもあってかなり暗いです。ここまでやるとさすがにグリーン券を持たない者は少し立ち入りにくい感じがありますので、狙い通りっちゃ狙い通り?
 

多目的室です。やはり普段は閉鎖されています。
 

グリーン車内です。ええ、「普通車と何が違うんだ!」とモノを投げられても不思議ではありません。落ち着いて下さい、こんなんでも一応グリーン車らしいので・・。
 

デッキとの仕切りです。最近のJR東日本のアッパーグレード車両は窓を設けずに小さなグリーンマークの貼り付けとすることが主流となっています。
 

天井です。普通車と何が違うかと言えば、LED灯の光が暖色になったこと、荷棚下の空席ランプが無いくらい。ケチ臭いったら無いんですからせめて読書灯くらい付けようや。みよ、この夜間撮影時の窓側の暗さ…。
 

で、なぜか設置された空調吹き出し口。体調に合わせて調整出来るのは確かにいいかもしれませんが…。
 

座席です。1席を除いて一般座席は全て2人掛け、座席定員確保(による増収)に全力で比重を振りにかかった、グリーン車にしてプライバシー性もへったくれもない仕様となってしまいました。
 

一応サイドの張り出しを多少つけていますが、651系のグリーン車と比べるとそれはもう比べる方がいくら何でも失礼と言うもの、「プライバシー」という言葉をどこに置いてきちゃったのかな?と言った具合。座り心地はそこまで悪くはありません、普通車と比べるとやんわり柔らかい気がします。気になるのは座面で、背ズリ側の方が柔らかく、先端部分がやや硬めとなっています。意図としてはフルリクライニングでフットレスト利用を想定していると思うのです、が・・。
 

で、肝心のフットレスト。もうね、「グリーンにして今更のT字型バーレストかよ」と・・。海外では靴を脱ぐと言う習慣が無い(むしろ全裸と同義である)ので一等車であってもこれが当たり前ですが、日本という国にして上座でこれは酷過ぎます。場所によっちゃ普通車にでもこんくらい付いてるとこもあるぞ、という気持ちです。
 

普通車同様、サイドアームレスト先端にはコンセントが備わります。センターアームレストも小ぶり、サイドアームレストなんて「普通車と何が違うの?」と言わんばかりです。で、こんなサイドアームレストしか作れないのは横4列で多少広げたグリーン席と通路幅とを兼ね合わせるためでして、「座席窓側に寄せ過ぎ」問題にも直結します。窓側のサイドアームレストなんて使い物になんのか?ならんよね?(反語的表現)


1人掛け背後はインアームテーブルが備わります。画像では片側しか出していませんが、1人掛けにはシートバックテーブルが無いので窓側にも備わっています。で、これをどう出すのかと言うと、グリーン車にして「1枚もののセンターアームレストの蓋」を開いて引き出すこととなります。え、両側が他人同士だったらどうすんの?(笑)
 

2人分のみ存在する1人掛けです。片側はこのように車椅子対応となっており、とあるタイミングまでは発券ブロックが掛けられているようです。
 

おなじみ全展開の図。ここもオフィスシートとなっています。
 

やはりコンセントは基部に設置されています。
 

座席モケットは偕楽園の梅をイメージしたものとなっています。
 
ここ最近登場したJR東日本特急用車両の普通車のハード面レベル向上には目を見張るものがあるのは事実ですが、ソフト面とも言える料金体系やグリーン車レベルの急激な墜落には「残念」の二文字しか出て来ません。何だか、「エクストラチャージを払わない乗客は貨物同然とでも思ってんのか?」と言える酷さです。出したところで「こんなもんか」と言った失望感が輪を掛けるため、私の書き方が自分でも「問題作」と思うほどカラくなるところでもあります。「運べばいい」って問題でもなかろうに・・。

 
 
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