2004年に部分開業してからはや15年以上が経過している九州新幹線。JR九州が保有する新幹線が800系となっています。これまで百の位が偶数の系列は現在のJR東日本系統で使用されると決まっていましたが、Eシリーズに移行したためか偶数が当てられています。まぁ、こうしないとナンバー不足が起こるので致し方無かったのだとは思いますが…。
やっぱりJR九州ということでロゴ多め、誰がこうしたかは明らかですね。運用は九州新幹線内のみの運用で、各駅停車タイプの「つばめ」を中心に、線内完結の「さくら」にも使用されます。
それではデッキから参りましょう、ドアです。赤い塗りドアは九州ではお馴染みです。ロゴや号車番号が描かれているのも九州らしいですね。
バリアフリー対応車両のドアです。幅が広くなっています。しかし、化粧板が黒になっているので非常に暗いですね…。
くず入れも備わります。飲料系とそれ以外で分別されています。
中には飲料系が無かったり‥。
据え置きのゴミ箱が備わる車両もあります。新幹線車両で据え置き式というのは珍しいですね。
トイレです。700系をベースとしているため、空気口があります。
洗面台です。二ヶ所設置されており、目隠しとして沿線名産のい草で作られた暖簾が設置されています。メンテに(悪い意味で)定評のあるJR九州、15年経ってもなんとか維持はしているようです。
バリアフリー対応トイレです。この頃はまだ円筒形になる前の時代なんですね。
そして洗面台です。こちらは一ヶ所の設置です。
中を覗いてみました。蛇口は自動式、鏡はJR西日本っぽい照明を仕込んだもので、その鏡の下には液体石鹸が備えられています。
多目的室です。お決まりですが、普段は施錠されています。
自動販売機です。広告枠には当時の社長直筆のつばめのロゴが入っています。元々外側に入っていたのですが、「さくら」にも運用されるようになってからイラストに変更され、ここに移ってきたようですね。
公衆電話スペースです。700系では個室として区切られていますが、こちらは暖簾となっています。騒音を考えるとドアにして区切ってしまった方がいいと思うのですが…。
中はこの通り。テレホンカード発券機も設置されています。
車内です。デザイン性(だけ)は他のJRとは一線を画すJR九州、実用性一点張りなことが多い新幹線の中で意匠にもこだわっています。全車普通車のモノクラスでグリーン車はありません。
デッキ仕切りです。木目調となっており、仕切り扉の窓は小さく不透明です。
天井です。700系同様カバーのかかっただけの直接照明ですが、蛍光灯の色は暖色系を強くしたものになっています。中央にはLED表示機が設置されていますね。元々はなかったようですが、後述の1000番台投入を機に増設されたようです。
窓です。日除けはフリーストップ式の簾となっています。
さて、ここからは怒濤の座席ゾーンへと参りましょう。
座席は利用実態と快適性を考慮して2+2の4列配置となっています。まずは赤系のモケットから。目にも鮮やかな色調に唐草模様が美しいですね。
こちらは青系の座席です。この席は肘掛部分の木も暗い色調となっていることから、落ち着きのある雰囲気を楽しみたい方にはいいかもしれません。付帯設備はインアームテーブルのみ、そのインアームテーブルも面積が狭い上に弧状をしているため使い勝手が良いとは言えません。
こちらは緑系の座席です。雰囲気としては上の2枚の中間を取ったようなものですね。肝心の座り心地ですが、個人的には新幹線車両でも中々のひどさです。見た目からして薄いクッションは座っても(悪い意味で)期待を裏切らない底付き感、オマケにその座面も角度が付いていないためにリクライニングすると体が前に滑っていきます。そして背ズリ。肩に当たる部分(画像でいえばヘッドレスト直下のクッション)が他の部分と同じ張り出し量となっているため、背中のカーブに合わないばっかりに前に押し出されるような感覚を持ちます。デフォルト状態でもリクライニング状態でも何かしら不満点が残るこの座席、さすがに苦情が出たのかどうかは分かりませんが1000番台ではちょっとした改良が施されています。
脚台には足掛けのためと思われるバーが横渡しされています。JR西日本の特急型車両ではよく見られるものですが、新幹線ではあまり例が有りません。バーレストの代わりとして、ちょっとのっけておくことで姿勢を変えられるので、個人的にあればうれしい隠れ機能です。
