2015年まで、日本で最長距離を走行した旅客列車が、このトワイライトエクスプレスです。札幌-大阪間を下り札幌行きは1495.7kmを約22時間、上り大阪行きは1508.5kmを約22時間50分かけて走行します。大阪-青森間は専用塗装に塗られたEF81(通称トワ釜)が牽引します。上り列車では敦賀駅でEF81同士の機関車交換が見られます。
札幌-五稜郭間は、夜行列車専用塗装を纏うDD51形機関車が重連で牽引します。
客車も夜行列車のイメージカラーであるブルーから、高級感をかもし出すダークグリーンに白縁の入ったイエローの帯が入ったものになり、欧州の豪華寝台列車、オリエントエクスプレスを思わせる配色になっています。なお、トワイライトエクスプレスは、客車の老朽化という名目の元廃止されます。客車自体は、全検が切れるまでの間、クルーズトレインとして西日本各地を走り回る予定です。かつてJR九州管内にも乗り入れたことが有りましたね。
編成数の関係から、毎日運転されない臨時列車となっていました。全部で3編成存在し、今回乗車したのは第3編成です。最長距離を走る列車の車内観察、3~9号車のみですが、記事の長さもそれなりになりそうです。根気のある方、どうぞ最後までお楽しみください。
さて、それでは参りましょう、まずは8号車と9号車、Bコンパートです。外の表示に関しても、国鉄時代のような「B寝台」と言った表記から、トワイライト専用のデザインになっています。
車体中央には、トワイライトエクスプレスのエンブレムをデザインしたステッカーが貼られています。
デッキです。低床ホームにも対応するためステップ付きとなっています。注意喚起のための電灯も備えられてあります。
そして、床にはエンブレム入りの絨毯が敷かれています。んーこれはすごい・・。
ドアです。従前の24系客車は化粧板が貼られていないドアですが、そこはさすがトワイライト、木目の化粧板を貼り付けています。
ゴミ入れもしっかりスタンバイ。
デッキから入りまして、通路へは1枚ドアを開けることになります。このドアが少し重くてお子様には辛いと思いますが、静粛性が重要な寝台客車、騒音の低減を図っています。
各寝台向かいの窓の下には、ジャンプシートが設置されています。ちょっと外の風景を見たいときなどは、このような装備が嬉しいです。
9号車は喫煙車となっているため、灰皿もあります。また柱部分にはカーブ通過時の通行を考慮して手すりもあります。この手すりは木目となっていて、握ったときの冷たさを和らげています。
寝台です。4人1組の2段寝台となっています。(※当時点での空き部屋で撮影)
窓側には上段寝台へ上がるための梯子があります。最初は寝台全景画像のように折りたたんだ状態でセットされていて、両側のつまみを左右に引くことにより梯子が出てきます。
梯子の奥にはテーブルがあり、パンフレットやビニール袋が置いてあります。
天井です。スピーカーとともに、丸形の照明があります。この辺りは種車のままですね。
下段寝台です。座席としては片側3人掛けとなっています。背ズリにはリネンもかかっています。ここもあまり手を加えられていません。
上段寝台です。
上段寝台には転落防止用のロープが2本下がっています。またシーツや掛け布団、枕、ハンガーなどは上段と下段二組分がセットされています。これはそれぞれ就寝時に各自でセットする形となります。
上下段とも、寝台灯、非常ボタン、BGM装置が付いています。寝台灯は点灯、減光、消灯のボタンがあります。BGM装置はイヤホンが必要です。持参の他に、食堂車でイヤホンを購入することもできます。
2両それぞれ1ヵ所の寝台は、583系を彷彿とさせる3段式となっています。ただし、この区画は食堂車従業員の控え室となっているため、一般販売されることはありません。
またコンパート席ですので、ベランダのサッシのような仕切りも付いているため、簡易個室にすることも出来ます。ただし、そこはあくまでサッシ。大声で騒いだりすると声がほぼ筒抜けとなります。できるだけお静かに。
続いてB個室へと参ります。2等車と言えどもそこは個室、需要もBコンパートに比べて多いために競争率もそれなりで、チケットの入手も難しいです。僕も最初はBコンパートを押さえてもらい、後に偶然空きが出たようで押さえてもらった次第。
こちらもデッキから一つドアを越えて入る形になります。窓は飴色をしており、寝台列車では割とよく見かける窓色でもあります。
