東急5000系 | 車内観察日記

車内観察日記

鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。



東急の2大幹線の片翼を担う田園都市線で活躍する5000系です。ほぼ同じ仕様の5050系は東横線用車両となっています。田園都市線内だけでなく、直通先の東京メトロ半蔵門線、その先の東武スカイツリーラインにも顔を出し、埼玉県の久喜や南栗橋まで運転されます。まぁ何とも果てしないこと・・。


関西に住んでいても、田園都市線といえば「混雑」の2文字が初めに浮かんでしまいます。この系列では、一部編成に6ドア車を組み込んでおり、10両編成中3両が6ドア車となっています。何とも恐ろしい・・。ちなみにこの6ドア車には方向幕などはありません。恐らく車体強度の問題だと思われますが、今時大手私鉄の新造車両で、側面方向幕が無いのはここくらいじゃないでしょうか。


車内です。・・うん、5050系と比べると遥かにカラーコードはしっかりしていると思います。それにしたってこれはすごく・・ 「碧い」・・。


車端部です。仕切り扉は一部車両のみの設置、あくまで風の通り抜けを防止するためのものですね。この隣の車両にも仕切り扉、ありませんし。その仕切り扉は窓が大きいものの、化粧板は貼られていません。なお、画像は優先座席を有する車端部。携帯電話の電源オフを知らせるステッカーが貼られています。青一色の車内でこれは目立ちます。


最前面です。窓はまずまずの大きさです。一見かなり古典的で遊び心に欠けていますが、それもまた会社のカラーといえばカラーです。


天井です。照明は蛍光灯タイプのLED灯となっています。荷棚はこの時代の車両にしては古臭ささえ感じる網棚となっています。吊革は五角形タイプ、枕木方向にも設置されているところに、ラッシュ時の混雑具合を図り知ることができます。


窓です。相変わらずの日除け省略、着色窓で済ませているお手抜き仕様です。


座席です。やはりと言うか何と言うか、209系に端を発するこの座席です。しかもこの時期に導入された車両故、タチが悪いほどに「硬い」。ある程度の短距離ならまだしも、東武伊勢崎線なんかで端から直通すると、フツーに1時間越えですよ? これは酷い・・。最初期に導入された車両に関しては、背ズリの張り出しが抑え目になっており、東急車輛標準車体になる前の座席のシルエットが若干残っており驚きました。それだけでも座り心地が全然違ってくるだけに、やはりこの手の座席のダメなところは「背ズリ」にあるかと。


そして初期車から少し経って増備された編成の座席です。この辺りから背ズリがJRと同じ傾斜となっています。座り心地は安定の大破綻っぷり、短いくせに無駄に傾斜が付いた背ズリに通路側へ斜めにすら感じる板のような座面。気の遠くなるような直通運用がゴロゴロしているだけに、どうしてこんな座席でGOサインが出るのか甚だ疑問です。もはや悪意としかいい様がありません。


車椅子スペースです。付帯設備は握り棒、非常通話装置、ヒーターとなっています。冬季は冷え込む両端路線ではかなり重宝しそうです。


続いて6ドア車の車内です。短い間隔で並ぶドア、小さな窓、スタンションポールと、現状、関西では見ることが出来ないパーツがこれでもかと言うほど揃っています。


ドアです。化粧板は貼られていません。ドア上にはLCDディスプレイ、「TOQビジョン」が設置されています。右側で運行案内、左側で宣伝を行っていますが、宣伝画面の放送数が少ないようで、すぐに一周してしまいます。長時間乗車する場合では、ちょっと退屈してしまいそうですね。


車端部・・と言いたい所ですが、ドアが多いので手前の優先座席も入れてみました(笑) 車端部には座席が無いことから、ドアを挟んで向かい合う座席を優先座席としています。無論、朝ラッシュ時の着席可能確率は「0%」となるわけで・・。その場合でも、携帯電話はオフなのでしょうか?