車椅子対応の1人掛けです。テーブルの関係か、2人掛けの通路側を取っ払ったような感じです。
全展開の図。脚台には固定用のベルトも備わります。
デッキ仕切り際は固定式のテーブルが備わります。その下にはコンセントも設置されています。車椅子対応座席には右下にも設置されていますが、こちらはあくまで清掃用とのこと。
九州新幹線が鹿児島まで到達し、運用が増えたためか後に増備編成が登場しています。
1000番台を名乗り、デザインも少し変更されています。ライトカバーが立体的になり、赤いラインも垂直ループを描いています。遊び心に溢れていますね。
洗面台です。ここは大人しく収まっていますね。そう言えば、液体石鹸が消えてる‥。
車内です。1000番台では内装に関してもマイナーチェンジが行われています。
こちらは革張りの車両です。何となく885系のソニック編成を思わせますね。
乗務員室仕切りです。仕切り扉は幅がとても狭いですね。周りの額縁は縁取りが金色になっています。
こちらは別バージョンです。
1000番台で大きく波紋を呼んだのがこのデッキ仕切り。なんと金箔が貼られています。やはりドーンデザイン研究所は侮れません。というか、最前列に座ったら落ち着きません(^^;;
壁には同じく金箔が貼られた立体的な飾りが設置されています。
そしてこちらは全面金箔張りです。ちなみに、金箔の上からはコーティングが施されています。引っ掻いたりしてはイケません。
座席へと参りましょうか。まずは革張りの座席から。
レザー張り等の場合ひどく安っぽく見えてしまうものですが、885系で本革を使用した実績とノウハウを持っているのである程度の高級感を持っていると言えるでしょう。ただ革張りの座席は人によって好みが分かれるのもまた事実です。
こちらは通常のモケットです。市松模様になっていますね。座り心地ですが、肩部分の張り出しが幾分抑え目になっており、改善が図られています。しかしながら悪い前例をベースにしていると、多少の改善では中々プラスの方向へ持っていくのは難しいのもまた事実。座面の底付き感は残念ながら変わっていません。乗車時間が長くないのがせめてもの救いでしょうか。
通常モケットその2。今更ながら、フレームの各所に木が使用されています。肘掛け部分もカーブを描くようにしてうまく加工していますが、通路側とを仕切るため程度の機能性に近いように思います。
通常モケットその3。こちらはかなり派手ですね。そう言えば、長崎新幹線ではN700Sの導入が決定していますが、指定席はこれがベースになるっぽいですね。自由席は既に走っている5列シートをちょちょいとデザイン変更する感じなので、実用性か見た目か、それぞれの設計思想を両方比べられる面白い車両になりそうです。イメージを見ただけで、5列シートなのを除けば自由席の方が圧倒的にいいとは思いますが(笑)
ラスト、単色のモケットです。肌触りもそれぞれで異なっています。色も含めて、お好みにあわせてどうぞ。
珍しく床面を見てみましょう。窓側と通路側で正反対の色を使い占有面積を明確にしています。よく見てみると、本来座席の中央である部分より通路側に境界線が引かれています。占有面積を見るとどうしても通路側より狭くなってしまう窓側、少しでも広く取ろうとこのようにしたのだと思います。脚台には横方向にバーのようなものが付いており、足をかけられるようになっています。JR西日本の在来線普通席でも見られるものですね。
0番台では窓下のテーブルはプラスチック製でしたが、1000番台ではドリンクホルダー付きの木製となっています。
車椅子対応の1人掛けです。
横からご覧いただきましょう。デッキ仕切り際のテーブルは二人分の広さとなっています。
そして全展開の図。
柄違いもあります。
最後に固定テーブルをアップで。コンセントも引き続き設置されています。
さて、近年は大型荷物の持ち込みが増えていることから、2名分の座席を撤去し荷物置き場が新設されています。この辺り、どこぞの16両編成みたいに最後列を荷物置き場にしてお茶を濁すより柔軟的だなぁ、と。・・あと荷物置き場に面した化粧板、地味に違う色のものに貼り替えてますね。
荷物置き場は二段式、滑り出し防止のためベルトも備えられています。
また監視カメラとWi-Fiも追加されました。確実に進化してますね。
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