通路です。まず紹介するのはB個室の「ツイン」。名前の通り、2人用の個室となっています。Bコンパート同様、床には絨毯が敷かれ、通り抜け時の足音を軽減する工夫がされています。
通路の窓には日よけもあります。おやすみの時間になると、車掌さんがひとつひとつ降ろしていきます。
個室内です。さすが2人用とあり、かなりの広さがあります。窓も2段となっています。(※当時点での空き部屋で撮影)
ソファです。就寝時にはこのソファを寝台にすることになります。寝台転換については後ほど。
上段寝台です。Bコンパートと同じく、転落防止用のロープが2本渡されていて、シーツ、掛け布団、枕、ハンガーが2組分セットされています。こちらも各自でセットすることになります。
寝台の昇降装置です。上の上段寝台では、転落防止ロープが弛んでいるのが分るかと思います。就寝時はこのボタンを操作して、寝台を下降させて使用します。
こちらも寝台灯・非常ボタン、BGM装置が備えられてあります。奥の窪みは荷物置き場です。リュック程度であれば入れておくことが出来ます。
窓の下にはテーブル、コンセントがあります。個室に関しては、ゴミ箱も用意されています。
側壁には鏡、その下にタオルなどをかけるためのバー、フックが2つ分かかっています。
続いては、今回僕が乗車した1人用B個室「シングルツイン」です。6号車のオハネ25 526です。シングルツインとは珍妙な名前ですが、補助ベッドを使用すれば2人使用も出来る、という意味だそうです。
デッキを抜けると洗面台があります。3面鏡と目隠し用のカーテンが設置してあり、湯水両方が出るようになっています。また、寝台列車とあり洗面台は2箇所あります。
向かいにあるトイレです。こちらも2箇所の設置で、片方が国鉄時代のままの和式、もう片方が洋式に改造されています。
7号車の車端部にはミニサロンがあります。緑のソファとテーブルが置いてあります。
壁には、かつて公衆電話が鎮座していたと思われる空きスペースが。
シングルツインの通路です。Bコンパートやツインと違い、両側に部屋が配置されているため、かつてのプルマンタイプのA寝台のように、通路は中央にあります。
お部屋は12番個室。道内では噴火湾側、本州では山側のお部屋です。
鍵はカード式となっていて、検札と同時にカードが渡されます。鍵の開閉の仕方は、「12」と書かれた緑のボタンを押し、カードを矢印の向きに合わせて素早く下に引き、ボタンが点滅すれば開閉できます。
個室内です。さすがに両側配置とあってかなり狭いです。1人利用が前提となっているため、1人旅では十分なスペースですが、2人では少し狭くて厳しいかも。
ドア横には鏡とフック2つ、空調の開閉レバーがあります。鏡はJRマークが入った専用のものです。
窓です。種車そのままで残されています。日よけはオシャレな横引きカーテンです。
上段ベッドに上がる梯子です。Bコンパートと違いこのまま設置されています。
室内奥の壁には寝台灯・暖房・BGM装置の操作パネルがまとめられて設置されています。右側には寝台のセットの操作説明、その下には非常ボタンがあります。
奥の座席横にはミニテーブル・ゴミ箱、壁にはコンセントがあります。
ドア側のソファです。出入りの幅を確保するため、奥側のソファよりも幅が狭くなっています。
喫煙席では肘掛に灰皿があります。非喫煙者にはどうでもいいですが(^^;;
中央には収納式のテーブルがセットされており、パンフレットやビニール袋が置いてあります。
さて、それでは、壁面の操作説明に従って、ソファを寝台にセットしてみましょう。これはツインでも同じ操作方法です。
1、まず、中央のテーブルを収納する。テーブルはこのバーで支えられているので、これをどかせてから収納しましょう。ちなみに、このテーブルは寝台転換時には使用できません。ミニテーブルを使いましょう。
2、ソファの座面を持ち上げ、背ズリを水平にする。座面はそのまま倒れるので、カチッという音がするまで倒す。音がなった場所で反転すると、座面が元に戻ります。
4、展開完了。
上段にあるシーツ、掛け布団、枕をセットしてベッド完成。 このようにして寝台をセットします。座席に戻すときはこの手順の逆を行います。
ここまでは5~9号車までを見てきました。
JR西日本24系客車「Twilight Express」(3、4号車)1~2号車の観察は結局叶いそうにありません・・。