天井です。ラッシュに耐えうるよう、つり革がたくさんぶら下がっています。蛍光灯は剥ぎ出し、一部が抜き去られています。ラインデリアは途切れていますが、数は多く設置されています。


そして現在の天井です。照明が蛍光灯タイプのLED灯に交換され、ソケットも全て埋まっています。荷棚は立ち席を考慮して少し高い位置に設置されています。


窓です。両側を戸袋窓にしてしまったものですから、やたら小さくなってしまっています(^^;;


座席です。折り畳み座席となっており、朝のラッシュ時には跳ね上げて固定されています。一応、お世辞程度ですが肘掛もありますね。実用性の無さにはあえてケチは付けません、折り畳み座席のスペースの制約上仕方ないでしょう。座り心地としては、やはり折り畳み座席だから・・と思うこと無かれ、正直、4ドア車よりも断然快適です。背ズリはナナメ一直線なのはやむをえないとして、座面に関しては薄くバケットがつけられているだけで、強制で座らされている感じはありません。元の座席数が少ないこと、スタンションポールや数の多いドアやつり革などに眼をつぶれば、狙って座る価値は十分にあると思います。


なお、解除時間帯でも、このように跳ね上げることが出来ます。わざわざ跳ね上げる意味が分かりませんが(^^;;


後に増備された車両では、ドアに化粧板が貼られています。


車端部もこの通り。しかし青いですねぇ・・。この上部のパーツ共々、何かに似ているなぁと考えていて、思い出しました、「男子トイレ」です(爆)


6ドア車についても掴まりやすいようにするためか、スタンションポールに巻いているゴムをねじらせています。


さて、昨今の鉄道業界ではホームからの転落事故対策に腐心する傾向が見られますが、東急もその流れに乗る形となっているようです。混雑著しい田都への切り札として登場した6扉車を4扉車へ差し替え、ホームドア設置に備えています。そんな6扉車置き換え用に登場した4扉車ですが、車内が何やら興味深いことになっています。


というわけで車内です。青で溢れていた従来車から一変、木目の材質や緑色のモケットなどで温かみを感じる印象にしています。


ドアです。化粧板仕上げなのは最近のJ-TREC製車両ではお馴染みです。右側は車端部側ですが、少しだけ立ち席スペースが設けられています。


車端部です。仕切り扉は大型の窓をはめ込んだ幅広タイプ、化粧板は木目調となっています。


天井です。登場当初から照明は蛍光灯タイプのLED灯です。J-TRECが開発した新仕様の「SUSTINA」らしく、縦方向のパイプと握り棒を兼ねた横方向のパイプは両側で「門」の字になるようにして繋がっています。荷棚は穴を開けた板状になっています。


窓です。後述する座席の背ズリが侵食していますが、日除けも省略して着色ガラスでハイ、おしまいなので別に関係ないですねぇ。


いよいよ座席です。Hikarie号で初登場したこの形状の座席、特別な車両だからかと思いきやどうやら本格採用となったようです。更に戸袋付近の座席に関してはレザー調のヘッドレストも設置されました。何やら、遠く九州で走る白缶じみて来ましたね(笑) この車両では袖仕切りがフルモデルチェンジしており、どちらかと言えば日立のA-Trainのようなものになっています。


車端部は3人掛けです。ヘッドレストはドア側の1席のみに設置されています。座り心地ですが、東急のロングシートの中ではそれなりに良い線をいくようになったと思います。やればできるじゃん、と。いままでが酷過ぎたというのもありますが・・。ヘッドレスト席については、厚さと背ズリの傾斜が微妙に合っていないのが残念です。他の席との兼ね合いもありますし、なんせあの混雑具合で通路の面積を狭めるとえらいこっちゃとなるのでどうしようも無かったんでしょうね。消火器もポイントのひとつ、従来は車内側に張り出していたものがフラットになりました。蓋は相変わらずステンレスなのがアレですね・・木目調にすればよかったのに・・。


フリースペースです。青いマークだけでなく、床面にも二つのピクトグラムがデザインされています。付帯設備は非常通話装置とヒーター、握り棒となっています。握り棒は二段構成、下段は少し張り出している上にラバーも巻かれているので、立ち席時にもたれてもあまり痛くは有りません。快適に「立ちたい」のであればここを陣取るのも悪くありません。そうそう、床面にも木目のラインが入っています。フットラインを引くことで、脚の投げ出しを視覚的に抑えるためなんでしょうね。