村上春樹 「羊をめぐる冒険」 中編 | 七転び八転び!? 15分で1冊 

七転び八転び!? 15分で1冊 

人生、いいことの方が少ない。

「薬害エイズ訴訟」の体験とそれまでの過程、読書の感想と要約をを綴ります。

・読み終わった日:2013年7月5日


・人物:「僕」、耳の彼女、、黒服男、羊博士、羊男、鼠、ジェイ


・ストーリー:


第4章:


1、僕が事務所に着くと相棒が何故離婚したのかと聞く。

相棒は彼女とは友達だったしこのことがショックだと言う。

そして僕は我々は仕事で手を広げすぎたと言った。

昔話をした後相棒がその男が来たのは午前11時だと言う。

2、男が来たとき相棒が不在だったため30分待ってもらって会った。

30代後半くらいの男は名刺を出しそこには1人の名前だけがありその男から全権委任されていると言う。

そして僕と相棒の会社で製作した広告の発売中止を要請して来た。

そしてそのPR誌の担当者と会いたいという。

そこには北海道と思われる牧場と雲と山と羊と草原が写っている写真があった。

そしてこの希望がかなわなければ君たちの会社はアウトだと言う。

3、それを聞いた僕はさっぱり分からないと言うと相棒は名刺の人物は右翼の大物だと言い、そんな人だからうそではないと言う。

しかし相棒もこの写真にこだわる理由がわからないという。

そして日刊紙にその人物について問い合わせたところ実は今脳卒中で再起不能で会社に来た男は第1秘書で業界ナンバー2だと言う。

4、僕は事務所で1人ウィスキーを飲みながらその問題の写真をずっと見ていた。

しかしさっぱり分からずそのうち深い眠りについてしまった。

5、翌日約束通り4時に車で僕を迎えに来た。

立派な車で本物の運転手が運転していた。

運転手によるとこの車は「先生」のために使っていたが具合が悪くなってからは客用として使っていると言う。

そして僕は車内で寝たあと目的地に着いたので目が覚めた。

6、着いた邸宅は運転手によると3250坪あるといい僕は部屋に通され待たされた。


第5章:


1、鼠からの最初の手紙は1977年12月21日消印がしてあったが内容はこうだった。

突然街を出て迷惑をかけたかもしれないが説明することがどうしてもできなかった。

今は寒いところにいるが場所は教えたくないが元気にしている。

街を出てから僕は沢山の街に行ったが行き当たりバッタリだったので仕事もいろいろしていろいろな女とも寝た。

僕の小説も同封するが誕生日おめでとう、そしてホワイトクリスマス。


消印から青森県だと分かったが妻にその手紙を見せたら「可愛そうな人ね」と言う。

次の手紙が来たのは翌年の5月だった。

2、内容はこうだった。


僕は場所を移ったが最終地点の気がする。

ここととても静かなので毎日本を読んで音楽を聴いている。

ここにきたのは3月だ。

2つ頼みがあり1つは街に行ったらジェイと君の知らない一人の女の子にもう会うことはないだろうからさよならを言ってほしい。

そのために小切手を同封しておく。


小切手は10万円だったし鼠にしては正直な手紙だな、と思った。

3、僕が街に戻ったのは6月で街に帰るのは4年ぶりだ。

僕はあと半年で30歳になろうとしていたが手に入れたものは何もない10年間だった。

僕にはもう「街」が無く、そう思うとホッとしたし無価値で無意味で僕にものは退屈だけだった。

ジェイは何故家に泊まらずホテルなんだと聞くが僕はもう僕の家ではないと言うとジェイはそれ以上言わなかった。

僕はジェイに鼠からの手紙を見せた。

ジェイズ・バーはすっかり変わっていた。

ジェイは本名ではなく基地で働いていたとき米兵から付けられた名前だった。

昔本人から聞いた話では基地の仕事を辞めバーを開き結婚するが何らかの理由で妻は死ぬ。

ベトナム戦争が激しくなると僕たちの「街」に来て2代目ジェイズ・バーを開く。


僕は鼠と知り合うまで1人でバーに通っていてビールと煙草とジュークボックスをしていた。

鼠が街から出て行った後、道路拡張のため店が移転した。


ジェイが僕に子供を作らないのかと聞くが僕は欲しくないし生命を生み出すことが正しいか分からないと言った。


4、僕は鼠に頼まれたもう一つのこと、女性に電話した。

手紙を読ませるためにわざわざ東京から来たことに彼女は驚いていた。

彼女は鼠が街を出たときにどういう気持ちだったのか聞いた。

そして明日僕に会いにくると言う。

彼女は遅れてきた。

彼女は設計事務所で働いているといい彼がいなくなってから帰りを三ヶ月待ったという。

彼女は21で妊娠し22で離婚しこの街に来たと言う。

淋しい日々を過ごしていたときに鼠と知り合ったと言い彼は非現実的だったがそこが好きだったと言う。

僕は彼女に手紙を渡した。


第6章:


