・読み終わった日:2013年7月5日
・人物:「僕」、耳の彼女、、黒服男、羊博士、羊男、鼠、ジェイ
・ストーリー:
第8章:
1、僕は列車の中で羊博士の牧場のある町に関する本を読んだ。
本によると牧場の開拓は明治13年で18名で彼らは津軽の小作農だった。
アイヌの青年にいい場所を紹介してもらったが納得せず結局奥地へ行く。
それは彼らがみんな借金を踏み倒したりしていたので人目につかない場所が良かったためだった。
そして理由は分からないがアイヌの青年は一緒に開拓を手伝う。
しかしその後は不作続きだったが6年目になりやっと活気を見せ人口も増え牧草地に適していることがわかり緬羊工場が作られそのために羊が連れてこられた。
2、僕たちは目的地に向かう途中の駅に止まったがそこは淋しいところだった。
そして良い旅館を紹介してもらい行く。
旅館の人に牧場のことを聞くと今は夏にだけ貸している状態で羊を放牧している人は一人だけだと言う。
そして僕はその男に会わせてもらうことになり車で送ってもらう。
牧場に着くと人影はなく牧舎に入ると羊は200頭いた。
そして管理人小屋に管理人がいたが男はこの仕事を10年続けていると言い僕は例の写真を見せたがその男は間違えないという。
そして実は管理人はこの別荘の持ち主に雇われこの仕事をしていることが分かる。
最近その雇い主が来たのは3月で男の特徴を聞くと写真で確認するまでもなかった。
3、帰りの山道で僕はやっと鼠の父親が北海道に別荘を持っていたことを思い出した。
ホテルに戻ってくると僕は彼女にその日の様子を話した。
僕はその後ベットに入ったがなかなか寝付けなかった。
闇の中に羊がいたが2時になると羊が消えたので僕は眠ることができた。
4、翌朝管理人がジープで迎えに来てくれた。
管理人の話だと雇い主のところに電話氏が通じず今までそんなことはなかったと言う。
そして僕と彼女は管理人に羊の習性を教えてもらう。
ジープで途中まで行ったが土がぬかるんでいたため途中から僕と彼女だけで行くことになる。
登っていくと突然目の前に広い草原が広がっていた。
そして例の写真の写っている山が見え家があったが人気はなかった。
僕は管理人に教えられた郵便ボックスの下にある家の鍵をを見つけ中に入った。
中には誰もいなく彼女が台所へ行くと一冬越えられるだけの食材と燃料があると言う。
2階に上がると服を見ると見覚えのある服があった。
僕は彼女に鼠が戻ってくるまでここにいると言った。
僕の疲れている様子を見た彼女が夕食を作るから休んでいてというので僕は寝た。
5、6時になったとき目を覚ましたが彼女の煙草の吸い殻を見たときこの家に彼女がいないと分かった。
妻がアパートを出て行ったときと同じ空気だったし書置きもなかった。
一人で食事をしながら僕は彼女が帰ってくるだろうか考えた。
それからベットで鼠と彼女のことを考えながら寝た。
6、朝起きて食事をすると家の中が綺麗に掃除されていることに気付き外に出ると車があった。
そして2時に羊男が現れた。
7、ノックが聞こえたのでドアを開けると羊男が立っていた。
150センチくらいで猫背で足が曲がっていてソファーに座ったが彼はすっぽり羊の皮を被っていた。
腕と足は継ぎ足しででフードは作り物で角は本物だった。
羊男は実はずっと我々を見ていたと言い女が出て行ったのではなく悩んでいたので追い返してやったと言う。
羊男は僕は自分のことしか考えていないので女は混乱しているし二度と会えないという。
僕は探しものを説明したが知らん振りしていても知っていると感じた。
羊男はまた来ると言って帰る。
ソファーに羊男の毛が付着していたがそれは車の座席にあったものと同じだった。
僕は食事をしながら彼女を永遠に失ったことの重みを感じここにジェイがいたら上手く解決できたのにと思った。
8、それから3日間何もなかった。
僕はこれほど一人ぼっちを感じたことはなかった。
相棒は事業を上手くやっているかと考えたが、どのみちそうなる時期だった。
その後「パンの焼き方」という本を読んでいたらしおり代わりの新聞紙の切れ端を見つけたがそれは僕が鼠に向けた広告の記事であり鼠は僕のことを知っていたと分かる。
翌朝僕は散歩をすると道に迷ってしまったが橋の脇に羊男が座っていた。
僕は友達のことを話してくれというが口止めされていると言いこの土地は普通じゃないと言う。
僕は何故ここに住んでいるのかと聞くと羊男は戦争に行きたくなかったから羊のままでいると言う。僕は改めて友達に会いたいというが羊男は曖昧な返事をして消えていった。
9日目に家にあった本の「亜細亜主義の系譜」というところを読むがそこにメモ用紙があり亜細亜主義の名前がありそこに羊博士の名前をみつけ僕は呆然とした。