1、黒服の男は腰を下すと何も言わず僕を眺めた。

「みんな死ぬ」と男は静かに言って「誰でもいつかは死ぬ」と言う。

男は延々と抽象的な話をしやっと具体的な話をする。

そして男は例の写真を見せる。

よく見てくれと言うが僕はどこに問題があるか分からなかった。

男は僕が生物学専攻だったということを知っており羊の知識を問い質してきたが男のほうが遥かに詳しかった。

そして男が1頭の羊だけ背中にシミがあるのを指摘しそれは斑点だと言う。

そして男はライターを手渡したがそれは特別製のデュポンで羊の紋が刻まれており羊の背中には星型の斑点があった。

2、男は今この屋敷で1人の老人が死に掛けていて原因は脳に大きな血のこぶがあることだと言う。

そして男は老人がそれでも生活できていたことにGHQが興味を持っていたことその後老人が地下組織を作ったことそしてを話しまたその老人が死ぬことで組織が崩壊するだろうと言う。

そして男は1枚の写真を見せたがそれは医師の命令によって書かれた絵でありそこに背中に星の形のある羊があった。

僕がもっている羊の写真と同じだと言い偶然とは思えないと男は言う。

老人はその羊を探しているがその理由は男も分からないという。

そして男は僕に写真を手に入れたルートを教えてほしいと言うが僕は断る。

男は言わないのは構わないがその代わり2ヶ月以内に羊を探さなければ君の会社はおしまいだと言う。

そして男は僕に活動資金として封筒を差し出した。

3、帰り際運転手にどこに行くかと聞かれたが家に帰る前にまともな世界を見ておいたほうがいい気がしたので西新宿を指定した。

運転手はクリスチャンだと言って先生は立派で神様に毎日電話していると言い神様は同時的存在だから何人もの人と話ができるという。

僕は話を聞いているうちに頭が混乱してきた。

4、僕は高層ビルの最上階にあるバーで飲む。

男から渡された封筒の中身を数えたら150万円だった。

すると天井から僕の名前が呼ばれたのでウェイターを呼ぶと電話機を持ってきた。

相手は例の男で先生の具合が悪くなりタイムリミットを1ヶ月早めるという。

僕はよくここにいることが分かったと聞くと男は大抵のことはわかると言う。


5、家に帰って10時20分に彼女が買い物から帰ってきた。

彼女に今日の出来事を話し僕は北海道へは行く気はないこと、どうせ仕事は辞めるつもりだったし別にいかなくても殺されるわけではない、と言うと彼女は北海道に羊は5000頭しかいないから探せると言う。

僕と違って彼女は行く気であり結局行くことになる。


6、翌朝の9時に起きると彼女はいなかった。

羊を探すと決めてから気分がよくなりこんな気分になったのは20歳過ぎてから初めてだった。

僕は男に電話して世間話をしたあと男が僕に自分の立場がわかっていないと言うので僕は逆に君こそ分かっていないと言った。

僕は失うものは無いから自分のペースでやらせてもらうと言うと男は僕に君にも失うものがあるはずだと言う。

駅前に行くと家族連れや若いカップルを見て元女房から子供を作るべきだったかもという言葉は思い出した。

しかし自分の父親を想像すると気が滅入ったがそれは僕のような父親になりたくないと思ったからだ。


彼女は3時に帰ってきて旅行の準備をしてきたと言う。

彼女は僕と一緒に旅行に行けるから楽しいと言う。

僕は今が今という気がせず10年間そういう状態だった。

僕は彼女の耳に唇を付けて彼女のシャツのボタンを外し彼女の体を眺めた。

彼女は私の体と私自身が生きているみたいでしょう、と言い、こういうのはピクニックみたいで好きだと言う。


7、彼女は僕に旅行中は猫はどうするのかと聞かれ男に世話を頼むが渋々ながら任せることになる。

その後相棒に電話して男と会ったことを話し相棒も納得しない様子だったが僕は仕事を昔の翻訳だけにしろと言う。

相棒は僕無しに仕事は出来ないと言うが僕は子供のことを考えろと言うと相棒はやってみると言う。

お互い僕は今後仕事に戻ることは無いことを分かっていた。

8、翌日例の運転手が猫を迎えに来た。

猫の名前はと聞かれたが名前を付けていなかったので名前は「いわし」ということになる。

運転手は僕と彼女を空港まで送ってくれたが運転手と僕は理屈っぽい話を続けていたので彼女は退屈してしまっていた。

そして飛行機に乗るが彼女は機内で食事や映画を観られなかったことに不満を持っていた。

仕方なく札幌に着いてから2本立てを観た。


第7章:


1、彼女は飛行機に乗っていたときあの運転手が好きだと言った。

彼女はどうして猫に名前を付けなかったのかと聞き僕は名前というのもが好きではなかったのだろうと答える。

札幌に着き彼女と今後の打ち合わせをする。

その後映画を観たが僕はずっと寝ていた。

その後夕暮れ時に散歩をしレストランに入り、どこに泊るかという話になると彼女は場所のイメージはできていると言う。

僕がホテルのリストから名前を読み上げると彼女は「ドルフィン・ホテル」というところで反応しそこがいいと言う。

そのホテルに行き僕はベットに寝ると別れた妻の相手のことを考えていた。


相手は僕の友達で27歳の売れないジャズ・ギタリストだった。

僕は彼女が彼を選んだ理由が分からなかった。

そして元妻とのセックスの回数を数えてみたが不正確だから止める。

彼女は初潮のあったときから正確な生理日日記を付けており、それと一緒にセックスの回数も記録していたが絶対僕に見せなかった。

彼女はもし自分が死んだらノートを燃やしてくれと言い少しでも見たら許さないと言った。

僕が反論すると僕が知っているものは記憶に過ぎないと彼女は言った。


2、翌日僕と彼女は手分けして探した。

僕は道庁の観光課に行ったがダメだったし彼女も収穫はなかった。

我々はホテルに帰り性交した。


4日間収穫がなかったため彼女は新聞広告を出したら、と提案してきた。

それを受け4社に広告を出したがその後電話が来るものの全て悪戯などだった。


10日間が過ぎ、フロントの男が進捗具合を聞いてきた。

彼と話しているうちに彼は本当は船乗りになりたかったのだが舟のロープで指をなくしたことで諦めホテル経営の仕事についたと言う。

このホテルは以前は緬羊に関するものだったと言うので僕は問題の写真を彼に見せると壁にかけてあった写真を見せ同じ景色だと言う。

そして手がかりになるかもしれないと言って2階に住んでいる彼の父が羊博士だということを教えてくれる。


3、旧士族の出の羊博士は神童だったが親の期待に反し帝国大学で農政を専攻し農水省に入省する。

その後モンゴルに出張し緬羊の研究をまとめ急に1ヶ月モンゴルで行方不明になる。

その後戻ってくるが羊と交霊をした言い出したため本国に帰され左遷させられる。

羊博士はその後退職し北海道に渡り羊56頭を飼う。

僕は羊博士に会いたいとフロントの男に言うと彼は父は僕を嫌っているし人嫌いの変人なので自分だけで行ってほしいと言う。

僕は部屋に行きノックをして会いたいというが断られる。

しかし1936年にいなくなった羊のことを聞きたいというとドアを開けてくれる。


僕が写真を見せると納得し羊博士は羊のせいで地獄に落ちたと言う。

羊博士によるとモンゴル時代に道に迷い洞窟で一夜を過ごすと夢を見て羊が現れ羊が体の中に入っていいかと言うのでそれを認めた、と言う。

そしてそのことを研究したが上司たちは精神錯乱という事で本国に帰された。

そしてある日羊が自分から抜けたことを知って地獄を感じ42年がたったという。

そして僕が今までのことを話すとその男のことは聞いたことがあると言い彼も羊抜けをしており羊は用がなくなったから捨てられたのだと言う。

そして羊は常に適任者を探しており、それに対する対策はあるが教えられないと言う。

そして写真の場所は博士の牧場だと言いもう1人牧場について質問をしにきたと言い僕がその男の特徴を言うと一致していた。

最後に羊博士は羊にかかわると不幸になるから止めておいたほうがいいと言う。

4、僕と彼女はその牧場行くことになる。

ホテルの支配人は父はずっと探し続けても見つからない不吉な人生だったと言う。

そして僕と彼女は性交をしている映画を観たが他人の性交しているのを見るのもいい気がした