何故もっと早く気付かなかったのか黒服男も知っていたはずなのに何故教えてくれなかったのかと感じる。
すると腹が立ってきて帰りたいが帰れないのでウィスキーを飲みまくった。
9、12日目に羊男が来たが関係ない話をしたあと羊男は友達に伝えられなかったと言う。
僕は今とても腹を立ていると言い持っていたギターを投げつけると羊男は飛び上がって驚く。
僕は冷蔵庫に行きビールを取りに行くが壁にある鏡を見ると居間にいるはずの羊男がいなく振り向くと羊男がいた。
僕は羊男に今夜10時に友達は来るし明日引き上げると伝えてくれと言った。
羊男が帰ったあと僕は寝たが嫌な夢を見た。
10、夜の8時に目を覚ましたが10時になると鼠が話していいかというので僕はいいよ、と言う。
11、僕は鼠に今回の件はもの凄く怒っていると言った。
暗闇の中になれたように動くが鼠は暗闇でないとだめだと言い説明が始まる。
鼠の父がこの土地を買ったが羊博士は戻りたがらなかった。
そして鼠一家は夏になるとよくここに来たが鼠の人生で一番まともなときだったと言う。
しかしその後家族はそれぞれの理由でここに来なくなった。
そしてあるとき鼠が一人できたが淋しくはなかったと言う。
それは、いるかホテルで偶然写真を見て、そして羊博士が背中に星のしるしがついた夢を聞かされ急にここで冬を越したくなりここにきて羊に会ったと言う。
そしてその後のことを話すのは辛いが君から質問してくれと言うので僕は鼠に「もう死んでいるだろう?」と質問すると長い沈黙のあと「俺は死んだよ」と答える。
12、鼠は1週間前台所で首を吊って羊男がガレージの横に埋めたと言う。
死ぬ直前に時計のねじを巻いたと言いもしもっと早く来てくれても結局死んでいたと言う。
死んだ理由は初めはなかなか言いたがらなかったが簡単に言うと羊を飲み込んだまま死ぬためだと言い少し遅かったら羊は鼠を支配していた言う。
最後に僕と向き合うことで救われると思い暗号のようなものを送ったのだと言う。
今回のキーポイントは弱さだと言いこれ以上自分が堕ちていくのを他人に見せたくなかったしだからあの街を出ていったと言う。
羊は鼠に全てを求め羊から逃げられなかったと言う。
そして鼠は僕にあと一つしてくれたら羊を葬り去れると言う。
羊博士は羊に支配され巨大機構を作り上げようとして用が無くなったから彼から出て行ったのであるから彼は羊に関し思想はゼロだという。
僕は鼠に何故受け入れなかったのかと聞くとそれは分からないが僕に対し早くここから降りたほうがいいという。
僕はジェイがよろしくと言っているよと言うと鼠も同じことを言う。
そして僕が彼女に会ったこと、そして鼠との関係が終わったのかを知りたがっていたと言うと鼠は終わった、と言う。
僕は羊男は君だろうと言うと彼は羊男の体を借りたと言い僕はそのことを途中から気づいたと言う。
鼠は耳の彼女は引き込むべきではなかったのでここに来たときは驚いたと言う。
鼠は自分はもう消えるので耳の彼女が君をひきつけることはないだろうと言う。
鼠は僕にまた会おうと言って出て行き僕は毛布に包まり眼を閉じて耳を澄ましいたら沈黙だけが残った。
13、しばらくして悪寒がしていろいろな人が僕に話しかけてきた。
羊男、元妻、ガールフレンド、運転手、鯨のペニスなど。
14、翌朝僕は山を降りるため荷物をまとめ草原の中を抜け、降りるとジープとあの黒服の秘書が立っていた。
15、黒服の男は先生は1週間前に亡くなり東京では後継者選びで大騒ぎで僕の動きは期待以上だったと言う。
僕に初めから教えなかったことに関しては僕に自由意志でここまで来て欲しかったし精神的穴倉に入った彼を引っ張り出してほしかったと言う。
そして男はこれから彼を手に入れると言う。
僕はねずみがあそこで12時にお茶会があると言っていたことを言う。
僕は男から報酬をもらいまた会おうと言われる。
僕は羊博士に会うと博士は何もかも終わった、と言い僕は多くのものを失ったと言って部屋を出ると博士は声を殺して泣いていた。
僕は彼の失われた時間を奪ったことがいいのか分からなかった。
ホテルの支配人は耳の彼女は具合が悪そうでどこかへ行ってしまったと言う。
支配人は父が何も食べないと心配しているが時間がたてばそのうち上手くいくと言った。
翌日ジェイに会いに行き僕は仕事を辞めたと伝える。
そして退職金と共同事業買い取り分の小切手をジェイに見せるとジェイは金額の大きさに驚く。
そして僕はジェイにこの店の移転費用の借金の穴埋めにして共同経営者にしてくれないかと言う。そして何かあったとき僕と鼠を向かい入れて欲しいと言う。
ジェイは鼠に会ったことを聞いてきたが僕は長い話だからと言って断り元気だったし会いたがっていたしいつかまた会えると言った。